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末期がんの妻を夫が看取る

2022年06月12日(日)

妻が夫を看取ることはよくあること。

しかし夫が妻を看取ることは稀かも。

それができるかどうかは、・・・

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以下、昨日配信された「まぐまぐのメルマガ」

のなかの、Q&Aコーナーから転載します。





【質問】

~末期がんの妻......在宅で看取れるか不安です~


初めてこちらの質問を致します。


昨年春に乳がんステージ4,今、肺と脳転移で末期がんとなった妻が 病院でなく自宅で死にたいと言っています。 妻はまだ50代半ば。私も50代です。徐々に食べられなくなり痩せてしまった妻ですが、 今もまだ、妻が死ぬなんて想像できないです。 どんな姿になってもかまわない、延命治療で生きられるのならばどんな治療でもやってほしい とつい思ってしまうのですが、妻は、「延命治療をせずに自宅であなたに看取ってほしい」と。


妻が死ぬことを想像するだけで、毎日気が狂いそうになります。 眠っている妻が息をしているかどうか、毎晩泣きながら確かめています。 そんなに愛妻家だったわけではないからこそ、よけいに今、悔いています。 妻が死について僕に話そうとするだけで、僕のほうが泣いてしまい、あまり会話になりません。


子どもはいません。近くに住む、妻の母(80歳)が、今は毎日来て世話をしてくれています。 先月、在宅医療をお願いしました。なんでも相談してくださいと主治医の先生は言ってくださいますが 何を相談していいのかもわかりません。 先生、男は無力です。「頑張って」と妻に長尾先生の本を渡されたのでこうしてメールしているわけですが、 どうしても受け入れられません。


本当に、世の夫は、妻を自宅で看取っているのですか? そんなに強い男がいるのですか? 僕はただ、毎日狼狽えています。その日を迎えたくなくない。その日を考えたくない。 僕はどうすればいいでしょうか?





【長尾のお答え】


貴方のような男性が普通です。たぶん、小林真央さんの旦那さんの海老蔵さんもそうだったのではないか。 妻が夫を介護することが多い中、夫が妻を介護する場面は前者よりはずっと少ないです。しかし、一定数おられるし、看取りまでされているのが現実です。 介護者が男性の場合、想いが強すぎたり、妻や母親をまるで自分の従属物のように扱ってしまうケースが稀にあります。あくまで自然体で奥さんの在宅介護に向き合ってください。


在宅主治医に介護の相談をしてもいい回答が得られることは少ないでしょう。在宅療養に必要なものは、医師よりも断然、訪問看護師です。末期がんの場合、通常、訪問看護師が週に3~7回訪問します。広範な皮膚転移がある場合は、3人が1日3回、つまり延べ9人が訪問するようなケースもあります。 介護の不安は、死の恐怖の前に、皮膚病変の管理や食事介助や排泄の支援など、日常生活における支援の不安が大きいかと思います。


訪問看護師の助言を得て、一緒にやりながら介護のコツを習得して下さい。末期がんの訪問看護はすべて医療保険が適応されます。 家に沢山の医療従事者が来るとなれば医療費が心配でしょうが、大丈夫です。高齢者の場合は1万円台ですが、3割負担の現役世代は1ケ月の医療費が約8万円を超えた場合は後で返ってくるので、実質、約8万円程度です。国は在宅看取りを推進しているので自己負担額の上限が定められています。


奥様は介護認定をもらえます。まずは市役所に介護申請をして下さい。おそらく要介護1~3でしょうか。介護保険を使って訪問介護や訪問リハビリなどを上手に利用することも大切です。転倒予防のために、介護ベッドや手すりなども整備して下さい。 大切なことは、一人で抱え込まず、医療保険や介護保険のサービスを上手に利用することです。そのためにはケアマネさん選びや、主治医とケアマネの連携も大切です。おそらく、数種類の資格を持つプロが在宅療養に関わることになります。


担当する多職種が決まったら、ケアマネに頼んで「ケア会議」を開催してもらいましょう。そこで療養方針の希望らケアプランの確認などを行います。それに続いて、緩和ケアは十分か、最期はどこで迎えるのかに関する話しあいも行います。つまり在宅看取りも視野に入れるのかどうか、今回のご質問について話し合います。こんな対話を繰り返すことを「人生会議」と言います。 末期がんの方の「ケア会議」の半分は、「人生会議」に費やすべきです。


