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夜ごと美しい死に顔に癒されて

2021年03月13日(土)

人は亡くなるとお顔がどんどん若返ってくる。

1時間後、エンジェルケアで10歳以上若返る。

管が無いだけでなく「死に顔」は笑っている。

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今夜も深夜の看取りに呼ばれた。

なんで深夜ばっかりなんやろう。


帰宅してドアを閉めた瞬間に電話が鳴った。

あああ、なんでこんなタイミングなん??


ちょーど来週訪問の沖縄の人(手紙を頂いた知らない人)と

お話をしている最中に、沖縄出身の患者が息を引き取ったと。


沖縄続きに驚いたが、シンクロニシテイはその前から予兆があった。

ある雑誌から「歩行」に関するZOOM取材を受けた直後に会った方。


なんと「歩」という名前が入った方だった。

その前にマッサージを受けた方も「歩」が!


要は、夕方までは「歩」だらけの1日だったけれど、

深夜になれば「沖縄だらけ」と、なんという偶然か。



さて、毎晩、死に顔を見ているけども、美しい、と感じる。

お世辞でもなんでもなく、ただただ「美しい」と思うのだ。


今夜は男性、昨夜は女性、2人とも僕と歳がそう変わらない年齢の人達。

死に顔がこんなに美しいと思う僕には、その中に自分の死に顔も見える。


昨夜も今夜も、ウチの看護師とご家族の共同作業でのエンジェルケアだ。

それを手伝う配偶者や兄弟や子供達の顔が、これまた「光って」見えた。


抱きしめてくれた人を抱きしめる。

こんな親孝行はない、と抱きしめたくなる衝動を抑える。


そう、愛があるから「美しい」、と僕は思うのだろう。

僕は愛情深い人間ではないので教えられることばかり。



正直、ドキュメンタリー映画に描かれている世界と現実は全く違う。

現実は全然ドラマチックで、超美しく、光ってて、笑っているのだ。


毎日の感動的な風景は僕の頭の中に「記憶」としてしか残らない。

あまりに美しすぎて、僕だけが独り占めすることが申しわけない。


鳥取の徳永進先生の著書に「死の中の微笑」がある。

まさに、死に顔が毎夜、僕に微笑んでくれるのだ。


2夜連続で優しいエンジェルケアをしてくれた看護師のAさんは

昨夜と違って、髪を切っていたが、それを言うとセクハラかも。


彼女は10年くらい前、僕の講演を聴いて、当院に入職してくれた。

全国を講演回りして嬉しいのは、話を聴いて入職してくれた人だ。


訪問看護師が僕の命を守ってくれている。

僕は彼女たちに看取られて死にたいなあ。



明日(今日か)も分刻みでのスケジュールだ。

朝一番から新規の在宅患者さんの退院を待つ。


まだ食べられるのに、高カロリー点滴と鼻からチューブで半年間以上。

患者さんが「死にたい」というと嘆く家族の相談に「脱北」を勧めた。


初めて会う患者さんを診てから、「胃ろう入院」か「摂食トライ」を決める。

僕は嚥下内視鏡や嚥下造影はせず、会話や声の調子と呼吸筋などで評価する。


明日は、たった20分でそれをして、塚口サンサン劇場に向かう。

おそらく舞台挨拶の5分前に到着するが、毎日が分刻みの綱渡り。


塚口2回の後は、岡山で2回、舞台挨拶。

その後は、有名な映画監督との会食へ。


日曜日は、塚口2回の後は、神戸国際松竹で2回。

2本の映画もそろそろ後半戦に入ってきたようだ。


毎日、たくさんのお手紙を頂くが、今日頂いたのは速達だった。

なんと、明日(=今日)映画を観てくれるし、親の在宅を依頼。


ご縁の連鎖とラッキーの連続は、決して偶然ではない。

神様が毎日、僕に豪華なプレゼントを与えてくれている。


「お前、死ぬまでしっかり働けよ」と言われているのか。


まだ雷がガラガラ鳴っている。

僕は、爆音を聞きながら寝る。


東北の人たちの苦悩に比べたら僕の日々は贅沢そももの。

3.11で失われた人たちのご冥福をお祈りいたします。



PS)

