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神田川俊郎さんの経過

 

2021年05月21日(金)

大阪の有名料理人が、コロナで急死された。

何度かお会いしたり会食をしたことがある。

気さくで楽しく周囲を幸せにする人だった。

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コロナで死去「料理の鉄人」神田川俊郎さんの次女が明かす「命の選別」の過酷な現場

AERA〈dot.〉



「すっかり元気になって戻ってくるものと思っていたので、今も信じられません」  

こう語るのは、4月25日に新型コロナウイルスに感染し、亡くなった日本料理店「神田川」の料理人として知られる神田川俊郎さん(享年81)の次女、大竹可江さんだ。


「憎っくきコロナだよね」という言葉を残して亡くなったのはこの人  神田川さんは京都市出身で、16歳から料理人として修行に入り、「なだ万」などで腕を磨いた。大阪で高級日本料理店「神田川」など3店舗を経営。「新日本料理」と銘打った斬新な料理で繁盛し、人気テレビ番組「料理の鉄人」に「神田川軍団」として弟子らと出演した。道場六三郎、陳建一ら鉄人との名勝負で一躍、人気者になった。


そんな神田川さんがなぜ、コロナに感染し、急死してしまったのだろうか。


可江さんが亡くなるまでの詳細な様子を語った。神田川さんが体調を崩したのは、4月16日だった。 「朝、電話をかけてもつながらない。店で女将をやっている父の妹が自宅マンションを合鍵で開けたところ、風呂場で倒れていた。すぐに意識は戻ったのですが、救急搬送されました。大阪市内の病院でPCR検査を受けると、コロナに感染していることが判明し、入院しました」


 しかし、翌日17日には神田川さんから可江さんに電話が入った。 「父は元気な声で『なんでこんなところにおるねん。熱もないし、元気や』と言うので安心しました。その日は新作で考えていた料理の写真撮影をしたいと仕事関係の方など、あちこちに電話をかけまくっていたそうです。3月に料理の仕事で熊本へ出張までしていたので、すぐに回復すると信じていました」


 だが、18日になって容態が急変したという。神田川さんは血中酸素濃度が90%まで低下。 「19日になって病院から『酸素吸入、チューブを挿管します』という連絡がきてビックリしました。17日にはあれだけ元気だったのに、何があったのか、と心配でたまりませんでした。しかし、コロナ感染で面会はできないので様子を見に行くこともできません。また、父の店から3人、コロナウイルスに感染していることもわかりました。今まで以上に感染力が強く、重症化する確率が高い、コロナの変異株に感染したのかなとニュースなどを見ながら、心配していました。そして病院から『万が一のことがあるので、重症者対応ができる病院への転院を考えている』と聞かされ、本当に深刻な病状であることを痛感しました」


神田川さんの病状が重篤となった4月20日前後、大阪府内では新規感染者が1日あたり、連日のように1000人を超え、重症者数も300人以上、病床使用率は99%と発表されていた。それゆえ、神田川さんの転院はなかなか、進まなかったという。 「エクモなど治療設備が整っている大きな病院に転院になると聞いていました。しかし、病床が逼迫して、転院ができないと言われました。その理由の一つが、重症患者向けの病床は、回復の可能性が高い、年齢の若い方を優先しており、81歳の父は順番がなかなかまわってこないというものでした。


父には昔から大阪市内の比較的大きな病院にかかりつけ医がいました。そこに転院したいという意向が当初からあったのですが、そちらも病床が埋まっていたようでダメでした」  その後、神田川さんは血中酸素濃度も正常値に戻り、いったんは回復の兆しにあった。


「4月23日の連絡で血中酸素濃度が98%と聞いて、安心しました。ところが、4月25日の午前4時過ぎでした。脈拍が50を切った、血圧が急激に低下していると知らされましたが、病院に行くこともできず、気が気でない中、4時34分にお亡くなりになったと、知らされました。死因はコロナによる肺炎でした。ただ絶句するしかありませんでした」


 医療崩壊が指摘される大阪府。重症病棟への転院は「若い人から」という可江さんの証言は、「命の選別」が実質的に行われている過酷な医療現場を物語っている。 「コロナの感染拡大から1年以上が経っているのに国や大阪は一体、何をしていたんだと心底、思いました。もし、感染する時期が違っていれば、国や大阪が十分な対策を行っていれば、適切な治療が受けられれば、父は助かったのかもしれない。そうと思うと、今も悔しく、やり切れません。このような悲劇は父で終わりにしてほしい」  


