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限界を受け入れる

2023年12月14日(木)

四苦八苦はあるけれど、

限界を受け入れて生きる。

山田太一さんはそう語った。

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脚本家・山田太一さん 

人間の四苦八苦から目をそらさず作品描き...

「生きていくということは限界を受け入れること」

夕刊フジ  長尾和宏  12月12日    →こちら



部活とアルバイトに明け暮れた青春時代、ときどき見ていたテレビドラマで一番印象に残っているのは、1977年に放映された『岸辺のアルバム』(TBS)です。 1974年の台風16号で実際に起こった多摩川水害を題材にした衝撃的なこの作品。


しかし、濁流で家屋が崩壊する前に、家庭が内から崩壊していくさまを描いており毎回胸がざわつきました。 それまで清純派女優の代名詞だった八千草薫さんが不倫相手とラブホテルに入るシーンは半世紀経った今も脳裏に焼き付いています。  


あのドラマで浮彫りにされたのはまさに「家族」という病。ありふれたホームドラマで描かれていたような幸福な家庭など本当は実在しないと教えてくれたのが、この人だったのかもしれません。  


この『岸辺のアルバム』のほか、サザンオールスターズのナンバーを散りばめた苦々しい青春群像劇『ふぞろいの林檎たち』など数々の名作ドラマを手掛けた脚本家の山田太一さんが、11月29日に川崎市内の施設で死去されました。享年89。死因は老衰との発表です。


山田さんは2017年1月に自宅で脳出血で倒れ救急搬送。そこから執筆活動は困難になりました。同年の週刊ポストのインタビューでは、ご自身の闘病生活についてこんなふうに語っています。少し長い引用ですが紹介します。



「人生は自分の意思でどうにかなることは少ないと、つくづく思います。生も、老いも。そもそも人は、生まれたときからひとりひとり違う限界を抱えている。性別も親も容姿も、それに生まれてくる時代も選ぶことができません。  生きていくということは限界を受け入れることであり、諦めを知ることでもあると思います。 でも、それはネガティブなことではありません。諦めるということは、自分が"明らかになる"ことでもあります。良いことも悪いことも引き受けてその限界の中で、どう生きていくかが大切なのだと思います」



仏教用語である「生老病死」という言葉は、皆さんも日常的に使うことがあるでしょう。では同じく仏教用語の「四苦八苦」の意味は知っていますか? 「四苦」というのは、人間誰もが逃れられない苦しみ、すなわち「生老病死」です。


そこにさらに四つの苦しみ――「愛別離苦」(愛する人との別れる苦しみ)、「怨憎会苦」(怨み憎しみをもつ人と出会わねばならぬ苦しみ)、「求不得苦」(どんなに求めても手に入らない苦しみ)、「五蘊盛苦」(心も体も自分の思い通りにはいかない苦しみ)が足されて、「四苦八苦」となります。  


山田さんは人間の四苦八苦から目をそらさず作品を描き続けました。それでも生きていかねばならぬことも、教えてくれました。




ーーーーーーーーーーー


いつかそんな境地になれたらいいな。


僕は一生、未熟者で終わるのだろう。


愚か者、かな。





PS)

今日は親父の命日だ。


首つって死んでいるのを誰かに発見された日。


たぶん。


墓にそう掘ったので間違いないだろう。


僕と対面したのは、その数日後だったけど。


今夜とは違って、寒い夜だった。


京都の警察署の屋外の掃除道具置き場のような小さな物置。


その日から、「死」を意識するようになった夜。


48年前の今夜。






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この記事へのコメント

今晩は。
母の命日、その夜は、星が輝かず、世界中の花は、枯れ、鳥も鳴かない。
全てがひっそりと静まり返り、笑い声も聞こえない。
世界が終わり、明日、朝日が昇る様には、思えない。
妹は、その日一日中泣いて過ごしていた。
今は、妹も母の元へ逝ってしまった。
年に2つの命日、それに愛猫の命日が加わった。
長尾先生は、お父上の命日をどの様な気持ちで過ごされているのか⁉︎
慰めの言葉さえも思いつかない。
きっと、夜の河の様に、哀しみは、止めようが無いと想うから。

Posted by 三毛猫 at 2023年12月13日 11:26 | 返信

脚本家の方と、お父様のお悔みを申し上げます。適切な言葉がみつかりません。
ただ先生が仏様とご縁があるのが解るような気がします。
近年、若い世代とイノベーションに注目してるせいか、「無限の可能性、限界を超えろ」系の
文言が多い中、寂しいが「限界を受け入れる」って、あるがまま。
無理なく落ち着く響きも感じます。ワクワクより、しみじみ…。
私も執着も煩悩も全く捨てられません。「愛別離苦」の悲しみは薄れましたが、個人の誰かにというより理不尽な色々にですが「怨憎会苦」こっちが強いのか最近よく1人で怒ってます。
さださんの防人の歌が、四苦八苦歌ってたと思います。四苦八苦。
9の不思議な数の性質から除夜の鐘の108、煩悩の数がでるのです。年末年始は鐘つきにいかないとと思います。9の倍数はかけて足すと9になる数字。
4*9=36。3+6=9。8*9=72。7+2=9。36と72を足したら煩悩108。煩悩の苦ばかり。
執着消せませんが四諦の解説とか見たことはあります。愚か者って大人な歌だと思います。
愚か者でよくないでしょうか。先生が未熟者だなんて…と思いますが「伸びしろ」まだまだ感じるから未熟者もいいかもしれません。