こうしたプロセスを繰り返すことが重要です。コロナ禍や予定がつかないなどの理由で自宅に来られないスタッフは、オンラインで参加してもらいます。しかし残念ですが、こんな常識を勉強していないケアマネもいるので気をつけて下さい。医師や看護師だけでなく、ケアマネもいつでも何度でもチェンジが可能です。我慢は禁物です。 ケア会議の場などで、是非、自由に素朴な質問や希望をぶつけてみて下さい。もちろん、本人のお気持ち、本音を上手に聞いて下さい。言葉が少ない時は、上手に聞きだす努力をしてみて下さい。少し技術が要るかもしれません。


時には、本人と想いと夫の想いと主治医の想いと訪問看護師の想いがバラバラのことがあります。いや、バラバラであることがほとんどです。その「バラバラである」という現状を皆で共有しておくことが大切です。 何度も対話を繰り返すうちに何が最善なのか、どうすれば本人もあなたも満足できるのか、おおよその道筋が見えてくるでしょう。


在宅看取りとは、このようなプロセスの先にある「結果」にすぎません。在宅看取りをすると決まったら、イザという時の具体的なシュミレーションを本人が居ない部屋や屋外などで行って下さい。 夜中に気が付いたら息が止まっていたらどうするのか、どこに電話をするのか、医師や看護師は本当に来てくれるのかなど、素朴な疑問をぶつけてください。


僕の場合は、その後のこと、葬儀屋さんの選定まで話し合っています。思わず、泣いてしまうかもしれません。でも縁起の悪い事を思い切って口に出して相談しておくことで、今抱えておられる漠然とした不安は確実に軽減していきます。こんなプロセスのことを「予期的悲嘆」と呼びます。 一般に末期がんの平均在宅期間は1ケ月半です。介護休暇をとるのは、最期の1~2週間で充分です。


しかし乳がんの在宅期間は例外的に長く、「末期がんです」と言われてから3~6ケ月生きることがあります。他の末期がんよりも経過が緩やかなのです。やや長期戦になることがままあるので、主治医に予後を聞いて介護休暇の取り方を考えて下さい。 もし主治医が「月単位」と言えば余命3~6ケ月、「週単位」と言えば、余命1~2ケ月、「日にち単位」と言えば余命1~2週間なので介護休暇を取得して下さい。ずっと家に居ることができないならば、家の鍵のコピーを医療や介護スタッフに渡すこともよくあります。


正直、貴方のような状況に置かれた場合、どれくらいの夫が妻を家で看取るのか正確な数字は分かりません。私自身の経験では、看取る夫は半数以下、どちらかというと少数派だと思います。しかし、終末期医療における価値観は実に多様です。在宅で夫が奥さんを看取るケースはいくらでもあります。皆さん「初めての経験なので」と言われますが、全員が初体験です。何度も体験する人はいません。だから在宅医療のプロを頼って下さい。


以上を参考にして、是非、後悔のない選択をして下さい。

私からのラストメッセージは、海老蔵さんの奥さんである小林麻央の在宅看取りのエピソードです。最期の日まで食べて、話して、自然な最期、つまり平穏死・尊厳死を見守りました。その後ろには訪問看護師さんの支えがあったことは記事には載っていませんが、間違いありません。ネット記事で麻央さんの闘病の経過を振り返り、是非、参考にしてください。



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今夜は、岡山県のお医者さまに「尊厳死と安楽死の間」の講演をした。


リアル懇親会もあって、久々にコロナ前のことを思い出してきました。





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この記事へのコメント

こんにちは。

 私が祖母の介護を手伝っていたときのこと。
よく笑って、食が細いにもかかわらず食べて
くれました。他の人だと食べないなんて聞く
こともありました。

 介護の専門的なことはプロに任せて、お金も
行政の補助を受けて、あとは旦那さんしかでき
ないことを頑張って欲しいと思います。
 余命があるうちに、お二人で楽しむこと。
一緒にいられてよかったなぁ。そう思っていた
だきたいです。
 輪廻の話で、奥さまが、さ迷われないように。

では。

Posted by たまねこ53号 at 2022年06月12日 06:49 | 返信

長尾先生、コロナ前の事を思い出されて、良かったです
次はニコ動の

「ネクタイが取れる日」

が、早く来て欲しいと願っています
でも、ウクライナとロシアの事がTVで流れる度に、長尾先生のネクタイは取れないなぁ~って、思っています
話は飛ぶかもしれけど、チキンジョージの長尾先生の「勝手にコロナ明け宣言」にワクチン症候群の方がみえて

