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今度こそ、さざ波で医療崩壊させない
2021年07月26日(月)
毎日、何人かの陽性者が出るが皆さん若い。
しかし肺炎を起こした中等症Ⅱの患者さん
もいるので、まだまだ息が抜けないと思う。
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月刊公論2021年 8月号
さざ波で医療崩壊した理由
パンデミックも想定した地域医療構想を 長尾和宏 →こちら
発熱外来をしない理由
7月2日現在、当院の発熱外来では連日、患者数が増えて陽性者が出ている。6月後半は2週間も陽性者ゼロであったので第五波の足音が聞こえてきた。ただ若者が多いのでデルタ株であろう。デルタ株の感染力が強い事はそのまま重症化率が高い、とは限らない。7型コロナ(今回の新型コロナ)が1~4型コロナ(通常の風邪)に近くなる、つまり風邪に近づくフェーズであって欲しい。しかし第四波と同じような悲惨な状況が繰り返される可能性もある。
現時点では悪いほうのシナリオに備えたい。これまでを振り返り、分析し、早急に戦略を練り直すべきだ。 現在も9割の開業医が発熱患者を門前払いしている理由とはなんだろうか。自分自身が感染するのが怖い?クラスターが発生して医業経営に損失が出るのが怖い?筆者はおそらく両方ではないかと想像する。しかしワクチン接種の拡大に伴い、自身の感染もクラスターリスクも減っている。
開業医による早期診断と早期治療が感染症病床の防波堤になるためには発熱患者を診る開業医を増やさないといけない。政府は、不幸にして院内クラスターが発生した場合の補償制度をつくるべきだ。加えてマスコミの報道規制もお願いしたい。介護施設も含めて過剰報道は控えて欲しい。日本医師会が開業医に発熱診療を呼びかけないのであれば、政府が直接開業医に要請すべきであろう。補償とセットで依頼して発熱に取りくむ開業医を増やすべきだ。
陽性者を受け入れない理由
NHKの取材で8割の病院が陽性者を受け入れないことが明かにされた。しかし世界一の病床を有するのにさざ波で医療崩壊した原因をマスコミは受け入れを拒む中小病院のせいにしていたが見当違いである。中小病院の多くは民間病院であり、開業医と同様にクラスターリスクを背負っている。病院の経営基盤は開業医よりもさらに脆弱なので、より大規模な補償制度がないと積極的な受け入れは期待できない。
同時に通常医療を守ることが病院の大きな使命である。コロナ禍においても日本人の死因のトップは、がん(40万人弱)であり、生活習慣病に起因する疾患や老衰、肺炎、自殺と続く。1万4千人というコロナ死はによる死亡者数からみれば死因順位は10位あたりだろう。命を救うという病院の使命から考えると、多くの病院が陽性者を受け入れるとう発想は合理的ではない。やはり選択と集中であろう。
一方、開業医がコロナ戦略の防波堤として機能すれば病院の需要は抑制される。発症から1週間以上、死にかけになるまで「放置」されているから受け入れ先が病院になるだけだ。がん医療に喩えたら早期発見・早期治療を諦めて末期がんになるまで放置してから入院させているように映る。
在宅医療を活用しない理由
阪神間で1万人以上に及んだ自宅療養者ないし自宅放置者になぜ在宅医療を活用しなかったのだろうか。筆者は、昨年3月から「コロナはまずは地域包括ケアで対処すべき病気である」と専門誌や雑誌やブログで100回以上、発信してきた。しかしいまだに多くの保健所は軽症陽性者の在宅管理を開業医や在宅医に依頼しない。認知症の人など様々な理由で入院ができない方がおられるのに、である。
ある保健所にその理由を聞くと「在宅医療を知らない」とか「在宅医を信用していない」という声が返ってきた。平時に在宅医療と保健所の接点はほとんどないことが、パンデミック時に発生する自宅療養者を不幸にしている。しかし今からでも遅くない。保健所に感染症における在宅医療の可能性を知って頂くことが急務だ。もっと在宅医を活用して欲しい。
