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ジェネリック水虫薬で死亡

2020年12月21日(月)

ジェネリック水虫薬を飲んで死亡者が出た報道。

コロナ禍報道のなか、忘れてもいいのですか?

ジェネリックは安全?まぐまぐのメルマガより。

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以下、まぐまぐ12月17日号 死のQ&Aより、引用


Q)

水虫の薬を飲んで70代女性が死亡。 やっぱりジェネリックは怖いです。

コロナで死者が出ると大騒ぎするのに、この事件をメディアがあまり取り上げていないことが不思議でなりません。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


福井県あわら市の製薬会社「小林化工」が製造した水虫薬「MEEK」に睡眠導入剤が混入。入院中だった70代女性が死亡しました。この薬には、「ベンゾジアゼピン系睡眠剤リルマザホン塩酸塩水和物」が、通常の最大投与量の2・5倍にあたる量が入っていたとか。他にも、運転中に意識が薄れたなど、この薬の健康被害を訴える人が続出。


水虫の薬を飲んで死ぬなんて、一体、誰が想像するでしょうか? 医療費削減のため、国は、「ジェネリックを使え!」と喧伝しているためこの事件は あまり報道されていないのかなと勘繰ったりもします。 薬剤師も、「まったく同じ成分ですよ」となんの薬でも、ジェネリックを勧めてきます し、同じ成分なら安いほうがいいと思ってジェネリックを選択する人は多いはずです。 しかし、報道されていないだけで、ジェネリックの健康被害は、実は、かなりあるの ではないですか? 


国の医療費削減に賛同してジェネリックで死ぬなんて恐ろしい です。しかも、一つの薬に対して、何種類もジェネリックがあるはずですが、薬剤師 は1種類しか勧めくれないですよね。それはなぜですか? この事件と、ジェネリックについての見解をお願いします。



A)

重大な薬害なのにコロナ報道の陰にすっかり隠れてしまいました。残念。ジェネリック薬の犠牲になられた皆様のご冥福をお祈り申し上げます。強力にジェネリック誘導政策を進めている国は、当然、それに水をさす今回の事件を大きく扱いたくありません。 日本のジェネリックは先発品と「同じ成分」という1点だけです。専門的には「溶出試験」だけクリアすれば認められます。そんな名目だけです。実際にそれを飲んで体内に入って先発品と同じ効果が発揮されるかどうかは誰も分かりません。


だからハッキリ申し上げますが、「効かないジェネリック」は山のように存在します。 なのに国はなぜ強力なジェネリック誘導をやめないのか。理由は極めて単純明快です。お金が無いからです。


ジェネリックに変えるだけで単純に薬剤費が3割削減できるからジェネリックだ。それが財務省の考えです。財務省からの強力な圧力で厚労省はジェネリック政策を進めています。極端に言えば品質に関してはノーチェック。審査する機関もありません。 アメリカには「ジェネリック局」があり厳しい審査をしています。だから「安かろう、良かろう」のジェネリックですが、日本は真逆。「安かろう、悪かろう」のまま放置されています。日本はアメリカなどのジェネリック薬事行政を見習わないといけません。これは政治主導でしかできないのですが、そんな政治家はいません。


薬局はなぜジェネリックを勧めるのか。それも極めて単純。全処方箋のうちにジェネリック医薬品を含む処方箋の割合が、おおよそ6割~8割以上でないと生き残ることができない仕組みになっているからです。医師も同様で、ジェネリック処方でないと生き残れなくなってきます。いまや大学病院でさえみんなジェネリック処方ですよね。しかし医師も薬剤師も自分や家族は先発品しか飲みません。厚労省も財務省役人も政治家も同じです。


薬局に一種類しか置いていない理由も単純明快です。1つの先発品に対して10~20種類ものジェネリックがあるのですが複数のジェネリックを置くと在庫負担が大きくなるからです。


従ってまずまず信頼できるジェネリックメーカーの薬価差の大きなものをひとつ選び、置いているのです。先発品の薬価差はほぼゼロですが、ジェネリックは2流、3流、4流になるほどに、薬価差は3割、4割、5割と大きくなります。早く言えば、海のもんとも山のもんとも分からないジェネリックであるほど薬局は儲かるのです。しかし市民は知りません。