「ショック療法で症状が改善」

出来たら、面白いと思います(長尾先生もニコ動で言ってみえたしね)
でも、あながち、冗談みたいな事が本当に起こるかもしれけど
だって、

「笑う門には福来る」の、意味には

「悲しい事や苦しい事があっても、希望を失わず郎らかに生きていれば幸せが訪れる」(ネット調べ)

と、いうこともあるしね
また、人って本当に不思議で「奇跡」みたいな事が本当に起こる
それに関したは長尾先生は良く知っているし、経験も豊富だと思います
そういえば、蛭子さんの書かれた長尾先生の似顔絵(長尾和宏オフィシャルサイト→メディア→新聞・雑誌等→似顔絵 蛭子能収さんより)を最初に見た時、固まった
でも、まぐまぐのメルマガ【痛くない死に方 2022年第23号】で納得
蛭子さんは前衛的な絵も描かれる事を知り、芸術家だったことを知り、驚き!(私はTVしか蛭子さんを知らない)
話は変わるけど、60代と思えないほど元気な長尾先生のクリニックでのスケジュールが、7月から変わるのを見て、

今度は何を企んでいる(笑)

と、勝手な想像
いつまでも、元気で長尾先生らしく生き抜いて欲しいです
だって、折角、この世に生を受けたのなら、心臓が止まるまで、その人らしく生き抜いて欲しい、最後まで、笑っていて欲しい
多分、これが一番難しいと思う
でも、笑って死ねぬのなら、周りの人達もきっと、笑っていられると思う
確かに大切な人との別れは悲しいし事の方が多いけど、それを、いつまでも引きずっていると、人は何処か変になると思う

出逢いの数だけ、別れはある

当たり前の事だと思う
でも、別れは次の出逢いを連れて来ると思う

Posted by ナオミ at 2022年06月12日 06:53 | 返信

おはようございます。
コロナチャンネル#763拝見しました。
いつもありがとうございます。

アホちゃうか 何を今さら 全国紙
コロナ死の 97パー 高齢者
真実を 誰も言わずに 三年目

ほんとこの騒動いつまで続けるのか・・・

昨日のブログにもあったように国家レベルの戦争犯罪なんですね・・・
自衛するしかないですね。
またあるかもしれないインフォデミックにも粛々と備えておきます。

Posted by 穂高 at 2022年06月12日 07:22 | 返信

長尾先生 おはようございます
家族が苦しんでる姿を
最期まで、看取るなんて
私も出来ない…。
父の最期は海にでも
溺れてるかのように、苦しみもが
いて私は手を握ってあげるどころか
神社に走り込み
祈ることに、逃げてしまった…
亡くなる直前に、看護師から電話があり
早く戻って来てください!と言われる始末
やはり、家族に辛い想いをさせたく無い
病院で最期を迎えるか 
私も子供が居ないので 一人で
孤独死かな
それでいいと思ってます

Posted by 匿名 at 2022年06月12日 08:16 | 返信

私が乳がんの手術をしてから 今年で 13年目になります。これまでに 数人のがん友が 亡くなりました。
がん友は 心強い仲間である反面、いつか 別れが来ることを お互いに 嫌でも自覚しなければならない複雑な友人関係です。
連絡を取ることすら 臆病になってしまいます。

去年 亡くなった友人の お焼香に伺いました。
愛妻家な ご主人は 最後まで1人で 奥様を在宅で看取りました。
寂しい寂しいと 泣きながら奥様との 思い出話を してくれました。
初めて ご主人に お会いしたのですが こんなにも 愛妻家の方だったのかと 彼女は 本当に幸せだったんだなぁと 思いました。
遺影の彼女は 生前のまま 屈託のない満面の笑みでした。

先日一周忌だったので お花を贈ると お礼にお電話を頂き
また電話口で 泣いていらっしゃいました。
一人暮らしの ご主人が小さく 今にも 壊れてしまいそうで 電話を切った後も 心配が残りました。

私の父も 母を在宅で看取りました。(当時40代)
幼い子供たちを残され 何度も一家心中しようと思った と 大人になってから よく聞かされました。

父は 先生と同じく 歌を歌うのが好きな人でした。家族の団欒でも 親戚の宴でも 必ず歌を披露する人でした。

母の葬儀の日 親族だけが 残った通夜の席。お酒の入った父は
「浪曲子守唄」を 震える声を張り上げ 頬に涙をつたいながら歌いました。

それを聞いていた 私の隣に座る叔母(父の姉) が
「強がるな やめろ」と涙を拭いながら 小さく呟いたのが 耳に残っています。

Posted by あずき at 2022年06月12日 08:16 | 返信

陰ながら応援しております。
声を上げない多くの人々も、長尾先生を応援していると思います。
無理だけはされないように、お体に気を付けながら、自信をもって進んでくださると嬉しいです。

