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コロナ医療をがん医療に喩えてみた

2020年12月24日(木)

月刊公論1月号に「社会的PCR検査も無料にすべき

コロナ医療をがん医療に喩えてみた」、で書いた。→こちら

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月刊公論2021年1月号 

社会的PCR検査も無料にすべき           

コロナ医療をがん医療に喩えてみた



街角PCR検査テントを  

 新型コロナウイルス感染者数(コロナ)の第三波は、第一、第二波よりも大きいものになりつつある。重症者数も増加しているが、コロナ医療の進歩により死亡者数はなんとか抑え込むことができている。しかしPCR 検査体制に関しては、相変わらず決して充分とは言えない。


 一方、NYの映像を観ると街角に医療機関とは別にPCR検査テントが設置され、いつでも、誰でも、何度でも、無料でPCR検査が受けられる体制になっている。しかもその場で検査結果が判明するという。2~3日もかかる我が国のPCR検査とは雲泥の差である。もしも結果を待つ間に自宅で容態が急変したら誰の責任なのか、国は明らかにしないまま年を越えた。  


 日本においてもNYにあるような街角PCR検査テントの設置を望む。しかしそもそも数多くの法的制約があるためにできないという。菅内閣が規制改革を旗印に挙げるのであればまずは、コロナ禍においては様々な規制を緩和するなど柔軟な対応を求める


社会的検査も無料にすべき


感染経路不明の感染者が増えている。家庭内、職場内のクラスターも増えている。無症状陽性者がスーパースプレッダーになっている可能性を考慮すれば、この冬、検査体制を拡充しなければいけない。現在、発熱や咳や味覚障害がある人は、医師がコロナを疑った場合、手挙げをした医療機関で唾液を用いたPCR検査が可能となった。これは行政検査と呼ばれ、全額公費負担である。しかし、軽微な症状や無症状者、あるいは医師がコロナを疑わない患者さんは自費で検査することになっている。会社や学校からの指示であったり、自主的に検査を受けるわけだが、社会的検査とも呼ばれている。その費用は現時点では3~4万円が相場である。手作業のPCR検査の原価が2万円弱するそうだが高すぎやしないか。


 欧米では無料である検査が日本は別格である。 今後、医療機関や介護施設や学校などのおける社会的検査の需要は増大する。一方、ある試算によると全自動のPCR機器を用いれば検体数が増えるほどスケールメリットにより1検体あたり千円弱までコストダウンできるそうだ。国をあげて早急に最新式全自動PCR機器を全国各地に設置して、できるだけ早く無料で検査が受けられる体制を整えて欲しい。


かかりつけ医とは切り離す


 厚労省は当初は「発熱者は保健所に電話して」と広報していたが第二波からは「かかりつけ医に電話して」に変わった。本誌12月号で述べたようにかかりつけ医に「丸投げ」した。そして11月からは、「発熱外来」が対応する体制に移行した。全国2万5千の医療機関が手を挙げたが、地域によっては開業医のほんの一部しか手を挙げていない。筆者の地域でも手を挙げた開業医は数%程度とかなり少数である。最大の問題点は発熱外来が原則、「非公開」であることだ。患者の集中や風評を防ぐためだという。しかし市民目線からはかなり不親切である。「かかりつけ医」に電話しても、対応していない確率が高く、結局は保健所に聞くことになる。やはり「公開」にすべきではないのか。  


 しかし登録されている開業医は決して「やりたくて」手を挙げたわけではない。仕方なく挙げただけである。なぜならコロナ以外の患者さんを診ることが本分であるからだ。通常外来と発熱外来を両立するには想像以上に大きな負担がかかる。万一、院内クラスターが発生すると最悪、「閉院」に至るかもしれない。本来、地域の医療機関は生活習慣病診療や健康検診が責務である。だから発熱患者に特化した街角PCR検査テントのような場を行政と医師会などが協力して設置すべきだ。PCR検査をかかりつ医から分離するだけでも本来の診療に専念できるので市民は安心する。


