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【保存版】おひとりさまの在宅医療&看取り

2020年10月09日(金)

おひとりさまの在宅医療の依頼が続く。

病院関係者はそれが可能であることを

知らないけど、僕は普通にやっている。

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このテーマは、月刊ケアマネジメントに書いたばかり。

この雑誌には思い切り本音を書いているけど大丈夫?

この雑誌はお勧め。

読んでいて面白い。

今回の記事も介護スタッフは保存していてね。

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『月刊ケアマネジメント 2020年10月号』 在宅医だから伝えたい! 

在宅介護を快適にする極意 第6回 

「おひとりさま」の在宅介護&看取り →こちら

独居の高齢者は年々増加傾向にあります。いくら仲のいい老夫婦でも一緒に死ぬことはありません。一方が亡くなれば、その瞬間から自動的に独居高齢者になります。たとえ子供が近くに住んでいても月に一回も帰ってこない人が沢山います。そうした独居高齢者は「おひとりさま」と呼ばれています。貴方の周りに必ず何人かいるはずです。

2040年には日本中が「おひとりさま」だらけになります。おひとりさまの認知症、おひとりさまの末期がん、おひとりさまの老衰は、本人が何も言わなければ自動的に施設か病院に移されてそこで最期を迎えます。しかし本人が「死ぬまで自宅で過ごしたい」「この家で死にたい」と明言した時、ケアマネはどう受け止めたらいいのでしょうか。 地域包括ケアのスローガンは「住み慣れた街で最期までその人らしく暮らす」です。これは一言でいえば「おひとりさまでも本人が望めば自宅で看取りができる街づくり」のことです。僕はこれまでおひとりさまの在宅看取りを特別視せずに行ってきました。

末期がんでも認知症でも本人がそれを希望すれば、人生会議を繰り返すことで自宅で最期まで暮らすことは可能です。つまり「おひとりさまの在宅看取り」は僕にとっては日常です。しかし病院の医師や看護師や地域連携室のスタッフにはそんな現実を知らない人も多くいます。入院した瞬間から「独居=在宅は絶対無理なので退院後は絶対に施設か病院だ」と思っている病院スタッフがほとんどです。

おひとりさまの在宅療養&看取りは、在宅スタッフと病院スタッフでは、もっとも「文化の差」が大きい領域です。そこで今回、おひとりさまの在宅療養&看取りでケアマネが知っておくべきポイントを解説します。

1 本人の意思確認 

「最期まで家にいたい」という本人の意思が在宅療養の大前提になります。ケア会議で定期的に本人の意思確認をして家族と多職種で人生会議を繰り返すことが重要です。コロナ禍のためにリアル会議が困難であるならば、「ZOOM人生会議」でも構いません。MMSEが0点に近い高度認知症の人でも自分の死に場所はどうしたいか、はしっかり言えることはよく経験します。そうした本人の療養場所に関する本音を引き出す技術がケアマネに望まれます。意思確認を繰り返して文書の形で記録しておくことが重要です。

2 合い鍵の確保

自分で鍵を開けられないおひとりさまは本人の同意を得て、必ず合い鍵を預かります。キーボックスの設置でも構いません。呼び鈴を押して返答がない時、慌てた介護スタッフや家族や隣人が119番してしまうことだけは避けたいです。救急隊が到着した時、もしも亡くなっていたら警察に連絡がいきます。すると現場検証や事情聴取となります。警察沙汰になるとケアマネにトラウマが残ります。

3 訪問看護師とヘルパーの理解

おひとりさまの在宅療養&看取りに理解がある訪問看護師やヘルパーは案外少ないものです。一度も経験が無い人はたいてい「なんとなく怖い!」と不安を抱きます。警察沙汰になるのが怖いのでしょうか。ケア会議の際に「看取りの法律」を分かり易く説明しておくことは極めて大切です。また地域の地域包括ケアのイベントにおいて、病院のスタッフの理解を深めておくことも重要です。看取りの後に病院内で病院スタッフを対象に振り返りの報告会やカンファレンスを開催して頂き、現実を知って頂くことも一法です。

4 遠くの家族との信頼構築

遠くの長男・長女とのこまめなコミュニケーションは欠かせません。彼らの同意がないと看取りは成立しません。電話やメールでこまめに病状の報告をすることで信頼を築くことができるはずです。状況が分からないと遠くの家族は不安と後ろめたさから必ず「とにかく入院を!」となります。もし子供さんやお孫さんが近くに住んでいるのであれば、時には休日や夜間に自宅でお会いして良好な関係性を構築しておくべきです。通常の訪問以外にコミュニケーションの時間を割きましょう。ケアマネから働きかけて報告し遠くの家族の気持ちをしっかり傾聴することが大切です。

