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入院待ちと退院後のコロナ肺炎は誰が診る?

2021年01月08日(金)

PCR陽性でもすぐに入院できない。

1週間程度、自宅待機になる人が多い。

その間に沢山の人が亡くなっている。

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「122人が死亡」と発表されたが

きっと氷山の一角ではないかな。


「医療崩壊」の意味を考えたことはあるのか?

「コロナでも病院に入れない」だけではない。


コロナ以外の急病の入院ができないことも、重要だ。

あと、ポストコロナ感染症病棟の人の行き場がない。


2ケ月かかる「ロングコロナ」や「再燃」するケースがある。

感染症病棟を出た後のフォーローを誰がどうするのだろう。


療養型病院?在宅医療?

本当に感染性は無いの?


コロナは病院にいる間だけの問題ではない。

病院を出てからも法律の狭間で誰かが診ないといけない。


介護施設に戻ってくるという話になると施設は大騒ぎに。

2週間の「施設内隔離」に誰が責任を持つの?保健所?


政治やマスコミはそんな現実を知らない。

コロナは指定病院の問題だけではない!と大きな声で言いたい。


保健所が「軽症で治った」とお墨付きを出しても、39度台

の発熱が続き、当院のCTで高度な間質性肺炎がある患者。


「まだ治っていない。入院が必要だね」と診断した。

しかし保健所は、診ていないのに「大丈夫」とだけ。


深夜、「39.2度発熱して息苦しい」との電話があった。

「指定感染症だから保健所に電話して指示に従ってね」と。


20分後、家族から電話がかかってきた。

「保健所は、自分で119番して救急車を呼びなさい」と。


「はあ???」。素人か???

もう終わっている、と思った。


病院を交渉するのが保健所の仕事なのにコロナ陽性だと

分かっている患者さんに「自分119番して」はないと思う。


救急車の汚染や救急隊のことも少しは考えて

救急隊や病院とちゃんと連携してよ!!!


保健所は、もはや「職場放棄」なのだ。

すなわち「2類指定」は崩壊している。


医療崩壊というより「保健所崩壊」ないし

「2類指定崩壊」が問題の本質なのである。


平時から、災害医療や感染症医療に地域包括ケアという概念を

適応せず、保健所をその仲間に入れてこなかったツケである。


今からでも遅くないので、2類指定を解除して、開業医や

一般の民間病院の力を借りて、防波堤を築くべきである。


マスコミは常に、人工呼吸という「最終形」ばかり煽るけど、

そこに至るまでのシステムが崩壊しているので当然の帰結だ。



今、転倒・骨折したら、入院先が見つからず大変なことになる。

今、心筋梗塞や脳梗塞になっても結構、病院探しに苦労する。


緊急事態宣言は国家の命令なので、市民は従うしかない。

どうせ従うのであれば、全員が本気で協力するしかない。


僕達は、会食もGo Toも関係なく、必死で耐えている。

僕の自主隔離は、10ケ月目に入った。


当院の100人のスタッフは、誰ひとりコロナにも風邪も無縁だ。

僕たちは2類指定の間は、「絶対にコロナになれない」わけだ。


2類指定が解除されたら、安心してコロナになって休憩したいなあ。

どうか一般市民も、「活動しながらの感染予防」に頑張って下さい。



PS)

コロナチャンネル #264


なぜ、「40代基礎疾患なしの男性」はコロナで死亡した? →こちら


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※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

「コロナ禍の9割は情報災害」を大変興味深く拝読しました。更に、当ブログを拝読して目から鱗。

・クラスターが発生したら、診療停止2週間。当然ながら風評被害は甚大、ほぼ閉業勧告か。

・治療法や対処療法を知っていても、(とっくにパンクした)保健所の了承が出ないと町医者は手出し不可。

こうした現状は全く知りませんでした。個人的に、現在の指定感染区分は過剰ではないかと考えていて、そういう論調の記事(「新潮」は一貫して主張)には目を通してきたつもりです。ですが、こうした現実は初めて知りました。実際に患者と向き合ってきた、作者殿ならではの視点と言えるかもしれません。

この現状を知らない人は、(指定感染区分見直し派の人も含めて)まだまだ多いのではないでしょうか。知る人が増えていけば、現在の騒ぎも収まっていくのではないかと思われます。緊急事態宣言が再発されましたが、要因は「医療崩壊」ではなくて「医療政策の破綻」であると。

更に言わせて頂けるなら、今回の騒動は「責任逃れの政治家(専門家会議も)」、「数(視聴率や発行部数)目当てのメディア(自称「専門家」や一部の政治家も)」、「ゼロリスク(もはや信仰)を求める大衆」による狂騒曲と言えるかもしれません。

Posted by 国崎ルーチ at 2021年01月08日 01:24 | 返信

いつも読ませていただいていますが初めてのコメントです。
国会議員の会食ルールー作り??等と聞くと本当に気持ち悪くなっております。
下記の出雲先生のコメント放送で拝見しました。
https://www.dailyshincho.jp/article/2021/01080559/
専門家委員会の皆様や国会議員の方々って遠慮するに値しますか?

Posted by まねきねこ at 2021年01月08日 03:05 | 返信

今もニュースを見ていますが…感染者の数、政治家のインタビューや巣ごもり需要の話題とか除菌商品のCMとかやっていて、現場の医療関係者のインタビューなどは全くやらない。保健所の関係者の話など皆無。メディア関係者は死ななくて済む命が見殺しにされている現実を隠している罪の大きさを自覚すべきだと思います。みんなで渡れば怖くないとタカをくくっていても必ず自分に返ってくるのに。

Posted by 匿名 at 2021年01月08日 07:06 | 返信

今日の19時のNHKニュースでは東京・横浜の保健所の取材が最初でしたね。
この取材を通して改めて感じたのは「2類指定」の罪深さ。なぜこの状況で医療機関ではなく保健所が患者の割り振りをしているのか?この現状がどうしても理解できません。
本来、診療所と病院がやるべき仕事を、作為的に保健所に丸投げしているように見えなくもない。
例年のインフルエンザ患者数よりも桁違いに少ない感染者数で、医療逼迫を訴える事への違和感。
日本は世界ダントツの病床数ですが、世界ダントツの在院日数です。病床を埋めるために本来退院できる患者を長く滞在させたい病院側とできるだけ長く入院させてくれと懇願する患者側。悪しき伝統?
不要不急の長期入院で病院のベッドが埋められていないのか?ここを取材して実態を報道すべきです。
なぜ夏場にこの事態を想定して医療体制の準備を何もされていなかったのが信じられないですね。
逆に何にも準備していなかったからこそ「2類指定」継続を厚労省に陳情したのかも。
世界一病床があるはずの国なのに、なぜ入院待機で自宅で死ななければいけないのでしょうか?

Posted by マッドネス at 2021年01月08日 10:39 | 返信

NHKで保健所取材やっていたのですね、失礼しました。マッドネスさん、さすがです、わかりやすいです。本当に夏に何をやっていたのでしょうね。きっと4月頃寒さが収まると共に収束しても「緊急事態宣言のおかげで収束した」とか報道するのでしょう。もうな〜にやってもアカンわ

匿名からマッドネスへの返信 at 2021年01月09日 07:20 | 返信

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