可江さんら家族は、コロナの感染防止のため神田川さんの顔を最後に見ることもできず、遺体は荼毘に付されたという。家族葬を行い、4月29日に焼香だけを一般から受け付けたという。


神田川さんは新型コロナウイルスの感染拡大で人一倍、気を配っていたという。


「コロナに効果があるとされる、除菌グッズを首から2個、3個とぶら下げていました。消毒液の入った小さいボトルも3つほど持ち、頻繁に消毒。店でも二酸化炭素の濃度をこまめにチェックしていました。マスクは念には念を入れよと3枚重ねにしていた時もあった。それでもコロナに感染してしまう。未だに感染ルートもよくわかりません。本当に恐ろしい」  


父とのプライベートな思い出についても可江さんはこう振り返った。 「仕事ひと筋でした。家でも仕事のことになると厳しい表情だった。しかし、最近はよく『孫を店に連れてきて』と言っていました。孫に会うと、仕事ひと筋の父が優しいおじいちゃんになっていました。毎日、3~4回と電話してきては『おはよう』とか『元気か』と声がけしてくれるのが父の日課でした。プロ野球の西武ライオンズとコラボした弁当をプロデュースするなどコロナ禍で厳しい中でも、いろいろアイデアを絞って頑張っていた」


 記者は生前、神田川さんを何度も取材したことがある。料理とはまったく関係がない、事件取材があった時だ。店に電話をしても断られるだろうと、いきなり訪ねると、多忙な時間をさいて、「またかいな、しゃあないなぁ~」とテレビでおなじみの笑顔で応じてくれた。  神田川さんのモットー「料理は心」について聞いたことがあった。 「どんなに上等な肉や魚でも、最後は心や。心で味が決まる。どんな仕事でも、記事を書くのもそうや。最後は心とちゃうかな」  神田川さんの言葉には随分、勉強させていただいた。「神田川」の暖簾は可江さんが若女将として、これからも守り続けていくという。

合掌。(今西憲之)


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以下、僕が「夕刊フジ」に書いた神田川さんの追悼記事  →こちら



北新地の旨い店が並ぶ通りで、一際風格ある佇まいが「神田川本店」です。白い暖簾をくぐれば、出汁のいい匂いとともにその人は笑顔で迎えてくれました。最初に医者の先輩に連れて行ってもらったのは、もう四半世紀も前になるでしょうか。 まだ若造だった僕に対しても分け隔てなく接客してくださり、目の前で大きな伊勢海老を捌いてくれた夜を昨日の事のように覚えています。日本食の繊細さをここで教えてもらいました。 テレビでも活躍された、浪花を代表する料理人・神田川俊郎さんが4月25日、大阪市内の病院で亡くなりました。享年81。死因は、新型コロナウイルス肺炎との発表です。  


報道によれば、神田川さんは4月16日に自宅で体調を崩し、緊急搬送。PCR検査でコロナと判明。酸素吸入やアビガン投与など治療を続けていましたが、帰らぬ人となってしまいました。 つい先月、北新地を神田川さんが元気に歩いているのを見かけたという人がいます。まさかご本人も、自分がコロナで亡くなるとは想像もされていなかったに違いありません。 大阪、兵庫はコロナ変異株の脅威にさらされています。その模様と僕のことが24日に『報道特集』(TBS系)でも取り上げられましたが、今、コロナで救急車を呼んでも受け入れ病院がないケースが多々あります。


あまり大きな声では言えませんが、75歳以上の高齢者を一律受け入れ拒否している病院もあるそうです。では、近くの開業医が診てくれるかといえば、陽性と分かればそれもほぼ不可能。でも僕は、「自分が診た陽性患者さんは誰ひとり死なせないぞ!」という想い一つでステロイドとイベルメクチンを持って連日、尼崎の街を駆けずり回っています。  それなのに、神戸や梅田の繁華街で買い物や飲食を楽しんでいる人たちがいる......こちらは死の恐怖と隣り合わせの戦場と化しているのに、一体どうなっているの? と叫びだしたくなるのをぐっと堪えています。