Posted by 匿名 at 2022年06月12日 12:11 | 返信

先生 今日は。
この旦那様の気持ちわかります50代まだこれからですもの、癌てわかってせめて余命10年準備期間が欲しい‥行く方にも残される方にもその間も何も苦しもことなく普通の生活が出来よなら・・。
まぐまぐ 、知っててよかったですね長尾先生からわかりやすく教えをことが出来たのですからね。

先生 今朝血圧のお薬を二日分飲んでしまいました1時間ぐらいは時間差はあったのですがシンクに行くとお皿とシンクの横にお薬のプラが残ってて・・すぐに病院に連絡血圧を測りながら様子見です・・飲んでしまったものは仕方がないとのこと‥こんなことが無いようにプラは夕方まで残しているのですが・・疲れていてやっツてしまいました。
妹と一睡もせずお喋りをしていましたから 金沢からの帰りおにぎりを食べてから京都まで爆睡、昨夜もバッタンキュ―でした。義理の弟は医師からマスク二重を命じられていました。
知っかりしなくてはです。後今月は先生のライブです。

Posted by 長尾先生大好き at 2022年06月12日 01:11 | 返信

敬愛する長尾先生
末期癌在宅医療の一連の流れがわかる例をありがとうございます。自分がこのご主人様だったとしたら同じこと思ってたはずです。夫が妻を看取るって凄く切ないなぁ。にしても、在宅医療プロの長尾先生のアドバイス見てると、不安が軽減しますね。全体像が見える親切かつ的確なアドバイスで心強く感じます。きっとこのご主人様も心構えができたのではないでしょうか。奥様が長尾先生の本をおもちだったのも良かったですね。鍵は訪問看護師さんなんですねー。先生のプロフェッショナルな専門分野を垣間見れました。いつも、コロナ、ワクチンって思いがちでしたが、、先生は地域包括ケアにおいてほんとに偉大な部分を担っておられるお医者様なんだよなぁと改めて尊敬いたします。このような実際的な例を紹介してくださりありがとうございます!岡山懇親会も満喫とのことで良き良き!
まぐまぐ内容濃イイナ〜エイエイオー!

Posted by ぽん吉 at 2022年06月12日 01:51 | 返信

先生はすごいです。この男性の不安を丸ごと受け止め、介護サービス利用の方法からケアマネ選び、余命宣告のリアル、人生会議、更にはかかる費用の事まで細かく的確にご助言されています。それができるのは、在宅医としての豊富なご経験を通して、介護者である患者の配偶者の心境について知り尽くしておられるからでしょう。ここまで出来る医師を私はどこにも見たことがありません。
漠然とした不安は具体的な不安よりもずっと大きな恐怖を伴うものですよね。先生は不安の正体について一つ一つ丁寧に解き明かされ、解決策を示されています。後はこの方がご自身でどう取り組まれるかですが、ご相談前のような恐怖を伴う漠然とした、得体の知れないような不安はかなり減ったのではないかと思います。ケアマネさん、看護師さんといったプロの方々の力を借りながら、奥様と大切なお話ができるような落ち着きと強さを身に付けられます事を祈ります。また家族を看取られた経験のある方々で立ち上げられたネットワークと繫がる機会なども助けになるのでは、と思いました。

Posted by Yoko Oda Thapa at 2022年06月12日 01:58 | 返信

今調べたら4人に1人は癌で亡くなるとありました。
ということは単純に言うと夫婦2組に1組はこのような看取りとなるんですかね。
でもアラ喜寿ですがそういう現実に実感が湧きません。
参考になる記事でした。

Posted by ボッケニャンドリ at 2022年06月12日 02:27 | 返信

50代で奥様をがんで亡くされた知り合いを思い出しました。
その方は、緩和ケア病棟の医師のアドバイスをもらいながら、最期はご自宅で看取られました。大変なこともあったそうですが、自宅で一緒に過ごすことができて良かったとおっしゃっていました。その方は仕事は、そこまで病状が大変でない時は、職場の雇用形態を変えてもらい、週3日の勤務、ご自宅でずっと世話をする前には退職されました。副収入がある人だったので仕事は辞めましたが、普通の人なら休職になると思います。

