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「大往生」
2021年02月28日(日)
「大往生」、という言葉が昔からあるけど。
僕は毎日のように「大往生」に接している。
でも知らない人にどうやったら伝わるのか。
たとえば・・・
今夜の末期がんの大往生。
病院では点滴でブクブクになり、酸素吸入、
胸水を持続吸引されながら高カロリー点滴。
もちろん寝たきりで食べることはできない。
2ケ月間、家族とも会えず、不安だったはず。
家に帰ってきてすぐに訪問したら、想像より元気だった。
僕がすぐにしたことは、
・高カロリー点滴を中止
・インスリンも中止
・酸素も中止
その理由をご家族に1時間かけて説明した。
「ホンマかいな」という顔をされていだ。
翌日から別人のように元気に笑顔で話をして
食事もバンバン食べて、車椅子での散歩も。
全くの別人、になった。
病人に見えなくなった。
僕が訪問すると、笑顔で抱きしめてくれた。
バンバン食べて、話して、元気すぎるほど。
しかし、末期がんなのでそう長くは続かない。
2週間を過ぎてから、ちょと元気は下降線に。
しかし亡くなる2時間前まで、大好物をバンバン食べて
洗髪をしてもらい沢山お喋りして、普通だったのだが。
トイレ後から意識レベル低下。
わずか30分後に、旅立たれた。
トイレに行くまで、元気にお喋りをしていた。
つまり死ぬ直前まで結構食べて話をしていた。
これが、僕が接している末期がんの方の日常である。
家族が「奇跡のような回復」をちゃんと記録してる。
小一時間、その人の人生の軌跡を振り返った。
大家族は、大往生をしっかり受け止めていた。
今の大病院の終末期医療は100%間違っている。
誰かがなんとかしないと、不幸な患者さんが続く。
今日、京都シネマに行き舞台挨拶をさせて頂いた。
ほぼ満席のお客さまに、感謝の意を伝えたかった。
映画館の温かいスタッフたちに元気を頂いた。
サイン会ではお客さまと、いろんな話をした。
でも・・・
今日、言いたいことは、現実は映画より感動的なこと。
僕の毎日は、確かな愛と月並みだけど「感動」だらけ。
穏やかな最期。
平穏な死に方。
それは美談でも誇張でもなく、確かに、普通に、ある。
映画では伝えきれない世界が、僕の現実のなかに沢山、ある。
家族に囲まれての、痛くない、最期まで食べての大往生。
思わずご家族と「死に顔ピース」で写真を撮って頂いた。
大往生と言えば、「大往生したけりゃ医療と関わるな」の
中村仁一先生が、がん闘病中であることが気になっている。
舞台挨拶の時に、お客さんから中村さんに関する質問を頂いた。
京都の大スターだから、市民も彼の健康を気づかっているのだ。
中村先生のことを僕たちは「仁ちゃん」、と呼んでいる。
何度か一緒に講演したが、今、仁ちゃんは何を想うのか。
仁ちゃんは、携帯もメールもしない。
連絡はFAXだけだが、今もそうかな?
まさに仁ちゃんの本と同じことが繰り返されている。
仁ちゃんと僕では比べ物にならないけど、僕は若い。
「今後は僕が頑張らんと!」、と思った。
京都にいるとそんな思いがより強くなる。
明日は日帰りで銀座→新宿で、夕方には帰阪する。
そこから訪問診療や往診をするが、頑張らないと。
PS)
コロナチャンネル #315
闇情報⁉ 大本営発表? コロナの2類指定が外された? →こちら
今日であっと言う間の2月が終わる。
早く、普通の日常が戻ることを祈る。
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この記事へのコメント
訪問看護師やってます。
そうなんですよね…
ご病気で、苦しい姿を見ると、誰でも、できることをやってあげたいと思うことは当然のことなんですよね。
申し訳ないことに、薬を出す係のお医者さまは、薬でなんとかしようとしちゃう。
ひどいのは、ギリギリまで放射線治療して、翌日、退院ってのもありました。副作用との闘いか?3日後にご自宅で息を引き取られました。お亡くなりになる過程で呼吸状態が悪くなってきましたが、在宅医の先生は、酸素はなしで行きますと丁寧にご家族に説明されました。酸素なしと決めてくださった先生は、すごいなと思いました。最期の時期に出逢えたこの方とご家族、全く、人生の物語が見えてこないです。ただただ、最期の時間を大切にしていただきたいですし、おうちに帰ったこれてよかったと思ってくだされば…と関わっていました。
放射線治療。ご本人が望んだ放射線治療だったのか、やめる選択を出せなかったお医者さまだったのか、ご家族が望んだのか、、、わかりませんが、、、、
放射線治療が悪だと言っているわけではなく、病状に合わせて、必要かどうかだということを医療者側がそれこそ診断すべきだと思います。
ぶっちゃけ、お医者さまが、この選択肢を出さんでくれ!と叫びたいです。
でも、やれることはやった、とご本人もご家族も納得されているのかもしれません。
Posted by 宮ちゃん at 2021年02月28日 08:21 | 返信
感動の毎日、生きるってそういう事だと改めて感じ涙が出ました。私も先生のように毎日全力で生きて感動したいです。
Posted by 匿名 at 2021年02月28日 08:47 | 返信
今日はシネスイッチ銀座でけったいな町医者観ました。
先生のご本にサインをいただいてガチガチに緊張して先生からどちらからと聞いてぬれたのでやっと埼玉の久喜というのが精一杯でした。先生のご本は前に何冊か読ませてもらってます。私は仕事をしながら乳ガン治療中のため認知症の母には施設に入ってもらってます。ただ治療に目処がつき仕事が定年を迎えたら母を施設から呼び戻して在宅医療を考えています。そんなことをサイン会でお話したかったです。また私は伊勢blogファンです。先生が伊勢blogの読者であったことをとても嬉しく思ってます。
Posted by mimi at 2021年02月28日 01:22 | 返信
中村仁一先生より、お若いと言っても油断できません。
東京や、あちこち放浪して夜中も往診していらっしゃるから、健康には気を付けて下さい。
Posted by 匿名 at 2021年02月28日 03:54 | 返信
作業療法士をしています。
緩和ケア。
まだまだ未熟ですが、最後まで患者さんと家族に寄り添いたいと思います。
いつか長崎でも上映されますように。
Posted by selmo at 2021年02月28日 05:04 | 返信
大往生~104歳の方のお看取りではファンファーレが鳴るのでは、と思っていたら、なんとファンファーレは鳴らなかったものの、同時刻に夜空に高く大きな花火が打ち上げられていたので、偶然とはいえ、ビックリ、すごい!と思いました。大往生~三年位老衰状況だった方が10日前から食べられなくなり、3日前から意識乏しく努力呼吸となり、息をひきとったのはお誕生日を迎えた夜明け~、空は明るくなりかけていたのに黄金の満月が雲から顔を出していてとても綺麗で不思議な光景でした。大往生~お看取りでは不思議なことばかりおこるので、偶然とは思えないのでした。長尾先生の毎日は不思議に満ちているに違いありません。でも一番不思議なことは、大変お疲れになっているはずの長尾先生がいつもハツラツ、ユーモアに溢れていることです。7不思議?と言えるかもしれませんね。沢山の皆さんもご心配されてます、どうかお体ご自愛下さいませ。先生はまだまだ大往生されませんように。
Posted by 遠い声 at 2021年02月28日 10:41 | 返信
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