5 夜間の緩和ケア

おひとりさまで一番問題なのは、夜間の対応です。ブラックボックスである夜間をどう見守るかが大きな課題になります。たとえば末期がんの場合、特に夜間の緩和ケアの質が看取りの可否を左右することがあります。痛み止めの内服や座薬や頓服薬をあらかじめ用意しておくことは当然ですが、自分で飲んだり挿入することが困難になります。結局、最期の数日は「誰か」が泊まり込んで世話をする場合があります。経済的余裕がある人は自費のヘルパーさんを手配する場合もあります。医療保険においては混合診療は厳しく禁じられていますが、介護保険では自費サービスと組み合わせることが認められています。本人の希望を叶えるために様々な自費サービスを活用しましょう。

6 24時間定期巡回型訪問介護・看護

僕はおひとりさまのお迎えが近くなると「24時間定期巡回型訪問介護・看護制度」を利用することがあります。もちろん自分の法人の訪問看護師も参画します。必要に応じて午前0時や午前3時に見守りをしてもらいます。本人が安らかに寝ていればそれでいいのです。監視カメラをスマホで見て「見守り」をしてもいいです。おひとりさまの在宅療養の最大のポイントは夜間の見守りにあります。逆にいえばそれさえできれば療養だけでなく看取りも可能です。「24時間定期巡回型訪問介護・看護」を請け負っている事業所が無い地域ではボランテイアなどに協力を求めることもあります。あるいはかなり融通がきく「お泊りデイサービス」を利用するケースもあります。地域にある様々な介護資源を利用することで本人の願いを叶えることができます。

7 近隣住民の理解

おひとりさまの認知症の人が在宅療養している現実を一番嫌がるのは、たいてい隣人です。医療・介護スタッフが家に出入りするところを呼びとめられて「おひとりさまを家で見るなんてとんでもない奴だ!」と怒られることがあります。彼らは火の不始末を心配しているのです。だからあらかじめ電磁調理器など絶対に火事が絶対に出ないようにしておくことも大切です。現状や見通しを隣人だけでなく民生委員や自治会長にさりげなく伝えることで近隣の人たちの安心を得るだけでなく、良き協力者になってくれることもあります。地域住民と一体になって本人の願いを叶えた!という成功体験を共有できれば、「おひとりさまでも大丈夫」という噂が立つでしょう。長い目で見れば、必ず同様な人が増えるのですが、そのような選択肢があることを知る人が増えます。「おひとりさまの看取りができる街」であることを自慢する民生委員さんや自治会長が出てきます。これこそが本物の「地域包括ケア」の姿だと思います。

8 119番しない

いよいよ最期が近い、週単位から日にち単位になったと思われたなら最期のケア会議を開催します。そこで様々なシミュレーションを多職種で行います。看取りと決まったら、息が止まっても119番しないことを全員で確認します。看取りの法律である医師法20条の意味を多職種で共有しておくことは将来の財産になります。近著「119番と平穏死」(大和書房)を是非参考にしてください。あるいは、勇美記念財団の支援を受けて作成した寸劇をスタッフだけでなく遠くの長男・長女にも必ず見てもらってください。近畿の在宅スタッフたちが医師やケアマネを演じています。(ここに2つのQRコードを載せてください。添付します)

9 生保ケースワーカーとの連携

意外かもしれませんが、自験例では生活保護受給者のおひとりさまが自宅での看取りを希望されるケースが多いです。生活保護を受給しているおひとりさまの場合、キーパーソンはケースワーカーになります。しかし経験の浅いケースワーカーだと、勝手に入院させることがあるので早めにしっかり連携しておく必要があります。

10 死後のシミュレーション

おひとりさまの看取りでは亡くなる瞬間に誰もいないことがよくあります。家族がいても誰も居ない時に息を引き取ることがありますが、おひとりさまではその確率が高まります。イザその時になって慌てないように最期のケア会議では、死後に連絡する葬儀屋さんも決めてもらっています。遠くの長男・長女に電話やメールであらかじめ伝えています。事前に死後のシミュレーションまでできたならば「おひとりさまの在宅療養&看取り」は必ず叶うはずです。

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ちなみに、以下は今夜の有料メルマガからの抜粋。

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Q)

先生こんばんは。もうすぐ80歳にある母が認知症病棟に入院しています。

コロナ禍以降、未だお見舞いに行くことが難しくなっています。

先日の「報道特集」を見て、もしも病院でコロナクラスターが起きたときは、

ほぼ看取りはできないということを知りました。

母を、ひとりで病院で逝かせるのはあまりにも不憫です。

なかなか会いに行けなくなってから、母は状態が悪くなっており、

早ければ年内かもしれないと言われてしまいました。

88歳の父は、糖尿病が悪化し、現在ほかの病院に入院しています。

私は現在55歳。長年一人暮らしで仕事をしており今まで介護をした経験がありません。

兄とはもう何年も連絡を取っておらず、どこにいるかもわかりません。

母は、会いに行けば少し反応をしますが、私のことをどれだけ認識しているかも不明です。

こんな状態で、「コロナ禍で看取りができないのはかわいそう」という理由で、自宅に 引き取るのは無謀でしょうか? 

