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コロナ死を防ぐ鍵は時間との闘い
2021年07月04日(日)
首都圏では第五波がジワジワと広がっている。
コロナで死ぬのは対応が後手後手だったから。
要は、時間との闘いに負けないように備える。
コロナで亡くなった有名人の経過を調べてみた。
全員が「早期診断・即介入」ができてなかった。
これが、第四波までの現実だった。
だったら第五波では戦略を、ガラッと変えないといけない。
要はコロナ死を防ぐには救急対応と同様に時間との闘いだ。
僕は、第1波からずっとそうやってきた。
長く在宅医療をやっているからだろうか。
コロナは急性疾患なので、週末のタイムロスは許されない。
また保健所で1週間以上「目詰まり」することは許されない。
この500日間の本ブログに思索と実践を書いてきた。
お盆明けに出る本は、本ブログをまとめたものである。
公論2021年 8月号 さざ波で医療崩壊した理由
パンデミックも想定した地域医療構想を 長尾和宏
発熱外来をしない理由
7月2日現在、当院の発熱外来では連日、患者数が増えて陽性者が出ている。6月後半は2週間も陽性者ゼロであったので第五波の足音が聞こえてきた。ただ若者が多いのでデルタ株であろう。デルタ株の感染力が強い事はそのまま重症化率が高い、とは限らない。7型コロナ(今回の新型コロナ)が1~4型コロナ(通常の風邪)に近くなる、つまり風邪に近づくフェーズであって欲しい。
しかし第四波と同じような悲惨な状況が繰り返される可能性もある。現時点では悪いほうのシナリオに備えたい。これまでを振り返り、分析し、早急に戦略を練り直すべきだ。
現在も9割の開業医が発熱患者を門前払いしている理由とはなんだろうか。自分自身が感染するのが怖い?クラスターが発生して医業経営に損失が出るのが怖い?筆者はおそらく両方ではないかと想像する。しかしワクチン接種の拡大に伴い、自身の感染もクラスターリスクも減っている。 開業医による早期診断と早期治療が感染症病床の防波堤になるためには発熱患者を診る開業医を増やさないといけない。政府は、不幸にして院内クラスターが発生した場合の補償制度をつくるべきだ。加えてマスコミの報道規制もお願いしたい。介護施設も含めて過剰報道は控えて欲しい。日本医師会が開業医に発熱診療を呼びかけないのであれば、政府が直接開業医に要請すべきであろう。補償とセットで依頼して発熱に取りくむ開業医を増やすべきだ。
陽性者を受け入れない理由
NHKの取材で8割の病院が陽性者を受け入れないことが明かにされた。しかし世界一の病床を有するのにさざ波で医療崩壊した原因をマスコミは受け入れを拒む中小病院のせいにしていたが見当違いである。中小病院の多くは民間病院であり、開業医と同様にクラスターリスクを背負っている。病院の経営基盤は開業医よりもさらに脆弱なので、より大規模な補償制度がないと積極的な受け入れは期待できない。
同時に通常医療を守ることが病院の大きな使命である。コロナ禍においても日本人の死因のトップは、がん(40万人弱)であり、生活習慣病に起因する疾患や老衰、肺炎、自殺と続く。1万4千人というコロナ死はによる死亡者数からみれば死因順位は10位あたりだろう。命を救うという病院の使命から考えると、多くの病院が陽性者を受け入れるとう発想は合理的ではない。やはり選択と集中であろう。
一方、開業医がコロナ戦略の防波堤として機能すれば病院の需要は抑制される。発症から1週間以上、死にかけになるまで「放置」されているから受け入れ先が病院になるだけだ。がん医療に喩えたら早期発見・早期治療を諦めて末期がんになるまで放置してから入院させているように映る。
在宅医療を活用しない理由
阪神間で1万人以上に及んだ自宅療養者ないし自宅放置者になぜ在宅医療を活用しなかったのだろうか。筆者は、昨年3月から「コロナはまずは地域包括ケアで対処すべき病気である」と専門誌や雑誌やブログで100回以上、発信してきた。しかしいまだに多くの保健所は軽症陽性者の在宅管理を開業医や在宅医に依頼しない。認知症の人など様々な理由で入院ができない方がおられるのに、である。
ある保健所にその理由を聞くと「在宅医療を知らない」とか「在宅医を信用していない」という声が返ってきた。平時に在宅医療と保健所の接点はほとんどないことが、パンデミック時に発生する自宅療養者を不幸にしている。しかし今からでも遅くない。保健所に感染症における在宅医療の可能性を知って頂くことが急務だ。もっと在宅医を活用して欲しい。
尼崎市では昨年末から尼崎市医師会と尼崎保健所の連携が強化されている。自宅待機者の情報は保健所経由で予め登録している往診医のメーリングリストに流れ、手の空いている医師が往診して必要な処置を講じてきた。中等症以上の人にはあくまで入院までのつなぎという位置づけであるが在宅医療で救えた命があった。
