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開業医に丸投げする前にやるべきこと
2020年10月17日(土)
9月までは「発熱したら保健所に相談を」、であった。
しかし10月からは「発熱したらかかりつけ医に」だ。
その前に行政がやるべきことが沢山あるのではないか。
医療タイムス10月号 開業医に丸投げする前にやるべきこと 長尾和宏
この冬、診療所は発熱患者さんを診るところと診ないところに大別されるようだ。現在、その「手上げ」を募集中である。しかし患者動線を時間的かつ空間的に分けて診療できる診療所は多くはないだろう。東京都医師会はかかりつけ医の手上げを促しているが反対意見も根強い。特に出入り口が一ケ所だけというビル診療所では物理的に参加したくても「参加できない」ところが多い。逆に、「参加できる」こころであっても数々の重いリスクを負う事を考えると躊躇せざるをえない場合もある。
どのようなリスクがあるのか。第一に風評被害である。「あそこにはコロナがいる」という噂を聞いた患者さんが受診を控えることは明らかである。地域の発熱患者さんに応えようという想いが皮肉にもクリニックの崩壊につながるというリスクを負う。第二に休業リスクである。実際に診療所内でクラスターが発生したら2週間程度の休診を余儀なくされている。せっかくの想いが結果的に自分の首を絞める可能性がある。第三に自分が感染して最悪の場合、命を落とす可能性がある。高齢医師には殉職覚悟の手上げを迫っていることになり。本来、2類指定の感染症は保健所の管轄である。しかしいきなり民間に丸投げする政策には大きな疑問を感じる。
せめて以下の3点を至急に検討すべきと考える。 1) 現時点で2類指定を外すべきではないか。それにより強制入院や強制休診などという悪いイメージが多少なりとも払拭される。2)「参加する」に手を挙げた診療所には、インフルとコロナの同時検査キットとPPEを国が責任をもって支給すべきではないか。大きなリスクを背負っているわけだから物理的な支援をすることは当然だ。3)万一、医師や医療従事者がコロナに感染した場合の補償制度を明確にしておくべきだ。個人補償と医業経営への補償の両者を前提としていない「丸投げ」は、あまりにも乱暴な政策に見える。リスクを背負う兵士にはそれなりの安心を与えたい。 大阪では全国に先駆けてコロナ専門病院ができたが、これは軽症~中等度のコロナ患者さんを受け入れる病院である。東京や他の大都市でも検討されていると聞く。結核病院と同じ発想である。
しかしコロナの場合、入院に至るまでの「診断」に特化した場を設けるべきである。医師会が主導する「発熱外来」は手上げ方式よりもずっと合理的である。なぜなら診療の場と検査の場が離れているからである。大きな駐車場内にテントを張って換気しながら暖もとれるような場を設けることを行政が率先すべきであろう。 医療資源の偏在は驚くほどの地域差がある。地域によっては人的資源に恵まれた地域密着型の病院が発熱外来を主導すべきだ。感染症診療には目に見えない人的資源が必要で一人医師の診療所には負担が大きすぎる。今回のような開業医の手上げ方式は本来、最終手段であり、その前に行政が行うことがたくさんある。コロナの第二波での教訓を早急に国民に周知すべきだ。たとえば重症化率が低くなったことや重症化因子がかなり明確になってきたことである。それらを行わずに診療所に丸投げするというやり方では、全国各地で様々な混乱が予想される。今のうちにきめ細かな対策を官民一体となり練っておくべきだ。
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寒くなりましたね。
でもここで風邪をひくとコロナと間違える可能性がある。
いや、コロナと風邪の区別はPCRをしなと分からない。
そんなコロナちゃんをいつまで指名手配にするのかな。
クリスマス音楽会も各種忘年会も「中止」が決定した。
今年はまさに「コロナの年」、「ひとり勝ち」やなあ。
毎日、町医者、経営者としてとても忙しい。
診療以外の仕事や会議が急速に増えてきた。
テレビやラジオなどのマスコミの仕事も舞い込む。
新刊の執筆や映画やイベントの打ち合わせも再開。
街の若者たちは、実質、「コロナ明け」している。
それでいいのだ。みんな、静かに楽しもう!!
