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コロナ禍のなかの新規開業
2020年09月26日(土)
昨夜は17年間当院に副院長として勤めてくれた
谷口雅厚先生の送別会を当院内で4部制でやった。
コロナ禍のなかの新たな船出の成功を皆で祈った。
開業して26年目になるけど
谷口先生との17年間は長い。
実にいろんなことがあったな。
写真で振り帰って皆で大笑い。
ここにはとてもアップできない大傑作な
写真ばかりで最近の職員は驚いただろう。
そう、2人とも若かった、のだ。
若いということはハメを外すということ。
今、僕にはその元気もなにもない。
懐かしい17年間を回顧していた。
コロナ禍なので密を避けての4部制。
時差出勤とも相まってそれで良かった。
本当は2人でブラリと飲みに出たかった。
しかしそんなことをすれば、泣くだろう。
別れることになった恋人と飲みには行けなかった。
ぐっと我慢して、深夜の仕事に備えて、車に戻る。
谷口先生、こんな僕を支えてくれてありがとう。
居なくなってから寂しさが一層つのります。(都はるみです)
谷口内科クリニック(川西市)→こちら
明日、内覧会である。
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9月23日号 医療タイムス 冬の時代の診療所経営
コロナ禍の中での新規開業 長尾和宏
■受診抑制の中での新規開業
この半年間のコロナ禍の中、予定どおり新規開業した医師を4人ほど知っている。
実は、当院に副院長として17年間も勤務してくれた医師も、その1人である。
一方、コロナ禍により新規開業を断念、延期した人が相当いたそうだ。
医療機器メーカーから「実は新古品のような機器がありまして...」という話があったので、
よく聞くと新規開業医院に納入寸前で中止になったものであったりした。
ただでさえ強烈な受診抑制がかかっている中で新規開業するのはどんな考えなのだろうか。
あえて火の中の栗を拾う意気込みとはいかに。恐る恐る開業した当人に聞いてみると、
「あまり心配していない」。
こちらが拍子抜けするような答えが返ってきた。
「まあ、なんとかなるさ」と、実に楽天的な言葉だ。
■「大丈夫、なんとかなるよ」
しかし自分自身、25年前に尼崎市で開業したときを振り返ると、
さして深い考えがなかったことに気が付く。
そういえば当時、周囲からは「10年前だったらよかったのにね」とか
「もう食べていけないからやめておけ」とか
「絶対無理だ。お前は犯罪者になるだろう」
とか落ち込むようなことしかいわれなかった(悲)。
逆に「いいね!」と賛成してくれた人は皆無であった。
しかし実際は25年間、つぶれることなく食べているので、
先輩諸氏の予想は全員間違っていたことになる(笑)。
そんな経験が焼き付いているので、
知り合いから新規開業について相談を受けるたびに
「安易に困難といわないようにしよう」と心がけてきた。
だから今回も副院長を「大丈夫、なんとかなるよ」という言葉で送り出し祝った。
10年後を考えると、診療所よりも病院経営の大変さのほうが思いやられる。
全国各地どこにおいても統廃合や再編などのかつて経験したこともない荒波が待ち受けている。
■診療所経営は「かかりつけ医機能」を意識すべき
一方、診療所経営は「かかりつけ医機能」を意識しておけばなんとか食べていけるのではないか。
というのも、コロナ禍で明らかになったのは地域の「かかりつけ医機能」の脆弱さであった。
発熱の電話相談、唾液を用いたコロナのPCR検査(行政検査)への参画、
施設から自宅に看取りのために帰った患者さんの受け皿などに積極的に取り組む診療所と
取り組まない診療所にはっきり分かれたようだ。
「かかりつけ医」は高齢者だけのものではなく、今後は地域住民全員がそれぞれに持つべきものである。
しかし、その割には真の意味での「かかりつけ医」としての実力を有する診療所数は、まだ十分ではない。
■コロナ禍の中でスタートした勇気にエールを
かかりつけの患者を往診することは当然の要件であろう。
コロナ禍の中においては、感染防御の知識と実践、
そしてある程度の覚悟がないと往診や在宅医療には取り組めないかもしれない。
それでも「かかりつけ医」機能を目指すのであれば、コロナ禍の中での開業は決して悪くない選択だと思う。
悪いどころか、競争相手が少ないのでよい、という可能性がある。
ゆっくりスタートが切れる。どうせゼロからのスタートなので、
長い目で見れば考える時間がたくさんあることは悪くない。
ある程度の運転資金が必要なのは、いつの時代でも変わらない。
コロナ禍の中でスタートした勇気にエールを送りたい。
それまでに培った専門性を生かしながら、かかりつけ医機能を強く意識して、
両者が両輪となるように頑張ってほしい。
PS)
コロナチャンネル #160
松沢病院に学ぶ、精神疾患の人がコロナにかかったら... →こちら
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