先日、ある薬局にこんなお婆さんが来たそうです。「あのー、ジェネリックという名前の薬を下さい。毎日、テレビでジェネリックが良く効く!とやっているもんですから」と。(笑) そんななか、こんな事件が起きるのは当然です。多分、大なり小なり起こっているけども気が付かないだけではないのか、と思いました。


今回もある医師が「 あれ、おかしいな!」と気が付いたことから発覚したそうですね。 僕は数年前から「無理なジェネリック誘導よりも、多剤処方対策の方を優先させるべき」と言論誌などで幾度も発信してきました。薬に関する書籍も数冊書きました。しかし世の中、ほとんど変わりません。それは処方する医師がこの大切なジェネリック問題にあまりにも無関心であることも一因です。また多剤処方に関しても無関心です。僕には信じられない恐ろしい現実が横たわっています。こんな狂った世界から足を洗いたいほど嘆いています。


今回の事件をきっかけに議論が盛り上がって欲しいのですが、コロナ禍の報道にかき消されるのでしょう。コロナ禍で医療費が減ったと、国は今、ホクホク顔です。でも、多剤処方対策をすれば薬剤費は半分以下にできるのに医者がややこしいのでやりません。もし僕が厚労大臣なら必ずこの問題をやります。(あのー、立候補するわけではありませんので念のため)。また、なにもメッセージを発しない日本医師会にも幻滅です。だから市民はこの事件の今後の動向をしっかり注視すべきです。


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この記事へのコメント

ジェネリック(後発品)は先発品とまったく別物です。作ってる会社が違うのだから当たり前。
臨床試験もぜんぜんやってないので、安全性などぜんぜん保障されていないと思ったほうがいいですよ。
オーソライズド・ジェネリックを選べばいいだけの話ですが、なぜ先発品メーカーはそのまま後発品にしないのか?ここに何か闇がないのか?気骨あるジャーナリストに取材してほしいですね。
これだけジェネリックに問題が続出しても現状を放置している厚労省や医師会は信用できませんね。
クスリの医療費を減らしたいのであれば、まず多剤乱用(ポリファーマシー)をやめさせるべきですね。

Posted by マッドネス at 2020年12月21日 06:01 | 返信

まずは、ジェネリックで亡くなれた方のご冥福をお祈り申し上げます
長尾先生、ジェネリックて結局、何なの?
本音いうと、薬を開発した製薬会社がジェネリックを作り続けていると思っていたせいか、頭の中でクルクル状態です
「ジェネリックメーカー」て、ジェネリックだけを製造している会社?
「水虫の薬を飲んで70歳の女性が死亡」はTVで流れたのだけは知っていますが、その薬がジェネリックとは先生のブログで知りました

今、真面目に考えているのが先生の本を何冊か買ってみようと思っています
結局、ブログの内容にもついていけません

そうえいば、先生の「所さん 大変ですよ」を紹介した友達は何故か見損なったみたいで、ブログからの見方をメールで知らせておきました
でも、どうしても見たかどうかを聞けない知り合いが一人
実は「所さん 大変ですよ」は毎週見ているので、私が紹介しなくても見ていたと思いますが、大変、真面目でおちゃらけも余り、ないと思うし・・・
それと、いつも忙しいと言っている人が、何故かコロナチャンネルで「一人紅白歌合戦」まで、ちゃんと見ているのはいいけど、その方は地元の主婦で作られて合唱団に入っていて、それなりに歌が上手みたいで・・・

ある意味、一番見てほしくない方が見て、一番見てほしい人が見ない
「運のない長尾」は変な時に当たってしまう?
あ~あ また、余分な事、書いてしまった

Posted by ナオミ at 2020年12月21日 06:38 | 返信

薬剤師さんが退職後ジェネリックはやめときなさいと助言されました。そのわけは、、、、

Posted by 管理 at 2020年12月21日 09:15 | 返信

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