PS)コロナチャンネル #181
コロナと誤嚥性肺炎 どちらが怖いの!! →こちら
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この記事へのコメント
長尾先生が決めたなら、音楽会等の中止はコロナちゃんも仕方がないと諦めます
少し、寂しい・・・
「今」という時は、戻って来ないのが本当だと思う。
多分、年齢には関係がある様な、ない様な・・・
ただ、人によっては無くした時間を取り戻す努力をしている様な気がする
だから、高齢の在宅患者さんの「今」という時は、取り戻すには難しいのかなあ
長尾先生のお父様やお母様の思い出は、悲しい事の方が大きいかな
でも、そんな先生だからこそ、患者さんに寄り添える町のお医者さまを選んだと感じました。
悲しみや苦しみを乗り越えた分だけ、優しくなれると思うから(身勝手な私には難しいです)
高齢医師の殉職覚悟は複雑です
あいも変わらずの行政の身勝手さ
1)イメージの払拭
2)物理的支援
3)補償制度
天災だから仕方無いと考えているなら、余計にちゃんと、やって欲しい
戦争(人災)は嫌い
関係の無い人達まで巻き込むから
Posted by ナオミ at 2020年10月17日 10:43 | 返信
一足早く寒くなった欧州では感染者急増して過去最高を更新。気温と湿度の低下により飛沫がより飛ぶようになるので、間違いなく8月よりはるかに巨大なコロナ第3波が来そうな気がします。
我が国の開業医は高齢者が多い。コロナで100人ほど殉職したら、やっと厚労省は動くのでしょうか?
地方の開業医がドミノ倒しで入院して不在になれば、それこそ医療崩壊です。訪問診療もしている開業医や訪問看護師によるコロナスプレッダーも心配されます。なぜなら発症前が感染ピークなので。
各地域で「発熱外来」として集約化するしかないのに、医師会も厚労省もこの半年間まったく動けずで、結局、診療報酬釣り方式で開業医自己責任で丸投げですからね。GO-TOとかにカネかける以前に、
「発熱外来」のための物資や人件費にカネをかけるべきでしょう。本末転倒でどうしようもないです。
Posted by マッドネス at 2020年10月19日 09:19 | 返信
おそらく国も厚労省も「新型コロナは風邪扱いにしたい」のではないかと想像します。重症化するのはごくわずかの若年者と一部の高齢者だから、肺炎になったら入院くらいでいいのでは、と考えているのでしょう。そうでないとGoToなんてやらないはずです。ただし二類を外すと外国に対して問題が出るので、それはしないと。
今発熱があるというだけで膝の関節炎とか尿路感染症とかでも診察を受けるのが難しくなっていると思います。当院でも発熱があるだけで最初は防護服対応です。風邪症状さえなければ通常外来で、というのがスタンダードになればだいぶ違いますが、それにはもう少し国か厚労省の一言がないと難しいです。
おそらくこれを機に廃業する高齢の開業医はそれなりにいらっしゃると思います。施設スタッフもなり手がなくなるでしょう。早いうちに新型コロナを風邪扱いにしないとまずいのではと個人的には思います。疑わしきはPCR検査、とかやっているといつまでも風邪扱いできません。
Posted by 広島の赤牛 at 2020年10月20日 12:28 | 返信
たしか、コロナ肺炎ウイルスが、出てくる直前では、東洋経済によりますと「病院淘汰」とか「保険所の統廃合」などの特集があって、医療とか福祉の財政を緊縮していく方針だったと思います。アメリカのトランプ大統領の命令で、防衛費を増大させるように欲求して、ステルス戦闘機や、イージスアショア(ペイトリオット)などを大量に購入させられてその結果医療と福祉の財源が小さくなっていったのだと思います。
こんなことを言うと叱られるけど、「猫問題」もドイツみたいに国家行政がやってくれたら、猫も少なくなるのに、市民ボランティア任せで市民泣かせなように、コロナウイルス肺炎も保険所や、国公立病院や大病院が積極的に治療してくれたらよいのに、開業医に任せるのも、同じような責任転嫁のように思えます。
Posted by にゃんにゃん at 2020年10月21日 05:21 | 返信
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