「隔離機能」と「医療機能」の分離を
第四波において保健所での「目詰まり」が多くのメデイアで指摘されている。筆者は1年以上前からそれを指摘してきたがやっと認められた。第四波においては患者さん宅に保健所からの連絡があるまで3日間もかかっていた。電話があっても入院はまずできないし、診察して薬をもらえるわけではないので実質的に「放置」患者が大量発生した。さらに10日目以降になって急変しても、保健所は「はい、10日経ったので隔離解除します。あとは私たちは知りませんから」という態度をとってきた。今でも怒りに震えPTSDに悩む患者さんが沢山いる。
こうした「目詰まり」は統廃合の波に晒されている保健所が悪いのではない。大量の患者さんへの医療提供を保健所に一任している「法律」を作る「国家」に責任がある。保健所は、本来の任務である「隔離機能」に徹して頂き、「医療機能」は診療所と病院の連携(病診連携)や病院同志の連携(病病連携)に任せるべきである。つまり平時に普通に行っている連携に任せるべきだ。つまり「隔離機能」と「医療機能」の分離である。
以上、指定感染症に関する法律の見直しを提案する。つまり2類相当を5類へという意味である。指定感染症の解除を1年前から本誌でも再三主張してきたが、そろそろ本気で考える政治家が出てきてほしい。必ず来る次のパンデミックをも想定した保健所に関する法律の改定や地域医療構想の見直しなど課題山積である。
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以上は、政治家と官僚に向けて書いた文章である。
月刊「公論」とは政治家が読む雑誌、なのである。
1年以上、繰り返して書いているが全く変化無し。
僕は、そろそろ諦めの境地、になってきてたよ。
PS)
コロナチャンネル #420_
ワクチン副反応「心筋炎」とは何ぞや? →こちら
8月12日のライブの告知をしたところ、1日で40名が応募。
キャパがコロナのため70名なので、残りが30名になった。
15時からの映画はパスして18時からのライブだけでもいい。
昨夜、チキンジョージのスタッフさんと打ち合わせをした。
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この記事へのコメント
「コロナ死を防ぐ鍵は時間との闘い」拝読いたしました。『公論』掲載の長尾先生の論考に大賛成です。「コロナとの戦いは時間との勝負」本当に長尾先生のおっしゃる通りであると私も思います。保健所の機能を変革し「隔離機能」と「医療機能」を分離させる必要は、すべて「保健所」を通さなければならない現在の方式が、コロナ感染激増時に「保健所」が機能不全になった事で証明されていると私も思います。また、激増する大勢のコロナ感染患者の方が検査も治療も受けられず、時間ばかりが過ぎて適切な医療を受けられず放置される根本原因である「保健所」→「国立感染症研究所」→「厚労省結核感染症課・医系技官」の時代にそぐわない感染症対策制度を解体し、現行の感染症法を廃止し、全く新しい発想で新しい「感染症対策法」を作り、日本が所有する全ての医療資源の総力をあげて瞬時かつ総合的に感染症に対処できる体制を計画し準備しない限り、これからも同じ事が何度でも繰り返され、大勢の感染者の方の死亡、経済の疲弊、失業者の激増の悲劇が何回でも発生すると私は考えています。日本の衰退を防ぐため、まさに「感染症」との国をあげての総力戦を早急に準備する必要があると私は考えています。
Posted by 洋ちゃん at 2021年07月04日 12:50 | 返信
お疲れ様です😆🎵🎵7月10日のライブ友達といくつもりですが、空いてますか?場所しか書いてなかったので連絡出来ませんが、、、、。友達と約束してしまいました。
Posted by iruka at 2021年07月04日 12:59 | 返信
先生、蒸し暑いですねモヒートが飲みたいです。
名古屋場所も始まり、岸和田だんじりも二年ぶりに引きます、祇園祭りも、そうしてコロナをばらまきながらオリンピックが始まるそうです。チキンジョージ。当たり前ですが直ぐに埋まりましたね。診察以外の先生を見てみたいですものね。
Posted by 長尾先生大好き。 at 2021年07月04日 05:14 | 返信
開業医のおよそ90%以上は先行でワクチン接種終えてるはずだと思います。一般人に先んじてワクチン接種を受けているのは、コロナに感染しても重症化しないからという理由だと思いますが(本当にワクチン接種がそのような効果があるかどうかは現在世界中で大規模臨床治験中なので今後の結果を待たねば何とも言えないわけだが)
この期に及んでまだ9割の開業医が発熱患者を門前払いし続けるとしたら、開業医の存在意義などどこにあるでしょうか?