  コロナ医療をがん医療に喩えると  

 ・

 コロナ医療をがん医療に喩えて考えてみよう。がん患者には有症状者と無症状者がいる。無症状者はがん検診によりがんが発見される。同様に、コロナ医療においても無症状者から感染者を発見する体制を整えることも必要だろう。しかし、現行の検査体制は発熱などの有症状者しか対象としていない。今後、街角PCRテントのように検査体制の裾野を広げることがクラスター対策につながる。  


 次に、陽性者のふるい分けになる。がんに喩えるなら早期がんと進行がんでは治療戦略がかなり異なる。進行がんに対しては外科手術に加えて抗癌剤や放射線治療を行うが、コロナ医療の難しい点は、一見、軽症と思われても一日でいきなり重症になり得ることだ。すなわち、ホテルや自宅療養中の軽症者のフォローアップ体制である。ここはかかりつけ医にお願いしてオンライン診療を活用すべきだ。患者数が多いのでマンパワーが限られている保健所だけが担うには荷が重すぎる。そして中等度以上は、大阪市で始まった「コロナ専用病院」の出番である。結核医療と同様にコロナの治療に特化した医療機関を上手に活用すべきだ。もちろん地域の感染症病床を有効利用するためにはネット上の情報共有が必須だ。がん医療は病院間の競争もあるために情報共有は進んでいない。しかしコロナ医療は地域の感染症病床を有する病院同士がリアルタイムで連携しないといけない。  


 このようにコロナ医療を診断、重症度評価、治療、長期観察の4段階に分けて、合理的に提供すべきだ。現行は四段階が混在一体となっているためどうしても網からこぼれる人が出てくる。もしも以上の戦略を各地域で練ることができれば死亡者数はさらに減らせると考える。


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クリスマスと年末年始。

でもなにもない不思議。


仕事に忙殺されている日々が続く。

夜、佐々木先生とZOOM対談した。


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後半の歌は、「抱きしめてTonight」

ああ、恥ずかしい・・・パニック。


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この記事へのコメント

テレビでサラッと流していたので、「え!」と思ったのですが、民間の検査会社で私費でコロナ感染の陽性か陰性化がわかるとのことですが、陽性の時は、直ちに当該地の保険書に通告するとのことでした。
となると、本人に知らせるより保険書に通知するほうが早いのかもしれない。また週刊誌や新聞によると地方の市役所に努める人が「何処どこのダレダレさんが、コロナ陽性やねんて」と喋ったおかげで引っ越しせざる負えない人も出てきたとのことで、早く検査をしなければと、思いながら、腰が引けます。

Posted by にゃんにゃん at 2020年12月24日 08:14 | 返信

日本のがん医療とウイルス医療の共通点(悪い意味で)
とにかく医者も家族も延命しか考えていない(たとえ高齢者であっても)延命が第一。
死を過剰に恐れるので、誰もが入院による徹底的な化学薬品(多くは薬害)による濃厚医療切望する
延命のためには当人の人権やQOLは無視(不必要な入院・隔離など、その結果として病人扱い差別)
根底にあるのは、死生観の乏しい、死に向き合おうとしない日本人の気質でしょう。
病気になってはいけない、病気になったら敗北者だ、周りに迷惑かけたらいけないという強迫的観念。
結果として患者側(家族含む)も医療側も、強迫観念で精神的に追い詰められる事になりますね。
そもそも自然現象を人間ごときがコントロールできると思っているのが勘違いでは?
地震・台風など異常気象を人間はコントロールできない。コロナもインフルエンザも同じ事では?
最近、医師会とマスゴミが「皆さんはコロナにかかってはいけない」と言い始めたのには呆れます。
もちろん、パンデミックという意味ではなく、インフォデミックという意味でヤバい。

Posted by マッドネス at 2020年12月24日 09:40 | 返信

私は高齢者です。  病気になったら延命治療断固拒否の書類も常時身に着けてますが ことコロナに関しては 本人の意思無視でで 人工呼吸器つけられるという話を聞きましたので、重症の風にでもなったら 車で逃走して、 自分自身を隔離しょうと思ってますが。

Posted by アホヤン at 2020年12月25日 10:03 | 返信

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