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コロナ時代の医療の9割は家族のため

2020年08月20日(木)

暑い夏であるが、いつもと同様、街中を右往左往。
行く先々で、不思議な光景を見てはどっと疲れる。
コロナ時代の医療の9割は家族のためにあるのだ。

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日本の医療の特徴は、
・家族の権限が世界一強く
・本人の希望が世界一尊重されない、ことだ。

国は「人生会議」なんて言って浮かれているが
専門家でも実践していないのが「人生会議」だ。



例1)
徐々に食べられなくなった老衰患者
・本人は、入院は絶対イヤ、家で死にたい
・しかし家族は、絶対入院して完璧で最高の医療を希望


例2)
1の続きだが、胃ろうの提案に対して
・本人は、絶対イヤ
・でも家族は、年金のためにも絶対胃ろうか高カロリー点滴

例3)
食べられなくなった90代に、「がん」を疑った時
・本人は、絶対に検査拒否
・でも家族は、検査入院を希望

例4)
抗がん剤を勧められた90代
・本人は、絶対、イヤ
・家族は、絶対、して


例5)
90代の在宅患者さんが38度の発熱
・本人は、カロナール飲んでスヤスヤ
・でも家族は、原因精査のため検査入院と


例6)
80代の認知症の人がデイサービスの職員に噛みついた
・本人は、僕にはニコニコと上機嫌
・しかし家族とケアマネと介護職員は抗精神病薬を強く希望


例7)
ALSの患者さんが徐々に食べられなくなってきた
・本人は、胃ろうと呼吸器で生き続けたい
・しかし家族は、「あれはミジメ」と拒否


例8)
看取り寸前の患者さんに看取りの説明をしたら
・本人はウトウト寝ている
・家族は「死にそうなら絶対に救急車を呼ぶ」の一点張り


例9)
経済的に大変豊かだけど要介護になり暫く経過したが、
・本人は「長尾先生に往診に来てほしい」と、でも
・金銭管理をしている子供は「お金がかかるからダメ」と

例10)
施設に入所している人の全身状態が悪くなった
・本人の意思は不明
・子供は、家に帰るのは絶対にイヤだけど、外から(面会謝絶で会えない)
 「できることは全てやって」の一点張りで、親の老いを全く受け入れない




僕の1日のエネルギーの9割は、家族に注ぐ。
注がないと、ここ日本では、医療ができない。


本人の意思 << 子供の意思、
という世にも不思議な国なのだ。


子供とは、ズバリ、60代。
私と同世代。

60代の子供との会話の時間が毎日、1時間、2時間。
振り返れば、どこに行っても子供さんとの会話だらけ。


その点、完全無欠のおひとり様はいい。
持てるエネルギーを全て本人に注げる。

そうそう、今日は国会議員さんに「高齢者の孤立」の講演をする。
「男の孤独死」についてもお話をする予定だ。(ZOOM講演だ)


でも、気をつけないと、いきなり遠くの長男や長女が飛び出してくる。
だからお盆や正月は、ハラハラドキドキで大忙し、である。

でも今年はコロナのために帰省できない子供達がいた。
そんな子供達とは昼夜を問わず電話で説明、しかない。


90代とは、とてもウマが合う。
しかし60代とは合わない時も。

気が付いたら、同世代に毎日ヘコヘコしている。
90代の親の尊厳を守るためだから仕方がない。

でも、そろそろ、そんな芸者みたいな、あるいは
営業マンみたいにバカ丁寧な説明に、疲れ果てる。


そろそろ限界かな。

ああ、口うるさい子供がいない国、
本人との「対話」で医療が成立する国、に行きたいなあ。

日本は、ケッタイな国であるが、コロナ禍のため
面会謝絶になり、さらにケッタイ、になっている。



PS)
コロナチャンネル#123

面会謝絶はいつまで続く? 介護施設の今後の課題
https://youtu.be/OtylVWYpbVo



PS2
今日は講演や会議や取材が6つもある。
なんだか、ジワジワ忙しくなってきた。



PS3
「検閲」という一言に「嘘やー」という声を沢山頂き驚いた。

皆さん、そんなことも知らないの?

「内調」 内閣情報調査室→こちら

たとえば、昨日朝の台湾のTVニュース。

「安倍さんが24日に辞めて麻生氏が引き継ぐ」
と報道されている。

しかし日本国内ではまったく報道されていない。

DSC_0381.jpg
日本の厳しい報道管制。

でも、国民は全く知らない。
どこかの国と全く同じ状況。

実はコロナも同じ、だ。

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※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

もしも先生のブログやYoutubeが閉じられたら・・・
高齢化社会にあって最期まで尊厳ある生を生きられるよう、リアルタイムの情報を知り、
大切なことを学び、そしてちゃんと自分で考えてみる貴重な場を失うことになります。
これからの日本にとって大事なブログとYoutube、どうか続きますように!

