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泣いている人に寄り添う

2021年05月12日(水)

緊急事態宣言下でも遊んでいる人達、がいる。

一方、「助けてー!」と泣き叫ぶ人、もいる。

僕は医療人なので泣いている人のために動く。

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毎日、「保健所への懇願」である。

助けたい患者さんのためには保健所に懇願するしかない。


「お願いです。助けて下さい!」と発生届の欄外に書く。

患者・家族にも百回電話して懇願する様に指示をする。


でも「保健所」という人はおらず、その人によって対応が違う。

保健所にはごく一部だけど、心無い人がいるのは事実である。


「貴方の年齢では入院はできませんよ」

「入院しても骨になって帰ってくるだけですよ」

「酸素が88%もあるなら入院する必要はありませんよ」

「発症から10日間たったのでこれで保健所の仕事は終わりです」

「貴方と同じような人が沢山いて、困っているのは貴方だけではないのですよ」・・・


泣いている人に何故こんなことを言えるのだろう。

いったい何の根拠で、そんなことを言うのだろう。


「なんとかして入院を諦めさせたい」、という気持ちからなのか。

保健所職員の言葉は人道的に許しがたいレベルになってきている。


苦しんでいる人からすれば、保健所だけが蜘蛛の糸である。

僕達にとっても保健所以外に患者を救う道が全くないのだ。


僕は、このままだと死ぬ可能性があるから入院を要請している。

ただそれだけなのだが保健所に全く伝わらないので困っている。


テレビを観ていたらMBS毎日放送が大阪市保健所の職員に

午前1時の帰宅時に保健所の内情をインタビューしていた。


保健所も不眠不休だけど、限界であるという趣旨であった。

この様子は夜のTBSのNEWS23でも再放送、されていた。

でも再度放送されていた。


実名で出た彼女の勇気ある言動は良い事だと思った。

僕たちも、保健所の内情を知らないと納得できない。



入院のトリアージには全く納得がいかない。

明かに「非合理的」なことが、毎日おきる。


なんでまだ苦しんでいるのに、10日経てば機械的に見捨てるのか。

酸素吸入で死にそうでも、入院を諦めさせる神経が信じられない。



保健所は国の出先である。

だから国の方針なのかな。


指定感染症を貧弱な保健所だけに担わせる制度の「枠組み」が

オカシイわけで、枠組みを変えることができる唯一、政治だけ。


でも政治家は現場を視ないし、メデイアは報じない。

その結果、「ガナルカダル島」になったままである。


患者を診ている僕達は直接、救急救命医と電話で交渉させて欲しい。

毎日普通にやっている「入院交渉」を、公的なボス医師とやりたい。


でも「指定感染症」とは、「人命よりも隔離を優先する法律」なのだ。

つまり入院できずに自宅で亡くなっても国の責任を問えないのだろう。


それは分かっているけども、顔が見えない保健所の職員に懇願するしかない。

患者家族には、「訴訟を匂わせて懇願するしかない」という助言をしている。


明日発売の週刊文春では大阪の保健所職員が泣きながら仕事をしている記事が。

それにしてもなんなんだ、この光景?? いつか聞いたか観たような末期症状。


ドキュメンタリー映画「生きろ」の中では、昭和20年春の沖縄で軍人が

ついに沖縄の市民を殺し始めたため、米軍兵に日本兵を殺して欲しいと。


味方が味方を殺す。

普通ではあり得ない。


極限状況に追い込まれた人間は、自分の尊厳を守るため他人を殺す。

そんな人間の業は74年経っても全く変わっていないことを思い出す。


たった今も、入院できないまま経過した発症12日目の人の家族からSOS.

急に意識が無くなった、というので、「119番」するように指示したばかり。


命を救うためには、「イチカバチかの119番」か「ウオークイン」しかない。

こんな異常事態の中で、ワクチン接種の予約が始まるがすでに行列ができる。


「予約」のための「予約整理券」を発行せざるを得ない始末。

野戦病院の外では、また別のワクチン狂騒曲が始まっている。


まさに第二次世界大戦末期と同じ状況だ。

無政府状態では想像できない事が起きる。


こんな中でのオリンピックなど狂気以外何ものでもない。

人命を無視してやるものではない、に100%同意する。


大本営発表をこれでもかと繰り返すテレビから、「正義」は消えたね。

そんなもの観ずに外飲みしている若者のほうがまだ「マトモ」なのか。


ああ、そろそろ普通の世界で生きたいな。

100人の職員に美味しい物を食べさせたい。



PS)

コロナチャンネル #367


助けて! さまよえる発熱患者さん  →こちら


ワクチン担当事務職は、2時間しか寝ずに予約行列に対応する。

さすがの私も3時間しか眠れなかったので、フラフラしている。


先は見えない。

今日しか見えない。


でも発熱外来数も陽性者数も陽性率も確実に下がっている。

大阪から東京や地方に飛び火していく予感がする。用心を。




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※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

8時間寝たい先生が3時間しか眠れないのは医療人だからというよりも人間として当たり前の感覚がありすぎるからだとと思います。なぜ保健所の現実をもっと報道しないのか、オリンピック開催に疑問を持たないのか、メディア関係者や政治家は人間として恥ずかしくないのか、自分達の家族に自分の仕事を誇れるのか、本当に疑問です。

