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橋田壽賀子さんを偲ぶ
2021年04月29日(木)
橋田壽賀子さんが自宅で平穏死された。
スイスに行かなくても自宅で穏やかに
暮らせることを助言したがその通りに。
ドクター和の臨終図巻 (201)
脚本家 橋田壽賀子さん
意思のある逝き方のお手本 夕刊フジ 2021年4月17日 →こちら
今、僕は『安楽死で死なせてください』という本を手元に置きながらこの原稿を書いています。 本書の中で著者は、2015年に厚労省が改訂した「人生の最終段階における医療決定プロセスに関するガイドライン」について詳しく触れています。
<患者本人の意思決定を原則として、医療・ケアチームの判断が得られれば、「医療行為の不開始、変更、中止」も認めるというのです。患者本人の意思が確認できない場合は、家族が推定する。家族が推定できないときは、患者にとって何が最善か話し合って決める、という手順です。家族がいない場合は、医療・ケアチームが最善の医療方針をとる、とされています。これでは、家族がいない私が昏睡状態にでもなったら〝最善の〟延命措置をされてしまうに違いありません>
この本の著者である、脚本家の橋田壽賀子さんが4月4日に静岡県熱海市の自宅で亡くなりました。享年95。死因は、急性リンパ腫との発表です。 リンパ腫とは、血液がんの一種でリンパ球系に異常をきたす病気です。首や腋などにしこりが現れ、発熱や体重の減少、さらに血流障害や麻痺などの症状が出ます。橋田さんは今年2月に都内の病院に入院し、3月に熱海の病院に転院。亡くなる前日に自宅に戻られました。手術などの積極的な治療はされなかったようです。
そして最期は、娘同然の付き合いをされていた女優の泉ピン子さんらに看取られた。意識がなくなったとき、ピン子さんが「ママ」と呼んだら目を見開いた、と。 ピン子さんのお話を聞いて、「安楽死を選択しなくとも、穏やかに逝かれた。本当に良かった」と僕は思わず呟いてしまいました。
数年前に、日本に安楽死論争を巻き起こした橋田さん。しかし彼女が本当に怖かったもの。それは延命治療ではなくて、実は「孤独」だったのではないかと、著書を読んでいると感じます。
家族がいない私が昏睡状態になったら、誰かに迷惑がかかるのでは...という想いが大変強かったように思うのです。しかし、日頃から最期の希望をはっきりと言葉にしていたこととと、理解ある素晴らしい友人に恵まれたことで、穏やかな最期を自宅で迎えることができた。
ここ最近、「おひとりさまの私は、望み通りに死ねますか?」という質問をよくされます。僕は「実は家族がいないほうが平穏死できるんですよ」と答えると皆さん驚かれますが、本当です。
大好きな自宅で大好きな人に看取られた橋田さんは、本人の希望により夫とは別のお墓に納骨されたとか。彼女の逝き方が今後、独居の方のお手本となるかも。家族がいない=孤独ではないのです。
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スイスに行かなくても自宅で平穏死できること
をお伝えしたら、お返事を頂いたご縁、もある。
最期の日まで喋り、なにかしら食べておられたと。
これが「枯れた先にある自然死」の特徴なのだが・・・
最近、末期がんや老衰の終末期の人が病院や施設から家に帰ってきて
「痛い在宅医が大量の点滴をして溺れ死に」させるケースを散見する。
そのあたりの事情をアエラに書いた。
「自宅ベッドの上で溺れ死に」→こちら
皆様、在宅医選びは慎重に。
ケアマネさんに聞けばいい。
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<190~199>ドクター和のニッポン臨終図巻
夕刊フジ 毎週土曜連載
(190)女優 坂本スミ子さん 『楢山節考』に母を想う →こちら
(191) 俳優 峰さを理さん 患者は医療に遠慮は禁物 →こちら
(192) 絵本作家 安野光雄さん 人生の最後に残った「誇り」 →こちら
(193) 演出家 鴨下信一さん 教訓にしたい「戦後は不公平」との言葉 →こちら
(194) 元ヤクルト 安田 猛さん がんに負けるか!!笑って死んでやる →こちら
(195) 俳優 嵯川哲朗さん ALS発病も平均寿命を越えて →こちら
(196) 美術家 篠田桃紅さん 自然のままに生きた107年 →こちら
(197) ドラム奏者 村上〝ポンタ〟秀一さん
2度と現れないであろう破天荒型の天才 →こちら
(198) 体操選手・政治家 小野清子さん 子守しながら東京五輪で銅 →こちら
(199) 柔道家 古賀稔彦さん 平成の三四郎は優しい息子 →こちら
毎週シコシコ書いているが、ついに200回を越えた。
201回目が、橋田寿賀子さん。連載を開始して7年目に。
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PS)
コロナチャンネル #354
140分の1......数字で見る、コロナ死のリアル →こちら
明日金曜日のミヤネ屋に15時台にチラッと出るかも。
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この記事へのコメント
先生、雨の日で祭日ですが・・それでも忙しいのでしょうね。
橋田寿賀子さん一人で心細かっでしょうが、ピン子さんに看取ってもらえたとニュースで聞いた時にはよかったと思いました。私はお金さえあれば大丈夫と昔はそう考えていましたが、数年前から長尾先生のお話を聞いていくうちに変わりました、先生の存在は知っていましたが・・先生がどのような活動をされてるのかはあまり知らなかったのですが。本や映画、ブログ、YouTube。先生に出会えて良かった長尾先生についていきます・尼崎じゃない事が辛いですが・・。私の母はトイレは自分でオムツはしてません嫌がります女です。
料理家の鈴木登紀子さんもお家で最後の食事はカレイの煮付けを美味しと言って召し上がられたみたいです、食いしん坊の私もお魚が良いなと思いました。明日のミヤネ屋録画しました。
今日もうつらないように気をつけて下さいね。
Posted by 長尾先生大好き。 at 2021年04月29日 12:47 | 返信
癌などの死ねる病気は良いですが、ALSなどの神経難病がきついです。
運が悪いとなかなか死ねない。
この場合、一人だと「最善の医療」が行われてしまう可能性が高いです。
神経難病に限っては安楽死を認めても良いのでは?と思います。
Posted by 匿名 at 2021年04月29日 05:51 | 返信
先生の医療現場の状況を聞くとコロナで本当に
厳しい現実が伝わり先生の情報発信に感謝します
感染にお気をつけて活動なさって下さい。
影ながら応援しております。
橋田寿賀子さんの安楽死をさせて欲しい
という発言が物議を交わしたのを思い出します。
影響力のある方の発言なだけに当時はがっかりしました。
病床にあっても寿命の最後まで生きたい人もいることへの配慮
も必要なのかなと思いました。橋田さんのお気持ちを想像すると
孤独で、誰にも迷惑はかけたくないがための発言だったのかなと思います。
現実は親しくされてたピン子さんに看取られ理想の最後で
旅立たれのではないかと思います。
人はなぜ生まれ、いかに生きるのか。という書籍があります。
この本は私の人生に大きな変化をもたらしました。
この機会に再読したいと思います。
Posted by ポトス at 2021年04月29日 10:38 | 返信
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