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神戸の訪問看護師を見習いたい

2021年05月18日(火)

神戸市に藤田愛さんという訪問看護師がいる。

自宅待機者の家を孤軍奮闘で飛び回っている。

彼女の行動は素晴らしく、見習いたいと思う

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藤田愛さんのFacebookから。

千分の一のコロナの訪問看護⑨ 


コロナの在宅主治医「かかりつけ医への配慮」平常時のお作法が初動を遅らせる この問題を述べるのは少し気が重いが、きっと全国共通の問題だと思うので、綴っておくことにします。 入院待機の療養者が増え、かかりつけ医の自宅療養者への診療が余儀なくされてきた。しかし、病院も診療所も通常診療業務、感染リスク等で訪問することはできない医師が多い。訪問看護事業所も同じで、その状況は十分理解しており、批判でないこと信じていただけるとありがたい。 神戸市は全件入院方針できたので、保健所がかかりつけ医と連絡や連携することはほとんどなかった。


しかし、自宅療養者が増え、在宅コロナ主治医(コロナの自宅待機・療養中だけの主治医)の調整業務を担うことになった。私は見ることはできないが集約したコロナ対応医師のリストや有志の医師の対応できますリスト等があり、それを参考にしながら保健師がコロナ在宅主治医の調整をしている。 私もそのようなリストができるまでは、医療介入が必要な場合、もしくは予測される場合、療養者本人の了解を得てかかりつけ医に連絡を取り、事情を話し、先生はどこまで対応が可能か、もし無理なら、診ていただける医師にお願いしてもよろしいでしょうか。この確認は診療中で電話に応じれない場合は、半日くらいかかる時もあれば、休診時間(日)なら2日も待たないといけない。「診れません、どうぞ」だけのために初動が遅れる。誰も幸せじゃないけど、このお作法は従来から重んじられてきた方法で、今は保健所が同じ方法で対応をしている。


コロナ主治医に空きがある医師も、かかりつけ医がいらっしゃるのに診療していいのか、まして訪問看護指示書を交付していいのかと気遣う。 この過程が何をもたらすか、在宅での初期治療を遅らせる。 目の前に酸素飽和度が下がり、水分も取れない状態が出てきた療養者。看護師はすぐに動けるのだが、医療介入が必要なので医師の診療がや指示が必要である。このエリアなら新患でもコロナ主治医が存在していて、空きがあることが分かっている。取り次ぐ事務の方の急ぎへの理解が得られることおあれば、診療中はおつなぎできません。そこの病院のお返事は日ごろの訪問診療で分かっている、「診れません、どうぞ」である。でも待つしかない、半日、、、。 対応をしますというお返事をしている診療所の医師でも、酸素飽和度の低下があり、お休みに入る前によろしければステロイドの処方と酸素の手配をお願いしたい、お忙しければ酸素はこちらで手配もできます。薬局に薬も取りにいけます。


は?あなた大丈夫?酸素が必要でステロイド処方しなあかん患者は在宅で診るなんてできるわけないでしょう、うちは往診もできないし。ならば、診られる先生を探してお願いしてもよろしいでしょうか、粘った質問がさらに火に油を注ぐ。ですから、医師を探すより、保健所に言ってさっさと入院させ下さい。あなたとはこれ以上話したくないと電話は一方的に切られた。 何度経験してもまあまあきつい。私はこれでまたやばい看護師レッテルが一枚増えた上に、このような状況だと診れる医師に受けてもらえない。入院、先生のおっしゃるとおりである。


でも先生、入院できるならとっくに入院させてるよ。 何より、悲しいのは、今なら悪化を防げるタイミングと思うのに、そのお作法がゆえに初動が半日、数日遅れること。 このお作法を先に仕組みにしてもらうことはできないのだろうか。 「うちはコロナの診療は診れません、他の先生に頼んでいいただいてかまいません、必要があれば情報提供します」リスト。そしたらその時診れる医師と初動を急いで、事後報告できる。


ずっと前からこれが難しい。色々な事情があるのだろうけど、災害時は特例でそんな仕組みができてほしい、医師の助けがなければ、看護だけではどうにもできない。 コロナ治療にあたる病院の医師が半日、一日を費やして往診や電話での健康観察をしなくてはならない、いや先生たちご自分の持ち場で一つでも多くの病床があくことに専念していただきたい。一人でも多く、コロナ中の他の急性の疾患イベントに対応していただきたい。 目の前で悪化する療養者を看ているとそう願わずにはおれない。


