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インフルワクチン騒動から地域包括ケアを考える

2020年11月17日(火)

毎日インフルワクチンが有るのか無いのかで大騒ぎ。

最初から沢山造ればいいだけなのに、無駄な心配だ。

ちなみに僕は生まれて一度も受けたことがないけど。

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医療タイムス11月号    

インフルワクチン騒動から地域包括ケアを考える  長尾和宏


 11月に入りどこの医療機関もインフルワクチンが不足して困っている。せっかく来院されてもワクチンがなくて帰る人の方が多い。理由は単純だ。高齢者を無料にした自治体が多くあるからである。例年ワクチンを打たない高齢者がコロナ禍不安と無料になったという2つの理由で10月1日から、列をなして各医療機関にどっと押し寄せた。その結果、11月からの一般用のワクチンがまったく不足するという事態に陥った。  一方、「この冬、コロナと新型インフルの同時流行に備えてインフルワクチン接種をしましょう」と広報されている。しかし肝心のワクチンが無いのはどうしてか。関係各位に聞いてみたが、みな分からないとう。ワクチン供給の統括元はどこなのか、どんな基準で供給されているのかを知りたい。


この冬のワクチン需要は僕のような素人が考えても例年の1.5倍は必要なはずだ。もっと多くてもいい。しかし例年の1.1倍とか1.4倍とか聞くと、需給予測が甘かったと思う。またいろんな卸からバラバラに入荷されるが、供給元も一元化したほうが合理的ではないのか。またこのように市場に既にワクチンが無いのであれば「受けましょう」ではなく「もうありません」と広報内容を変更すべきである。というのもワクチンが打てないという説明を毎日、何十回も説明しなければならないからだ。 アベノマスクに何百億円も使うのであれば希望者全員に無料で打つ、という手もあったのではないか。


 ワクチン接種を巡る混乱は、2009年の新型インフルエンザ騒動の時も起きた。今回、まさにデジャブだ。その時は、タミフル不足も起きて高値で転売もされていた。さらに新型インフルワクチン接種を巡る混乱があった。今、来年の冬をイメージしている。インフルワクチンとコロナワクチン(その時にあるのかどうかわからないが)の両方を接種するのであれば、大きな混乱が起きることは確実であろう。皮肉にも混乱する場面で感染が拡大するだろう。


 結局、感染症対策のガバナンスは誰がどのように行うのか、という命題になる。予防、診断、治療、療養、後遺症の各段階に分けて地域の実情に合わせた臨機応変な診療体制を構築する必要がある。そのためには、市町村医師会と行政の協働が必須だ。その中にワクチン供給のガバナンスも含まれる。その際重要なことは僕のような一般会員の実情も聞きながら決定することである。ちなみに2009年の新型インフルの時は民主党政権であったが、一般の開業医の意見も吸い上げられていた。  


確実に言えることはこうしたパンデミックは、今後も定期的に繰り返されることだ。地球温暖化が止まらない限り感染症対策は特別なものではなく、常にやらないといけないことである。国民皆保険制度がある日本は、感染症対策も行政と医師会の共同作業でやるべきだ。入会率を高めて合理性と透明性を高めることは地域住民の利益につながる。そして今回のように免疫能が低下した高齢者がハイリスクであればケアマネや介護職との連携も必須となる。当然ながら在宅や介護施設での対策も重要だ。そう考えると「地域包括ケアシステム」の枠組みの中に「地域の感染症対策」を取り込むという考え方が合理的であろう。一般の診療所は否が応でも地域包括ケアシステムに参画することになる。  


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


自費でのPCR検査のなかに陽性者が結構いて驚く。

しかも無症状の感染者のほうが多い、らしいね。


ということは2~3日かかるPCRの意味はあるの?

CTという5分でできる道具をPCR代わりに使う手。



PS)

コロナチャンネル #212 感無量です!


コロナで延期になっていた映画『痛くない死に方』が始動! →こちら


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この記事へのコメント

「感無量」先生の嬉しいご様子とお声に、こちらも嬉しい気もちになりました。
誰もが平等に迎える「死」のことを、中々話したがらない、話しにくい日本。
「死」そのものより、そこへ至るまでの痛みや苦しみ哀しみを恐れ、向き合うことを避けてしまう。
なので「痛くない死に方」というタイトルに惹きつけられる人は多いのでは。
映画、益々楽しみです。待ち遠しい~

Posted by taco at 2020年11月17日 09:26 | 返信

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