尼崎市では昨年末から尼崎市医師会と尼崎保健所の連携が強化されている。自宅待機者の情報は保健所経由で予め登録している往診医のメーリングリストに流れ、手の空いている医師が往診して必要な処置を講じてきた。中等症以上の人にはあくまで入院までのつなぎという位置づけであるが在宅医療で救えた命があった。
「隔離機能」と「医療機能」の分離を
第四波において保健所での「目詰まり」が多くのメデイアで指摘されている。筆者は1年以上前からそれを指摘してきたがやっと認められた。第四波においては患者さん宅に保健所からの連絡があるまで3日間もかかっていた。電話があっても入院はまずできないし、診察して薬をもらえるわけではないので実質的に「放置」患者が大量発生した。さらに10日目以降になって急変しても、保健所は「はい、10日経ったので隔離解除します。あとは私たちは知りませんから」という態度をとってきた。今でも怒りに震えPTSDに悩む患者さんが沢山いる。
こうした「目詰まり」は統廃合の波に晒されている保健所が悪いのではない。大量の患者さんへの医療提供を保健所に一任している「法律」を作る「国家」に責任がある。保健所は、本来の任務である「隔離機能」に徹して頂き、「医療機能」は診療所と病院の連携(病診連携)や病院同志の連携(病病連携)に任せるべきである。つまり平時に普通に行っている連携に任せるべきだ。つまり「隔離機能」と「医療機能」の分離である。
以上、指定感染症に関する法律の見直しを提案する。つまり2類相当を5類へという意味である。指定感染症の解除を1年前から本誌でも再三主張してきたが、そろそろ本気で考える政治家が出てきてほしい。必ず来る次のパンデミックをも想定した保健所に関する法律の改定や地域医療構想の見直しなど課題山積である。
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20代の肺炎は誰が診るの?
まだ僕達が診ている、よ。
大阪府の患者さんが当院に流れてくる。
大阪府の医療機関はなにをしているの?
このままでは、第五波でも医療崩壊しかねない。
4回も経験したのに何も学んでいない政治に絶望。
こんなもん、普通に診断治療して重症者は
普通に病診連携をすればいいだけの話、だ。
本当にアホらしい位、何も変わっていないのよね。
月刊公論は政治家に向けて書いているのだけどね。
政治家は、「学習」とか「進歩」とか「成長」
とか、当たり前にやるべきことをやって欲しい。
PS)
コロナチャンネル #442_
時代錯誤がひどすぎる......行政のワクチン接種対応 →こちら
開会式の時間帯、僕はコロナを診ていました。
土曜日の読売テレビ「ウエークアップ」より。→こちら
多分こんなことしてる医者はあまりいない、だろね。
もうそろそろ、コロナ対応を「収束」させたいなあ。
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この記事へのコメント
今週もよろしくお願いいたします。
昨日、ニコニコ動画「コロナチャンネル#442 時代錯誤がひどすぎる」を視聴させて頂きました。
長尾先生が述べられていたIT活用、データ連携について考えておりましたところ下記の新聞記事が
目にとまりました。専門家の問題提起を読んで、課題解決の道のりはまだまだ遠いと感じました。
(以下、引用)
「データについて言えば、皆で共有しようという意識が著しく欠落しています。保存や活用を促す
仕組みも整っていません。
コロナ禍でも病院間、保健所間でのデータの共有が進んでいません。コロナの実態解明を遅らせて
いる一因ではないでしょうか。」
『[あすへの考]【ITと日本社会】データの時代 失敗する勇気」
――国立情報学研究所 所長 喜連川優氏
読売新聞オンライン2021.7.25より
https://www.yomiuri.co.jp/science/20210724-OYT1T50311/
Posted by yn at 2021年07月26日 02:06 | 返信
愛しの山口百恵さん!の横須賀ストーリー!もう大笑い!!