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以下、コロナ在宅医のMLへの藤田愛さんからの書き込み。


訪問看護の藤田です。

訪問看護が必要な場合は、事前にニーズを抽出して決められた内容、時間でケアを提供するという介護保険にはなじまないので、 医療保険の特別指示書からの入りとなります。保健所が定める自宅療養期間は全額公費、隔離解除日から通常の保険診療での自己負担が必要となります。


以降の亜急性、回復期のリハビリ・ケアニーズの必要な方も30%くらいおられますが、そのまま週3回の医療保険での訪問を継続します。 もともと介護保険を申請済みの方は介護保険が優先となりますので、医療保険での訪問は(必要性があっても)いけません。


コロナをきっかけに要介護になられた方も、介護保険を申請しますと同様です。 以下、参考までに情報提供させていただきます。


自宅療養中の請求は決められた公費番号を使います。コロナ療養中の方への訪問は特別管理加算Ⅱも請求ができます。 通常、医療保険での訪問看護はケア提供時間がおおむね30分以上と定められていますが、厚労省に確認したところ PPEやケアに費やす準備も含めて概ね30分と解釈してよいと、現場を理解した回答をいただいています。


区によっても、医師によっても違いますが、訪問看護師を利用したい場合、区の保健センターに依頼する場合、医師自身が決めている場合があります。 市のスキームを使う場合は保健センターに相談し、介護保険課・保健所が判断しますが、通常の訪問看護はこれまで通り、医師⇔訪問看護事業所で決めてかまいません。 ただし、医師からもしくは訪問看護師から導入はお伝えしておく方が、効果的な連携につながるものと思います。 ご参考になれば幸いです。


自宅訪問も感染リスクはありますが、施設は箱の中ですし、介護職は感染管理の教育が行き届いていないこともあり、ご苦労が大きいだろうと思います。 コロナはややこしい状況や対応数が増えると、あっという間に労力と時間と思考力を奪います。本業との兼ね合いがとても難しいです。 今後ともよろしくお願いいたします。


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目の前にいる困っている人のために機転を利かせる。

これは医療の原点だと思うけど皆、忘れてしまった。


でも災害時くらい、思い出して欲しい。

僕達町医者は、藤田愛さんを見習おう!




昨日は、通常業務が終わったのが22時半だった。

その後、深夜帯にお看取りと腹痛での緊急往診。


日付けが変わってからの帰宅になった。

ヘトヘトなところに、また電話やメール。


でも、感染者数は明らかに峠を越えた。


当院の陽性者は8名だったけど尼崎市も8名だった。

これって、ほとんどが当院、という意味なのかな?


テレビでは「陽性率が7%とか8%」とか言っているけども

当院の陽性率はずっと20%を超えているし一昨日は40%。


いったいどうなっているのだろう?

こんな特殊な環境にいるので、誰にも分かってもらえないのか。



雨が降っても、「ワクチンの予約」に行列ができている。→こちら

6個目のテントに人が溢れるが、いくつテントを建てればいいのか。


今日も早朝から、自宅待機者からの電話が鳴りやまない。

ああ、早く、楽になりたい。普通のジイさんになりたい。



PS)

コロナチャンネル #373


コロナ後遺症には、トータルペインの視点で!  →こちら



当院でのワクチン接種は、27日からです。

まだ職員の感染はゼロ、自宅待機者の看取りもゼロ、です。



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※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

お疲れ様です。
隣の市ですが、我が市はまだ保健所が踏ん張ってくれています。医師会に要望し、陽性者の往診を。訪問看護ステーションネットワークに要望し、陽性者の訪問看護を依頼してきています。
こちらの判断でもう一度観察にいかして欲しいというのは無しですが、毎日電話して必要なら夜中でも保健所長の指示で酸素を入れてくれていた方もいました。早め早めに酸素やステロイドを行った方が重症化が防げる、といった共通認識もできてきたように思います。とにかく保健所から電話があるということは、中等度で困っている方がいるのだと断らないで受けようと思っています。ドクターも現場に行けなくても、現地から電話で指示してくれていますし、ほぼ一緒に訪問してくださっています。
もちろん、私もGWも日曜日もありませんが、医療に繋がらず亡くなられる方がない様に頑張っています。
もう少し、医療がひっ迫し入院のベッドが空かない状況です。コロナ感染だけでなく、大病や大けがをなさいませんように、
皆様気を付けてどうか無事で、乗り越えて下さいますように・・・。