Posted by taco at 2020年08月20日 07:19 | 返信

「かあちゃん、ごめんね。」
先生の記事とYouTubuを見て思わず言ってしまった
かあちゃんは介護施設にいます
家にいる時は色々ありましたが、今は家に帰りたいと言っています
コロナ騒動の前は、仕事が休みの時はかあちゃんを家に連れて帰っていました
ケアーマネージャーの方に相談しながら、色々、ありました
要介護4から2にもなりました
ケアーマネージャーの方に
「施設に来たばかりの時は寝たきりだったし、生きる気力も無かったみたいだけど、良くここまで回復された」(今はトイレは一人で出来ます)
嬉しいかったです
当然、かあちゃんが一番頑張った
でも、私に出来ません
一度は家に連れて帰り事もケアマネに相談した事もあります
仕事と介護の両立、私には無理です
コロナ騒ぎの前、かあちゃんと外食しました
施設では歯がないのでほとんどが流動食です
外食、第一回目がお肉のランチ(お肉を細かく切ってっもらいました)
かあちゃん、お腹を壊すのでないか心配
でも、一口食べたら久々の固形物に大満足
ランチを一人前ペロリです
当然、お腹の状態はすこぶる良し
私、施設の方に確認したので間違いありません
本当にびっくりだったし、一番ビックリしたのがかあちゃん
「かあちゃん、お腹痛くならなかったよ」て
それからかあちゃん、私との外食が楽しみになりました
行きつけの喫茶店の焼きそばセットにモーニングコーヒー
焼肉屋さんにも一緒に行きました
ラーメンも一緒に食べました
一度もお腹を壊しませんでした
なんか、かあちゃんが倒れてから本当の母、娘になれたような
でも、「かあちゃん、ごめんなさい。家に連れて帰れません」

Posted by ナオミ at 2020年08月20日 09:42 | 返信

例1から10、本人の好きなようにさせてあげればいいのに、あるいは本人が穏やかならそっと見守ってあげればいいのに、ですが、例6・・・私はうる覚えで今となってはどうしてそんなことをしたのかも解らないのですが、子供の頃一時期、ニコニコ笑って看護婦さんと手をつなぎ突然看護婦さんの手にがぶっと噛みついていたので看護婦さんは私と手をつなぐことを嫌がっていたことを思い出しました。{うちは医院で看護婦さんが沢山いました。}私はただ楽しくてがぶっと噛みついた看護婦さんのことも好きだったのに、本当におかしな行動です。幼な心に深層心理的にストレスがあったのかもしれませんね。本人さえも理由がわからない行動にでてしまうことってあるんですよね。しかし、認知症の方のがぶり行動には抑肝散とかデパケンなんか処方してさしあげても良いのではないかなと思うしだいです。

Posted by 遠い声 at 2020年08月20日 10:40 | 返信

自分自身の意志が反映されないのであれば、いったい誰のための医療なんでしょうね?
医療というのは倫理的には患者自身の意志が尊重されるべきです。
自分自身の意志が妨害されるのであれば、子供とは縁を切ったほうがいいのではないか?とすら思えます
特に高齢者・終末期なのに子供の意志で無理矢理生かされるというのは倫理的に問題大ありです。

Posted by マッドネス at 2020年08月21日 05:50 | 返信

先生、毎日激務にも係らず、コロナチャンネルやブログありがとうございます。
以前、介護施設にいる母の食事介助ができなくなった件を書き込みした者です。
ありがたいことに、母は何とか生かされております。
体重は面会謝絶で一気に5キロ減りました。食事介助は7月は許されて、体重は1キロ増えました。が再び8月から面会が厳しくなり介助も禁止されました。足の浮腫が出てきて、低栄養だそうです。今まで娘の私が食べさせて、母もそれに答えてくれていましたが、本人の食べたくない自由を奪っていたのでしょうか? 虐待とか、家族のエゴなのでしょうか?
近々、急性期病院、リハビリ病院、介護施設と5年になります。家に帰りたい?と聞くと、帰りたくないよ、ここがいい、という母です。でも、最近姉にいつまでここいるのか?と聞いたらしく、元気なうちに実家に連れ戻すことも考え始めました。

Posted by 匿名希望 at 2020年08月21日 08:25 | 返信

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