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もしも要介護5の在宅患者さんがコロナに感染したら

2020年12月22日(火)

もしも要介護5の在宅患者さんがコロナに感染したら。

「もしも」と書いたが知り合いの医師は現実になった。

いろんな選択肢があろうが、少しは想定しておきたい。

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コロナは、「弱者」を狙う。

自然免疫が低下した要介護5の寝たきりの人だ。


特に人工呼吸器を装着した神経難病患者さんが

高熱を出した時に、どうすればいいのだろうか。


誤嚥性肺炎?

胆嚢炎?

腎盂腎炎?

いや、新型コロナ??


もしも患者さんがPCR陽性だったら?

介護している家族がPCR陽性だったら?

関わるヘルパーや看護師や医師がPCR陽性だったら?



1)そもそもPCR検査をやるか、やならいか

2)陽性者が出た時、どの範囲までPCRをすればいいのか?

3)陽性判明者を入院させるか、在宅継続か


特に3)の判断は難しい。


そもそも医療崩壊のなか「受け入れる病院」があるか。

あと、入院することがその人の幸せかなのか、どうか。

一方、在宅継続するとして誰が介護に入るのか・・・


考えたくないケースだけども、実際に知り合いの医師の

在宅患者さんで起きているので、決して他人事ではない。


今、医療崩壊が叫ばれているけど、そんなケースがまさにそう。


「命の選別は良くない」と叫ぶ人が多いが、選別もなにも

「全部を受けきれない事態」を想定しておかないといけない。


僕自身は「考えてもしょうがない」「なるようにしかならない」

という考えなので悩むことは無いけども、正直、イヤな仮定だ。



日曜日の夜も往診や電話などであまり、眠れなかった。

今朝は、朝一番のお看取りのあと急変往診してから外来へ。


今日から研修医君が勉強に来ている。

外来も約10件の在宅や往診もずっと一緒だった。


診療、コロナ対応、理事長職務、そして教育。

何足もの草鞋を履いている60代のオッサン。


もう生前葬も終わったし、何も怖くないものはない。

はずだけど、9ケ月の自主隔離は修行僧の気分である。


あと10日で、今年も終わり。

ああその前に、クリスマスか。


PS)

コロナチャンネル #247


ホテル療養の軽症者が死亡!  急激な重症化を見抜くには? →こちら


後半の歌は「飛んでイスタンブール」

行ったことないけどね。


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この記事へのコメント

「新型コロナウイルス感染症を指定感染症として定める等の政令の一部を改正する政令」についてはまだ「案」の段階かもしれません。パブリックコメントの募集があります(1/15締め切り)。ぜひ声を上げていきましょう。「指定感染症 パブリックコメント」で検索できます。

Posted by 広島の赤牛 at 2020年12月22日 01:00 | 返信

コロナによって齎されている今のパニック現象というのは「死に向き合わない医療」が根底にあるのではないか?と思います。つまりこれまで尊厳死を否定し続けた日本の医療のツケを払わされている。
災害時にどんな人でも助けられるのか?それはムリだという事を理解できていないのではないか?
コロナ専門病院の医療者はどんな患者でも助けなければいけないという強迫観念にかられる事になる。
その一方で発熱外来に協力を要請されている開業医はただPCRや抗原検査をして専門病院へ送ることしかできないが、その送り先ももはや風前の灯となれば、いったいどうするのでしょうね?
医師会長はなぜ危機を煽るだけで「2類感染症を外せ」と主張しないのでしょうか?
なぜ医療崩壊危機を煽って1年経ってからも同じ事(自粛要請)しか言えないのか?
一番の被害者は患者に長時間世話をする最前線の看護師。重労働+ハイリスクの上に差別されてしまう。
欧州はスウェーデン以外の流行国で、ロックダウンの繰り返しを見ていると、本質的にコロナにロックダウンという手法が通用していないのは明白で、むしろ解除時のリバウンドで変異して再流行を招いている
この経緯を見ていれば、自粛要請の繰り返しは経済を疲弊させるデメリットしかないのは明白。
今回の医師会や自治体の自粛要請に多くの人々が従っていないのは、大多数の人々にとっては自粛のデメリットのほうが遥かにマイナスだと気がついたからでしょうね。狼と羊飼い状態ではないかと。
欧米より感染者数・重症者数がはるかに少ない日本でもし医療崩壊するのであれば、恥ずかしいです。
杜撰な法律「2類感染症指定」と杜撰な救急医療体制を放置してきたツケだと思いますが。
高齢者に対しては冷徹なようではあるが、今回のコロナ禍に対してはスウェーデンの方策が一番賢明かもしれないですね。少なくとも経済死者は増えないですし、医療も崩壊しないので。