Posted by 長谷川初美 at 2021年05月18日 06:34 | 返信

先生。そうして藤田愛さん、頭が下がります。そんな思いで今日のブログを読みました。
コロナ医さんへの書き込みも完璧です。この様な訪問看護師さんがいらっしゃるのだと嬉しくなり安心できますね、私もその時には藤田さんの様な方と巡り合いたいです。
昔近所の奥様が介護の勉強をするとそうして数年介護施設でお仕事もすると、ご主人様をトンネル事故で亡くしまだ小さな息子さんと二人暮らしでした、将来が心配やからそうすると言っていました。お金持ちなんですけど。
無くてはならない職業です、最後には絶対にお世話になるんやろと思います。

6個目のテント場所があるから良いですね。前のYouTubeで先生のズボンのベルトが一ヵ所通ってなかったのが可愛いかったです。先生は片足っこむまで不通のジィさんにはなりません・・たぶん。

Posted by 長尾先生大好き。 at 2021年05月18日 07:13 | 返信

訪問看護師の藤田愛さんの「平常時のお作法が初動を遅らせる問題」は、本来、助かる命を助けられない状況が生まれている現場からの心の叫びです。きっと彼女と同じように感じている方も少なくないのかもしれません。一般の私たちはこうした事実に向き合い常に自分事として考え続けることが必要です。
下記は彼女の事を取り上げている読売テレビの映像です。偶然見つけました。
苦悩に満ちた彼女の表情がさまざま物語っています。

訪問看護師が苦悩語る 重症の30代男性 救急搬送断られ自宅療養の末…死亡「救える命救えない」https://news.yahoo.co.jp/articles/9be4d7918e7e5915f24ed46d865ad842ef628e90

Posted by あんこ at 2021年05月19日 12:54 | 返信

毎日の戦場状態、良心的な医師や看護師の方々が、どうぞ倒れることのないようにと祈るばかりです。コロナ禍で、日本の拝金主義の実態があぶりだされたように思い、これを機に少しでも利他的な社会を構築していけるようにとねがっています。
テレビで初めて日本医師会長を見たときに、人相の悪さと、開業医はコロナを見ないという言葉に愕然としました。
各病院ではみられないとしても、何かコロナに対応する知恵を絞ろうと提案するのが医師会の使命ではないでしょうか。
医師の子供や成績のいい子が将来の生活の安定をのぞんで医学部に進学する、そんな社会風潮の成れの果てのような気がします。
長尾先生のような現場の声が、少しでも多くの人に届きますように。そしてその流れが大きく広がりますように。
後期高齢者の私は、子供や孫の未来のために、税金をできるだけ使わないうちに、コロナでもなんでもいいから、ぽっくり死にたいと最近特に思うようになりました。昔の姥捨て山や、だんだらのがあればいいのになあとも。昔の人は自己犠牲を自然なことと思っていたのではないでしょうか?私にとっては、不要不急の長生きも困ったものになりそうです。

Posted by はな at 2021年05月19日 01:35 | 返信

コロナ肺炎ウイルスというのは本当に大変な病です。
お医者さんでも来てくれない患者さんのおうちに看護師さんがきてくれている。
ほんとに神仏のような看護師さんです。
このような看護師さんこそ、お医者さんの資格が取れるようなシステムがあればよいのになあと思います。
お仕事ばかり続いて、書類の処理も大変で、お勉強もできないかもしれませんけど、実践という意味では医師になるべき一番の立場にいらっしゃると思います。

Posted by にゃんにゃん at 2021年05月19日 08:07 | 返信

藤田さんの頑張りをFacebookの投稿からも知り、この発信を無駄にしてはいけないと対策を考えています。
私の友達も病院の中で、たいへんな現場で働いています。
このたいへんさが表に出てこない。。。。藤田さんの勇気ある発信が、本当にありがたいです。
自分ごととして、捉えていかないと 後悔しても始まらない。

今いる場所で、頑張るっきゃないです。

Posted by 宮ちゃん at 2021年05月21日 07:23 | 返信

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