先生の存在は確かに私の免疫力を高めて下さっています。感謝しています。
あ~可笑しかった。お昼からも頑張ります。それから、久しぶりに生ビール飲みに行こうっと!!!
Posted by ルナース at 2021年07月26日 03:16 | 返信
「今度こそ、さざ波で医療崩壊させない」拝読いたしました。長尾先生のように考えていらっしゃる医師の方は、残念ながら限られていると私は思います。ましてや、今、政治家、官僚は「オリンピック」の事で頭が一杯、コロナ感染者が増えても医療機関に丸投げ、自分達は「安全圏」に避難して知らん顔です。感染者が増えれば「緊急事態宣言」を延長すれば良いと軽く考えているとしか私には思えません。
また、オリンピックの選手、関係者の空港検疫は感度の低い「抗原定量検査」で済まし、選手村での日常検査も「抗原定量検査」で済まし、感染者が出た段階で初めて濃厚接触者をPCR検査するというずさんな体制では、選手、関係者の感染は増え続けるばかりと思います。選手、関係者は何処で感染したか分からず、感染して試合を棄権せざるを得ない選手も出てきています。本当に可哀そうで仕方がありません。
そして、このまま「ワクチン接種」が遅れ続け、「有症状者」「濃厚接触者」に限定した行政検査が続けば、極端かもしれませんが第5波どころか秋・冬の第6波の到来を想定しなければならない危険な状況であると私は危惧をしています。そうならないように、何も過去から学ばない政治家、分科会の総入れ替えが今こそ必要であると私は考えています。
酷暑の日々が続いています。長尾先生、スタッフの方々、どうぞお身体に気を付けてください。
Posted by 洋ちゃん at 2021年07月26日 03:22 | 返信
先生、朝から替え歌笑ってしまいました。この歌ありましたね、聖子ちゃんの歌好きです。先生の替え歌は懐かしい歌も思い出させてくれるので楽しいしです。先日、桑田さんと原ぼうの「いつでも夢を」聞いて歌いたくなりました。本家よりです。先生はよく探してきますね曲を、忙しいはずなのに。
政治家さん票集めの為に引き抜かれたり知名度がある人を選んで来たりしますものね、知り合いの旦那さん松下政治塾を出て今は野党です、今は何してはるんやろたまにテレビで見かけます・・
今日は4日ぶりに孫に会いに、兄ちゃんが宿題をする間2歳児と近所の図書館に2時過ぎ溶けるかと思いました、、
Posted by 長尾先生大好き。 at 2021年07月26日 06:52 | 返信
先生はADEについてはどう考えられているのか教えてほしいです。
Posted by なつこ at 2021年07月26日 08:14 | 返信
私も先生のADEについてどのような考えを持ってるのか是非知りたいです。 医学や科学やまったくの素人なんで
難しい理論は分かりませんが、ワクチンを打つことによって抗体依存性感染増強が起きる可能性が将来的に起こりうる
のならば メッセンジャーワクチンはやっぱり怖いなと思います。多少効果は落ちても従来のワクチンができるまで
待ったほうがいいかなと考えてしまいます。 今後治療薬も出てくることだしワクチンばかりに頼らなくても
いいのかなとも・・・。
Posted by 宝塚のスミレ at 2021年07月26日 11:14 | 返信
思い出してほしいのですが、新型インフルエンザの時は開業医が率先して診療対応。小児科・内科には長蛇の列ができました。
おかげで米国に比べて死亡率が1/100?に抑えられ、重症化(呼吸器)症例も限定されましたね。
長年風邪診療に対応してきた開業医の1stプライマルケアというシステムが奏功した大きな成果の1つだったと思います。
しかし外来で感染症を3密空間に集めて診療するという点が感染を再拡大してしまうという問題になったと思われます。
感染症専門家の一部は「インフルエンザなど海外なら自宅で寝て治すのが普通なのに、抗原キットやタミフルの乱用だ」と批判
今の新型コロナの特に変異株の感染力の強さを考えれば、狭い屋内のスペースで診療はリスクが高すぎるので、対人距離が取れる屋外スペースで診療するか、往診するかしか方法はないと思います。前者も後者も個人でできる開業医は限られています。おそらく医師会がリードして開業医全員協力で回してやるしかないのですが、2類指定維持のためか全く動かない?