私の友人も、その人からの情報を伝えて、緩和ケア病棟の同じ医師にお世話になりました。短期の入院をしてた時にお見舞いに行ってことがあります。友人が過ごしていた病院のリビングは広々として居心地は悪くないのですが、その人曰く他の人は病状が悪すぎて病室から一歩も出られないと言っててなんだか寂しそうでした。結局ご家族で在宅で世話をすることにしました。長尾先生が書かれた通り、訪問看護師さんのはとてもお世話になったそうです。自宅で過ごすことに決めても、具合が悪くなった時にはその病院にすぐ入院することは可能で心強いことでした。
誰もがそういう病院が近くにはないかもしれませんが、自宅がメインでいざとなれば緩和病院に短期入院というtwo way の方式は悪くないと思いました。担当医はお見舞いの時に会いましたがユーモアがあり明るい感じの先生でした。やはり在宅というと家族の負担もあるので、負担を軽くする方法があると良いです。
亡くなる1ヶ月前から自宅でずっと過ごすことができ、当時まだ大学生だった娘さんは、その病院を教えてもらって良かったと言ってました。
がんで50代の配偶者や親を看取ることは辛いことです。少しでもご家族が「本人がこのように過ごせて良かった」と思うことができることが、せめてものことだと思いました。

Posted by じゅん at 2022年06月12日 03:29 | 返信

長尾先生こんばんは
今日の先生のブログ、
なんで先生ってこんなに素晴らしい回答ができるのかな、
ってびっくりしてしまいます。
ご相談された方も、
まずは市役所だな、とか、訪問看護師さんが頼りなんだな、とか、
だいぶもやもやが軽減されたのではないでしょうか
私は医療とかけ離れたところにいるからか、
相談されている方の不安な気持ちにシンパシーを感じながら読んでいて、
私が相談してこんな回答もらったら、泣くなぁ…って思いました。
一人じゃないんだ、って思ってくれてたらいいですね
家族が病気になられておつらいと思いますが、
少しでもお二人で豊かな時間を過ごせるよう祈っています

話は変わりますが、
なんだかすごい規模で世界中おかしなことばかり起きているなぁ…
と感じています。
世界中で経済が破壊され、
病気の人が増え、
小麦の育つところで戦争や災害があり、
ニュースは入ってくるけど実感がないから余計気持ち悪いです。
先生、静かに自衛は大切ですね
いつもありがとうございます♪

Posted by こやま at 2022年06月12日 09:01 | 返信

6月12日 フォーブスジャパン
胎内での新型コロナへの曝露、脳の発達に影響か 研究結果

胎内で新型コロナウイルスに曝露していた場合、乳児(生後12カ月まで)が神経発達症(発達障害)と診断される可能性が高まるようだとする研究結果が発表された。妊娠中のワクチン接種の有効性はすでにこれまでの複数の研究によって指摘されているが、改めてその重要性を示すものといえそうだ。

神経発達症には、自閉症、双極性障害、統合失調症、学習障害、脳性麻痺など、脳や神経系の発達に関連する疾患が含まれる。研究チームによると、胎内で新型コロナウイルスに曝露した乳児が発話能力や言語・運動機能の問題に関連する神経発達症と診断される確率は、大幅に高まっていた。
(後略)

この記事を読むと、コロナ禍が始まってから(ワクチンが行き渡らなかった時期も含む)母親の体内に宿った子供は母親がコロナ感染した場合、神経発達症の可能性があることになる。これは母親が不顕性感染した場合も含まれるだろう。

例えば、子どもの言葉が発達しないのは、周囲の大人達のマスク着用のせいではなく胎内でのウィルス曝露だった、と言うことができるのかもしれない。
新コロウィルスに責任を追求することはできないので、発達障害の乳幼児を抱える親御さんはただ不運だった、と嘆くしかないのだろう。

有名人の妊娠や出産というおめでたいニュースが多い昨今だけれど、このような発達障害についてのニュースが出されると、素直におめでとうと言えなくなってしまう。どうか生まれてきた子ども達そしてこれから生まれてくる赤ちゃん達が健やかで幸せに生きていけますように。

Posted by 字数制限はツライよ at 2022年06月12日 09:33 | 返信

長尾先生、いつも本当にありがとうございます!