 今回の変異株は、持病のない人も重症化することが特徴です。神田川さんのようなお元気だった人でも突然、命を奪われてしまうのです。いつまでこの我慢が続くのか、ワクチンを打ち終えれば、元の生活に戻れるのか...それは、誰にもわかりません。 またあの「神田川本店」に伺って、俊郎さんに献杯できる夜は来るのだろうか。確か、「あたたかい人には、あたたかい人が集まる」という直筆と鯛の絵が店に飾られていたはずです。集まれない今、主を失ったあの絵はどうしているでしょう。



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4月16日 風呂場で転倒、感染判明し入院

 17日 解熱し一旦改善

 18日 急変、酸素吸っても90%、気管内挿管、人工呼吸器装着

 23日 転院不可と告げられる 酸素98%に回復

 25日 午前4時に血圧低下し、4時32分に死亡確認


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全経過10日間


神田川さんの経過から学ぶこと

1)感染予防だけでは難しい現実

2)全経過10日間。急変からわずかな時間で急死する可能性がある。

3)一旦良くなっても安心できない。改善から7日目あたりの急変がある

4)23日の時点で高次の医療機関に転院できていたらなあ。

5)その時に医師と医師のホットラインで直接交渉できれば

6)いくら元気であっても、年齢差別に勝てない(大阪では)


早期発見・早期治療までは良かっただろう。

しかしその一週間後のサイトカインストームにやられた。

しかし、保健所の機械的な年齢差別で転院を阻止された!?

サイトカインストームの早期発見は可能か?

その予防は可能か?

早期介入はどうすればいいのか?


いろんな教訓が残された。


特に、大阪府は80歳以上というだけで治療をしない方針だった。

先日、ミヤネ屋にライブ出演した時に同じくライブの吉村知事の考えはオカシイと指摘した。


トリアージするなら、年齢ではなく、高齢者総合機能評価CGA)で行うべ。
ただそんな基本的なことも知らない保健所が、年齢だけで差別している。


神田川さんのようなお元気な方は、助けてあげたかった。

とてもショックだったが、記事を読み、余計にショック。



PS)

コロナチャンネル #376


焦らず待つのもいいんじゃない? ワクチン予約  →こちら



でも豪雨でワクチン予約のテントが倒壊した。→こちら

そう、「予約」だけでも大変な作業なのだ。



早朝から昨年4月から170人目の在宅お看取り。

でも、まだコロナでのお看取りはゼロ、です。



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この記事へのコメント

朝から身体が震えました。先生の神田川さんの内容もそうしてお嬢様のお話にも
それとマッドネス様やsaya様のコメントにもそうしてナカムラクリニックの先生のブログも読みました・・薄々は。こんな下々のおばちゃんでも怪しんじゃないかとは思っていましたよアンテナ張り巡らせてるので。
吉村知事が最近顔が変わったと感じ。一年前は誰よりも自慢できる知事だった。
そりゃ80や90歳は先は短いかもしれませんが・・。
恐ろしい世の中ですね、私もワクチン打ちません。

少し頭が痛くなりました。

Posted by 長尾先生大好き。 at 2021年05月21日 10:02 | 返信

「コロナで死去「料理の鉄人」神田川俊郎さんの次女が明かす「命の選別」の過酷な現場」を読み本当に悲しく涙が出てきました。そして感じたことは、現在の日本の医療体制が日本の現状に、そもそも適切に対応できていないのではないかという疑問です。昨年コロナ感染が将に拡大し医療崩壊が目前に迫っている最中に、厚生省は病床を補助金を付けて減らす「病床削減支援給付金」(事業計画期間平成30年~令和3年)を行い、大阪でも約170床減らしています。応募する病院があるから減るのでしょうが、これで本当に良いのか私は非常に疑問を感じています。厚生省は、何よりも医療費の削減が至上課題で、「国民の命を守ること」は全く考えていないと思います。確かに社会保障費は年々増加していますが、ただやみくもに減らすことばかり考える政策は間違っていると思います。かたや、防衛費は年々激増し、「いずも」の空母化やF35の大量購入、イージス艦の増艦などに支出されています。このような時にこそ、国民の命を守るために今何が本当に必要なのか、政治家、官僚に、日本の将来を考え総合的に考察してもらいたいと私は切に思います。長尾クリニックの方々のご健勝をお祈り申し上げます。

Posted by 洋ちゃん at 2021年05月21日 10:05 | 返信

人の繋がりを壊すコロナ病。
何か、治療ができていれば、納得できるかもしれないけど、これでは、納得できないです。

こんなことが日本中、あっちこっちで起きているのかと思うと
この国は、終わってる、、、、、、、。

本当に、オリンピックどこじゃない!