2類指定が開業医の防波堤になってる気がします。2類指定があるから門前払い、保健所丸投げが正当化できるのかと。
この際イベルメクチンも大規模臨床治験扱いで、早期から開業医に使わせるようにすればいい。そうすれば結果はすぐ出るはず
ワクチンは特例承認(大規模臨床治験)するのに、イベルメクチンは同じように特例承認しない理由は何でしょうか?
イベルメクチンが効いてしまったら、国民の多くがワクチン打たなくなってしまうのを怖れているのではないでしょうか?
コロナが恐怖のウイルスであり続けることで、国民を恐怖支配したいという政治的意図があるとしか思えないのですが。
Posted by マッドネス at 2021年07月04日 09:24 | 返信
長尾先生はBS1スペシャルご覧になりましたか?
インドのイベルメクチンの話をやっていました。
https://www.nhk.jp/p/bs1sp/ts/YMKV7LM62W/episode/te/JWP35ZM3J8/
Posted by ゆうた at 2021年07月04日 09:52 | 返信
せんせい、うめ🐾だよ。
ドロンパはこの人だよ。
https://images.app.goo.gl/DmYXSParKgxbrmfV9
せんせいのこのシャツを見るとドロンパと
せんせいのリッツ・カールトンのお誕生日会のステーキを
思い出すよ。
おいしかった😌❤️じゃなく楽しかったな🐾
あと、あのね先生、↑申し込みの仕方がしゃれ過ぎて
仕方がわからんやったよ。
FAXじゃだめと?
しかたをおしえてください。
綾小路さんもわからんみたい。じゃね🐾
Posted by うめ&もも🐾 at 2021年07月04日 10:14 | 返信
このブログを見て感じたことは、「政治への提言って、こうあるべきだよな」です。
現在、政治への提言をする立場にある方々は、大学の研究者や研究所の偉い人が主ですね。
彼らは1年間、コンピューターに任意のパラメータを打ち込み、人流がこうだと、宣言が無いと、何もしないと、変異株がパワーアップしてると、感染者と重症者はこうなる。最悪のパターンはこれ。
医療システムは据え置き。
だから、自粛。
これを繰り返してきました。
正体がわからずデータも乏しいときは、応急処置的にそのような対策が必要でしょう。
でも、流石に1年たちました。
臨床データも増えています。
現場で多数のコロナを観察した人間がいる。
そこに目を向けるべきだと思います。
よい方法があったら、政府に提言出来る立場の人間は、検討して、進言すべきです。
他人が築き上げたメソッドの横流しです。
容易いことでしょう。
しかし未だに、パラメータを打ち込んではグラフを作って感染爆発医療崩壊の危機。
まるでフリップ芸。
あまりに、議論に多様性が無さすぎる。
それを有り難がる多くの国民にもウンザリ。
先生の提言が、政府の耳に届くことを期待しています。
現場で経験を積んだ人間の放つ言葉は、何よりも重い。
Posted by ブログ新規読者 at 2021年07月05日 03:18 | 返信
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