我が家はまさに、肺がんステージ4の私55歳を、自宅で夫57歳に看取ってもらいたいと考えています。
高齢の両親は健在で、子供はいません。

今のところ2年間、仙骨に骨転移のみで片足が少し不自由なだけで、他は以前と変わりなく生活しています。
コロナ禍も長尾先生や宮沢孝幸先生のお蔭で、がん患者であっても通院等も何も恐れる事はなく、
最近は屋外でのマスクなし運動⁉︎を精力的に行っているほど、毎日健やかです。

メルマガも拝読していますが、ご著書でも勉強させて頂いています。
今日の内容は大変具体的で、家族にはもちろん、親族一同に知っておいてもらおうと思い、
早速プリントアウトさせて頂きました。

と思いましたが、いざ話すとなると意外に話せないものです…
私のために転勤希望を出し尼崎に転居して、
長尾先生に診て頂く事まで提案してくれる優しい夫にさえ話しづらかった…
長尾先生の文章をさりげなく見せることにしました。

ご質問の男性のように、特に昭和育ちの私達中年世代は
親も高齢で、自分達自身も身体の不具合が出てきて思うように動けず、
あたふたするばかりで不器用に振る舞ってしまうかもしれません。
でも大切な人を看取るなんて慣れている人はいないし、とことん話し合ってプロに頼ってみる、、、
先生の温かいお声で、背中を支え応援されている気分です。

私自身は胃癌乳癌を乗り越えて病名にも慣れているせいか
家族の心の大変さを慮る事に欠けている自分を自覚しており、
毎日あっけらかんと、笑顔でいる事だけしか出来なくて、
しっかりと自分の意向を伝えて話し合えていない事に気付きました。
ご質問者の男性にも感謝しています。

長尾先生の来年のお誕生日の後の事が気になって仕方ありません…
長尾先生!皆のお願いです!
どうぞ今まで通り、町のお医者さんとして、日本のお医者さんとして、市民国民のために
まだまだ長尾クリニックの先生でいらして下さい!
実際に先生に救われている人が日本中に世界中にいるのですから、発信も続けて下さい!

結局、長尾先生に頼ってお願いばかりしてしまうのですが、
長尾先生ファンの一人として先生のお邪魔をする事なく、
遠くからでも応援ビームを送り、自分達の出来る事を毎日頑張りますので、
皆のお医者さんとして、皆の長尾先生でいらして下さいませ!

失礼ながら長尾先生の伊勢佐木町ブルースとブルーライト横浜を聴かないと
安心してあの世に逝けない私より

Posted by ブルーライト横浜 at 2022年06月13日 02:18 | 返信

こんにちは。
子育てに共に関わった夫婦は、親の介護が出来、それが出来た夫婦は、お互いの介護が出来るのだと思います。
自分は、誰も知らない、誰にも見つからない場所に行きたいな。
富士の樹海に行く人の気持ちが、解る様な気がします。

Posted by 三毛猫 at 2022年06月13日 01:43 | 返信

長尾先生、お疲れ様です。


在宅介護と看取りで、男女差があるのが当たり前といえば、そうなのでしょう。むしろ自分の事として医療と介護が降りかかって初めて、逃げられない…と分かったというか。妻としては自分のことでいっぱいだろうし、在宅チームと母に任せて、夫にもう構ってあげられないというか…でも、男女問わず初めての事は大変だと思います(笑)


こどもも、男女差は2〜3歳からあります。性格の差とは別に。初心の頃は全く何も考えていなかったけれど、男の子は「褒められたがり」で女の子は「教えたがり」です。
だから格好悪いことに傷つくのは男の子で、出来ないことに傷つくのは女の子です。
援助が必要な子たちは、平均よりも出来ない体験が多く「激しく」が引っ付いて傷つくので、アプローチに工夫します。ただ、どちらかといえば心配なのは女の子の方で、かなり心を配ります。男の子は、うーん(笑)。あと両方持ってる子もいますね。

療育でも大部分がママで占められていますが、パパの姿も普通に見かけるし(年代は若い人が多い。でも関係ない男性は関係ない)、お兄ちゃんタイプの人は熱心で、男女差もあまり関係が無いと感じます。


病院って、家庭での男女差の役割も分け隔てていた部分があったのかな?
お家に帰ることで、立場や役割が等しく訪れるのも、面白いですね。
でも一緒に参加してくれる事が、旅立つ方への一番の慰めになるのだと思います。


丁寧で詳しいお話しを、ありがとうございました。

今日も、お疲れ様でした(リハーサルも)
私は、上手に歌える様に期待します♪ フフフ

Posted by 白夢 at 2022年06月16日 11:59 | 返信

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