私のただの自己満足でしょうか?

それにもし私が、在宅介護中にコロナになったら母はどうなるのでしょう?

たとえ最期に会えなくても、病院で逝かせてやるべきでしょうか? 毎日、悩んでしまいます。

母が今、どういう最期を望んでいるのか知りたいです。

まさか認知症がここまで進行するとは思っていなかったので・・・

本当に情けなくて、 何も行動に移せない自分が嫌になり、毎日泣いています。

アドバイスをお願いします。

A)

同じような相談をたくさん受けます。そして同じように悩んでいる人がたくさんいます。

同じような状態であっても貴方のように考えない人もいれば、考える人もいます。

要は、老いた親をどのような重みで見るのかは子供によってまさに千差万別です。

僕の想像ですが、幼少期の親子関係によるものでしょう。

一方、なんでもかんでも病院に入れたがる、「病院信仰」の子供もたくさんいます。

しかし病院も面会謝絶で基本的には同じことです。

自宅に連れて帰ることは決意さえあれば容易です。

そんな人は全国的にたくさんいて、在宅看取りは増えています。

まずは、自宅近くで親切な在宅医ないしケアマネや訪問看護師を探すことです。

在宅医療に熱心な在宅医は多くの介護スタッフの人脈を持っているので、やはり在宅医選びになるでしょう。

在宅医もいろいろで、がんが得意、認知症が得意、そして僕のように「なんでも来い」などいろいろあるので、

僕が監修した週刊朝日ムック「最期まで自宅でみてくれるよいお医者さん」をネットで買って(1000円)探してください。

お母さまは要介護5のはずですから、介護保険を使い1日3回ホームヘルパーと週に何回かの訪問看護が入ります。

つまり貴方が自宅にいなくても在宅療養はまったく可能です。

実際、独居の看取りを視野に入れた在宅療養を選択する人はたくさんいます。

つまり、貴方が家に居なくても家に帰り看取ることは可能です。 それを選ぶ経緯として、2つあります。

ひとつは本人がリビングウイルのような希望書を書いている場合、 もうひとつは子供がそれを強く望む場合です。

貴方の場合は後者です。

独居の看取りは医者はもちろんケアマネにもあまり知られていませんが、僕たちは日常です。

詳細は月刊ケアマネジメントの10月号の僕の連載「おひとりさまの在宅療養&看取り」をご覧ください。

悩むくらいなら、まず行動されてはどうでしょうか。

もし介護疲れで在宅療養が行き詰まった場合は、ショートステイやお泊りデイを活用するという道もあることは覚えておいてください。

貴方が生まれてから物心がつくまでの数年間、お母さまは貴方を育児と言う名の介護をしました。

是非、そのご恩返しとして最初は大変かもしれませんが頑張って親孝行をしてください。

きっと大きな発見があるはずです。

もしもまだ迷っておられるならば、NPO法人つどい場さくらちゃんの「つどい場オンライン」を受講してください。

介護が豊かで楽しいものに変わるはずです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

台風、本当にうっとおしいね。

通りすがるのを待つしかない。

PS)

コロナチャンネル #173_

コロナとお金の話。

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※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

長尾先生、「月間ケアマネジメント」の9月号と10月の先生の本音は感謝の一言です
私の友達なんかは9月号の「介護に必要な発熱の知識」を理学療法士(だったと思う)の娘さんに知らせたそうです
また、今回も「思い切り本音」なら、沢山の方が今一度、先生の書かれたよ物を読みながら様々な立場から、一人一人が考えられると思います
ふと、思います
「本音で書かれたもの」を読まれるときは「肩書」や「名前」で読まれるでしょうか?
違うと思うな 内容で読むな
また、当然、「批判」も出ると思う
だって、飾らない言葉って人の心に自然と入っていくもん

私は着飾った方(肩書の多い方)が本音が言えないだろうという姿が、見え隠れすと冷める
私の思い過ごしかもしれないけど、山〇教授

先生のメルマガの抜粋読んでいて、少し、涙した
私の中で色々な思い出が交差していくのを感じた

「22歳の別れ」でないけど、その人の姿を見つからない場合が多い
でも、「不器用な優しさ」に気が付いて、触れ合い事が出来たら一番幸せだと思う
触れ合いが出来なくとも、想いだけでも伝えることが出来るならそれだけでも十分かな

Posted by ナオミ at 2020年10月10日 06:42 | 返信

「お母様は貴方を育児という名の介護をしました。」という言葉に胸打たれ、涙しました。

Posted by むつみ at 2020年10月10日 10:47 | 返信

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