医療従事者がワクチン接種完了すれば、2類指定が解除されると思っていたのですが、全く解除される気配はないですね。
新型コロナが普通の風邪になるまで10年はかかると言われています。もう2度と元のシステムには戻れないですね。
医療費を大幅に削減したかった厚労省・財務省とそれを後押しする専門家にとっては理想形に近ついていると思いますが。
町医者風邪診療システムの終焉こそが「ニューノーマル」なのでしょう。
Posted by マッドネス at 2021年07月27日 06:24 | 返信
今日27日のコロナチャンネルは、444回目で開会式と4人のお看取りのお話。4並びですね。
「死」に通じるからと敬遠されがちですが、私には何かと縁のある数字で幸せの「し」と思ってます。
背景のひまわり畑、帰省時にローカル線の車窓から見てました。去年は見られず今年も見逃しそう。
オリンピックのいいニュースに元気をもらう中、ふと思います。
自分が取り組んでいることが支持されなかったり、批判や非難を受けたりする
そんな時どうやって逆風を乗り切るか、どのようにして心身を保ち続けるか。
コロナ医療で孤軍奮闘を続けておられる長尾先生と、複雑な時を経てあの場に立つオリンピック選手
戦う場は違うけど、どこか重なって見えます。先生、今日も応援してますよ!
Posted by taco at 2021年07月27日 06:48 | 返信
初めて長尾クリニックさんに伺いました。
コロナの自費検査で。
夫の会社で陽性者がでましたが、夫も他の社員も、
保健所の濃厚接触者の基準、2日前までに接触した人に
当てはまりませんでした。4連休でしたからー!!←おかしくないですか??
毎日、、机並べて接触しているのに、です。
結局、市販キットで、社員は検査したとのこと。でも、、その家族は??
家庭内感染しませんか?
という不安から、私は自費での検査をできるクリニックを探しました。
なかなか、ないですねー!
近所のクリニックは検査どころか発熱も診てもらえません。
コロナ騒動が始まり、何回も波がきて、毎度、毎度の同じ繰り返し。
いまだに、無料で誰でも検査できる体制がありません。
こんなことだから、いつまでも隠れ陽性者は野放し状態。
保健所の濃厚接触者の基準は、陽性者を本気で隔離する気がないと思いました。
初めての投稿で、愚痴り申し訳ありません。
長尾クリニックさんのように、発熱外来や検査を受ける事のできる町のクリニックが
増えて欲しい。
かかりつけで内服薬でコロナ治療できる日が、早く来ますように。
Posted by はるさん at 2021年07月27日 08:21 | 返信
先生、知っていますよね夕方のニュース、この国の総理は人流は減っていると、中止は無いと。もう少しちゃんと考えられるお人かと思っていました。国民を守ろうなんて一ミリも考えていない、トランプさんやったらどうなんやろと考えてしまいます。
誰かが・・この総理にいい眼医者を教えたってと言っていました、少しわらいました、しっかり目を開いて世の中を見て欲しい。早く選挙ですね記憶が薄れないうちに。と、ぼやく私を見て娘が観て・・口が悪いよと言いながら・・今の日本の政治は嫌い早く選挙やっツて欲しいと言っています。オリンピックも乗馬とか射撃とかも放送してよと、これも又ボヤいています。
Posted by 長尾先生大好き。 at 2021年07月27日 08:42 | 返信
とにかく、睡眠不足の人は、だれであれ、外国製のワクチンは打つべきではないと思います。
今年の12月くらいに、国産ワクチンができると言うので、それを待つべきと思います。
厚労省の発表で、751人死亡ですからね。
Posted by にゃんにゃん at 2021年07月28日 03:45 | 返信
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