Posted by 匿名 at 2021年05月12日 12:18 | 返信

保健所の職員が、一部とはいえ、こんな暴言を吐くとは驚きですね。保健所がクライシスに陥っている証拠でしょう。
この状況を何とかするには「二類指定外し」しかありません。あの安倍首相でさえ辞任直前には「指定感染症の再検討を始める」と明言していたのに、菅首相に代わってからは何の検討もされないまま本年1月末に更新・延長されてしまいました。
 そのせいで今日の混乱(無法状態:入院させてほしいのに、法に反して入院させてもらえない!)が生じているのです。この危機にあってなお国会で真剣に検討もなされない、この国は狂っている! 法治国家ではなく放置国家だ‼

Posted by 奥西 秀樹 at 2021年05月12日 01:09 | 返信

日本が生物兵器に弱いことがコロナ対応で証明されたので、私が敵国の指導者だったら、生物兵器で攻撃します。

コロナ発生当初に中国が非協力的だったから、世界が被害を受けたと言う人がいます。防疫とは軍事であり、たとえ中国と米国が日本に対して非協力的であっても、日本単独の力で防疫できなければいけない。日本にはその能力も意欲もないことが証明された。厚労省や首相官邸で発生している日々の混乱が、目に浮かぶ。何が起きているかだいたい想像が付く。平時にできないことが、戦時にできるはずがない。

中国に対して勇ましい発言をする高学歴電波芸者が増えていますが、こんな国を滅ぼすのは赤子の手をひねるより簡単。マコムロ問題も全く同じ構造です。

Posted by 憂国人 at 2021年05月12日 02:54 | 返信

我々の国にこんなことが起きるなんて想像だにしませんでした。  この日本で医療崩壊なんて・・・。
どこでかじ取りを間違えたのか! 何故気が付かなかったのか! やはり我々は平和ボケだったのか!。
そんな日本で長尾先生の影響を受けて長尾先生の様な考えを持つ医療関係者が増えんことを願ってやみません。
コロナはこれからもきっと続く戦いだと思います。まだ始まったばかりかもしれません。
一つ疑問に思うのは、インフルエンザワクチンでもいまだに完全ではないのに このコロナワクチンに関しては国民皆が我も我もと競ってるようですが、打っても感染するかもしれないのに・・・。
打った人が安心して町を出歩くのもちょっと嫌な気がします。  それよりやっぱり治療薬の開発を急いでほしいと思います。

Posted by 宝塚のスミレ at 2021年05月12日 03:36 | 返信

先生が泣く時にはそばにいれる看護師でありたいと思います。

Posted by 空 at 2021年05月12日 04:00 | 返信

先生、この国はなんてゆう国なんでしょう?
神様は誰の味方をするのでしょう。テレビで偉そうに呼びかけていた偉いさんもおきて破りをしている。
本当は私も好きな旅行とか行きたいけど自分の命が大事だし今は先生のゆう通り・・・する。
今日はブログよりYouTubeの方が明かるかった・・テーマ―が。今日小2の孫の部屋で第二次世界大戦ガナルカダル島のDVDを見つけました、いつか見ます。
その孫は新幹線に乗って日本中を旅をするのが今の夢だと今日行ってました。夏休みには行こう。行きたいね。

Posted by 長尾先生大好き。 at 2021年05月12日 07:23 | 返信

長尾先生
本当にお疲れ様です。
コロナチャンネルの長尾先生が疲れ切って憔悴しておられる様子で
なんとお声をおかけしてよいのかわかりません。
長尾先生と、スタッフのみなさまの健康を祈ることしかできません。

「コロナの9割は情報災害」昨年、買って読みました。
「コロナ自粛の大罪」も「本当はこわくない新型コロナウイルス」も。
宝島社の新聞全面広告ではありませんが
「このままじゃ、政治に殺される」
すでに、それが現実になっているかと思うと、
政府やマスコミがどうして、自分たちの言動を振り返らないのか、
不思議でなりません。
感染症法指定を2類から、5類に下げてほしい。
それによって、早期発見、早期治療できるはずなのに…。
経済逼迫も避けられるはずなのに…。

みなさまの健康が守られますように。

Posted by sue at 2021年05月12日 09:46 | 返信

5月12日は「看護の日」と知りました。今この時も孤軍奮闘されている看護士の方々に心から感謝を申し上げます。
昨年から日々の生活を自制され、ひたすら目の前の「命」に向き合う極限状態が継続しています。この先、看護士の方の心身に与える影響が気がかりです。在宅で訪問看護を利用した家族の一人ですが、コロナ以前から分刻みで余裕のない働き方を垣間見てきました。助けて頂くばかりで現状を変えることが難しいと感じてきましたが、現場の声を多くの人に知って頂くことで必ず社会は動いていくと思います。

Posted by あんこ at 2021年05月12日 10:38 | 返信

長尾先生、ウオークインしても、SPO2が70でも、病院からは、追い返されます。
保健所の私たちもツラいです。どうしてよいのかわかりません。
在宅医療につなぐことが出来れば、わずかでも救われます。

Posted by sano at 2021年05月13日 06:20 | 返信

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