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この記事へのコメント

人の死を見届けたのは2回、夜中に「心停止」と連絡があり数時間後に駆け付けたのが1回。
3人共に病院で逝きましたが、おかげ様で3人共にきれいな寝顔でした。
弔問客や会葬者が「穏やか」「寝ているよう」と言って下さる度に、
哀しみや悔いの念から少しは救われるような気もちがしたことを覚えています。

「けったいな町医者」今度は主人を連れて行きました。見終わって開口一番
「これ見といてホンマ良かったワ・・・」心の底からしみじみと呟いた一言に、全てが集約されてます。
母親が若い頃に住み込みで働いていた商店街や、阪神間の見知っている道も出てきます。
「尼の風景がいい感じで差し込まれとる」「場面転換の仕方がいい」あとは
「外車だからウインカーが左に付いとる」「先生みたいにBluetooth繋がんとアカンな」ってソコかーい!
でも口にはしませんが一番思い出しているのは、両親の終末期のことだと思います。
長尾先生フォロワーの私と違い、主人は「死」について深く語ろうとしません。
自分達も半世紀以上生きているし、いずれは「逝く」道。ちゃんと考えなアカンですね。

岡山の叔母に、映画のPRしました。この週末もどうぞよい旅を。

Posted by taco at 2021年03月13日 09:21 | 返信

今日の記事は感動の嵐でした。言いたい事はたくさんありますが書ききれないのでひとつだけ。まっすぐ生きていればその人なりの感動の毎日が送れるのに、それを信じず目先の欲に溺れ、感動を求めないのはもったいないと思います。せっかく生まれ皆死んでいくのに。

Posted by 匿名 at 2021年03月13日 10:58 | 返信

本当に亡くなった方のお顔は、やさしい顔をしていますよね。
仏教の考え方でしたっけ、この世は修行の場…というのがありましたよね。
亡くなった方のお顔をみていると、確かにそうかも知れないと思わされます。
「お疲れ様でした…」とそっと声を掛けさせていただいています。

Posted by つぶ at 2021年03月13日 02:54 | 返信

先週父親の事でクリニックのお問い合わせにメッセージをしたら直接長尾先生から連絡を下さいました。
本当にびっくりしました。全国飛び回ってて、舞台挨拶も在宅医療の訪問もしててお忙しいのにこんな私の為に時間を割いて下さりすごく感動しました。
残念ながら父は11日亡くなりました。身体拘束され、食べたいものも食べれずに危篤なのにまだ点滴もしていました。長尾先生の著書を読んでいたのですぐに点滴はやめてもらいました。
今日、映画を見に行き、父親を殺したのは私って死んだ日から責め続けています。後悔してももう遅いのですが、昨日はお葬式で夜のあの激しい雨や雷は父親の怒りだと私は思ってます。長尾先生は懺悔の為に本を書いているとおっしゃっていましたが、私は介護の勉強をして、父親にしてあげられなかった事をしていきたいと思っています。生きることは食べること、本当にそう思います。

Posted by 川畑英子 at 2021年03月13日 03:35 | 返信

追伸です。「けったいな町医者」を通じた不思議な巡り合わせのお話を。
去年の10月、義母の足跡を辿ろうと三和商店街を訪れた時、
買い物ついでに少しお話をさせていただいたお店があります。
4カ月後、そのお店がスクリーンに映し出された時はビックリしました。
先日またお店に行きました。感謝と敬意を込めて。でも映画には敢えて触れず、
普通にお店の方とのやりとりを楽しんでお買い物しました。
ただの偶然かもしれません。でも物事は受け止め方次第。
長尾先生が結んで下さったご縁と、有難く思っております。

Posted by taco at 2021年03月15日 09:35 | 返信

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