Posted by 宮ちゃん at 2021年05月21日 01:46 | 返信

神田川さんはいわゆる制限なく治療され、エクモもやってもらい、体調が回復してそれをはずしたときに、バランスがくずれなくなったという情報もあります。
このお子さんの発言は申し訳ないけどいろいろ裏があるといわざるをえない。

Posted by Y at 2021年05月21日 03:06 | 返信

どんな理由でもご家族や友人を失うことは、とても悲しいですね。
多くの人が恐怖と緊張が続いていますが、免疫をあげる。
そのことをもっと報道して頂きたいとずっと声をあげていますが、
もう笑うことも許されないような空気。
人間の体と自然の繋がりや、自然に沿った生活の見直しが
本当に必要だと思います。
病に対応できない体を作ってしまわないか、そうさせていないか
矢印を自分に向けて問いたいです。医療者のご苦労を労いつつ
あまりに傾きすぎてはないかと政治、環境、医療問題に続けて
取り組みます。

差別が止まらない。マスク強制やいじめの対象になる人たち、
自由を選べないこどもたちが可愛そうで、心を痛めています。
みんないっぱい笑って免疫あげよう、ちゃんと深呼吸しよ!って伝えたい。
そして、長尾先生。毎日本当にご苦労さまです。

Posted by 長尾先生お疲れさまです! at 2021年05月21日 05:47 | 返信

人の繋がりを壊すコロナ病。
何か、治療ができていれば、納得できるかもしれないけど、これでは、納得できないです。

こんなことが日本中、あっちこっちで起きているのかと思うと
この国は、終わってる、、、、、、、。

本当に、オリンピックどこじゃない!

Posted by 宮ちゃん at 2021年05月21日 05:53 | 返信

はかkとある芸人さんの本に、これからの日本はどうなるのか?家庭教師に聞いたら「弱者切り捨て」と言われたそうです。5年以上も前に出された本ですが、予言どおりですね。

Posted by 大分県下郷陽平町祭実行委員 at 2021年05月21日 05:53 | 返信

神田川敏郎さんについては接点がないが、同時代を生き抜いてこられた方。自分に置き換えて考えられる。感慨深い。「年令トリアージ」があって重症者病院にたどり着けなかった。

「トリアージ」は、戦時傷病者を兵士として再生することを目的に、野戦病院で始まったと言われる。
現在は「災害時トリアージ」として定着。「年令トリアージ」はなぜか、新型コロナが蔓延し始める1年前から、学会や首長から提唱されていた。

二女・可江さんの証言。
「重症者向けの病床は、回復の可能性が高い、年令の若い方を優先しており、81歳の父は順番がなかなかまわってこないというものでした。」「コロナの感染拡大から1年以上がたっているのに国や大阪は一体、何をしていたんだと心底思いました。」「今も悔しく、やり切れません。」

医療体制の整備が早くから叫ばれていたのに、大阪では当初から「譲るカード」を配ったアホな大学教授もいた。今年に入り大阪府は、英変異株の日本人初死者を隠蔽し、3月には府下重症者病棟の定員をすべて大幅削減する愚をやってのけ、4月には「高齢者は入院順位を下げる」メールを府下保健所に発信、ばれると慌てて撤回した。実際は、メール指示どおり、「年令トリアージ」がなされていたのだろうか。

大阪の死者は、首都を追い抜いた。
「感染者すべてが入院または入所」と法定されているのに自宅放置者は、懇願しても健保からも見放される。コロナ以外の急患から未病者にも大きな不安を与えている。
メディアは、聖火リレーからワクチン騒ぎに現を抜かす。総務省・管理職は朝から晩まで、市町村長に恫喝電話。
イージス艦に1兆円。いつになったら自衛隊を解体し防災省に再編できるのだろうか。

Posted by 鍵山いさお at 2021年05月21日 07:07 | 返信

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