Posted by マッドネス at 2020年12月23日 07:49 | 返信

広島の赤牛さん に続き

指定感染症の延長は、まだ閣議決定されていません。
まだ間にあいます。
同意する皆さん、コメントを送りましょう!

パブリックコメント募集中! 1月15日まで、です!

https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495200343&Mode=0&fbclid=IwAR09KfuxROhlyAKTGdHnrVCbF8nm6qLr_9RlsFXRPPaT5CAHnhNQCMZKFP8

(リンク、うまく貼れてるでしょうか?)

Posted by みるく at 2020年12月23日 10:24 | 返信

ほんとに…
新コロ時代になって 新しい生活様式とやらに 少しづつ慣れつつありますが
他所様の家に上がらせていただくお仕事をさせていただいて
やっぱり 気を使います
もし新コロちゃんに うちのスタッフが罹患した時の対応を想像すると
恐ろしいです

それでも 踏ん張らねば…

Posted by 宮ちゃん at 2020年12月23日 10:21 | 返信

私の父は死ぬまでタバコを吸っていたので、1月の寒い時期に突然高熱が出て、在宅医が一回は点滴注射して下さったのですが、突然旅行に出たので、看護師の命令で救急病院に入院したら「右の肺臓が真っ白になって左だけで呼吸している」とのことでした。10日後「MRSAに罹患している」と言われて尿道カテーテルは引き抜かれていました。その後1ヶ月苦しみながら死んでしまいました。それで母の介護をしているときは絶対に入院はさせないと思いました。母は私が買い物に出ている間に「大動脈解離」で突然死にました。救急病院でCTを撮ってもらったら大動脈解離による心タンポナーデと診断されました。葬式も終わると近所に住んでいる不動産屋に「自宅で死んだから事故物件や」と言われました。
その後知り合いの女性が離れた実家で難病の母親の介護に通っていると言いました。それが「もう母を私の家に連れてきました。私の家で介護をしています」と言いました。彼女のお母さんは難病だったので時々介護病院に入院したり退院したりしていました。
私は「お母さんがご主人名義の家で亡くなったったら、事故物件と言われるよ」と言いました。
最近彼女と出会ったので「お母さまおげんきですか?」と聞くと「亡くなったんです。それがちょうど娘の結婚式の当日に亡くなって、携帯に病院から何度もメールが来たので見たら母が亡くなったと言ってきたので、もう結婚式に間中涙がポロポロ流れてしまって...。ああすれば良かった,こうすればよかったとばかり後悔します」と彼女が言ったので、私も泣いてしまいました。
在宅で親の介護をしている人に「家で親が亡くなったら事故物件と言われる」という「事実」は言わないほうが良いかもしれないと思いました。テレビで賃貸アパートで自殺他殺があれば、事故物件になるが、一ヶ月でも他人が借りて住めば事故物件と届けなくても良いと言っていました。でも一戸建ての家を売るときは事故物件かもしれません。家族介護をしていて家族が死ぬのは昔からあることなのに、阪急不動産に聞くと「次に入居した人がこの部屋で死んだ人がいると聞いたらよい気がしないのがわからないのか!!」と怒鳴られました。なんでも経済優先の日本に生まれたくなかった。今度生まれるときはフィンランドか北欧の優しい国に生まれたい。日本は大嫌いです。

Posted by にゃんにゃん at 2020年12月24日 08:48 | 返信

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