Posted by 心の中の応援者 at 2023年12月14日 01:05 | 返信

「四苦八苦」の「苦」の意味を「くるしい」と理解している人が中韓日では大半です。
仏陀(これじたいブッダの音訳)が使用したサンスクリット語「ドゥフカ」が漢訳される際、その意味を意訳せず音訳として「苦」を当てはめたからだと聞きました。有名な『般若心経』でも、「パーニャー」(智慧)を音訳して「般若」と漢訳されたようなもの。日本人も「はんにゃー」と発音するだけで誤魔化して、「はんにゃー」の意味などスルーして平気。

韓と倭の両国は口語はあるものの文字がなく、もっぱら漢字をそのまま借用して、韓半島では「吏読」(りとう)、倭では「万葉仮名」を発明してきました。漢訳・呉訳の仏典がそのまま古代日本に入ってくれば、「苦」を「くるしい」と解釈するほかありません。
近代日本でサンスリット語経・パーリ語経・チベット語経の仏典を理解した人が、その真意をあらわす和語を創出できていれば、今日私たちがこんなに理解に「苦しむ」ことがなかったことでしょう。

「ドゥフカ」とは、「くるしい」のではなく「逃れられない」という意味なのです。生も老も病も死も逃れられないからこそ、生も老も病も死も「楽しんでもかいい」ではありませんか。「産声を高らかにあげ・安らかに自然に還る」もよし。空海なら『理趣経』をそのような生命讃歌・人間讃歌としてとらえていたかもしれません。
「苦しい解釈は止めましょう」(ショウヘイ!)

かつてユダヤ教・キリスト教・イスラム教が共存していた「パレスチナ」。虐殺・殲滅される子どもたちの阿鼻叫喚!。
おなじ星に生まれたはずの、見て見ぬ振りして止まないコメンターたち!

Posted by 匿名でごめん at 2023年12月14日 01:13 | 返信

御父様の祥月命日
心より、ご冥福を御祈り申し上げます。
自ら仏になられた、お父様のお話し。
先生の心の叫びが文字から伝わり、お聞かせて頂く度に
辛く、悲しく.....。しかし、今を生きる事を選び続け
長尾先生のファン歴7年となることが出来ております。
本当に沢山の事を学ばせて頂きました。
先生のご発信にどれだけ助けられ、生きて来られたか。
改めまして感謝しか、ございません。
親の『生』の最後を、自身が仏になるその日まで背負い、
向き合わねばなりません。ある日突然自ら仏になった親。
先生と同じ思いを背負って生きて生かされている身。
祥月命日が近づく度に、未だあらゆる感情が入り乱れます。
何かに、押し潰されぬ様に必死に生きる事を選び生きております。
他人事が私事と重なり、今日は山田太一さんの残された言葉に触れ
る事が出来、少しずつ何かが府に落ち初めた様に感じられました。
長尾先生、今日もご発信をありがとうございます。

Posted by 轟 瞳 at 2023年12月14日 02:18 | 返信

かずくん、おはようございます。


一気に飛びました(笑)
途中で書きたい内容もあるので、また戻ってコメントする事もあるかも知れません。


私の現在の限界は、体力が無い事に尽きていて、やりたいことの1/10も出来ていない感覚があるけれど、それは誰も一緒なのかな…とも思います。時間よりも、体力が無いし頭が疲れているので、休ませるのも悩む(笑)
一番疲れているのは車の運転かな…、と感じています。
普通の楽しいドライブではなくて、満員電車(体験した事はありません)の様な渋滞道路(笑)。。それでよく考えたら、毎日2時間前後は時間を使っているかな。
もちろん音楽を聴いたり、Xスペースも聴いたりと耳は使えるのだけど、運転自体に気を使うので多分疲れが倍になっていそう。車も自動安全装置をつけて、追突防止をしています。
実は2回ほどぶつかりそうになって、装置が作動して大丈夫でした。2回とも一度大渋滞で止まって待機していた時に気が逸れて前に進んでしまった。だからそこまで大事故にはならないのだけど、「気を使いながら待ち続ける」って物凄い神経使うのかな〜、なんて思っています。
ちょっと対策中ですが、電車は乗れば後はお任せで羨ましい気持ちもあります(笑)


私の父は、すごく家の中では存在感があって(外でもあったのだろうけど)、実は小さな頃から「早くいなくなればいいのに!」と心底思っていました…。そういう人程元気でそんな気配もない(笑)
もう存在感強すぎて、ちょっとした事でも干渉が始まって火が燃え広がる様に大騒ぎになるものだから、いつも自自分を消して、無駄な争いを避けて無駄な時間を取られない様にと過ごして来たけれど、でも一番辛かったのは頭の中で父親のことで悩まされて、「自分自身のことが考えられなかった」ことが何よりも本当に悔しかった。
PTSDって要するにそういうことなのだと思います。


それはどんな暴力よりも許せ無いかなぁ…、なんていうのが経験的にあって今の仕事でも繋がっている気がするけれど、その悔しさもまた一つの価値観なのかも知れません。(父自身はとっくの昔に許しているし、退職して穏やかになって孫の面倒を見始めて、やっと…と思い始めた矢先に突然亡くなったので、最後まで見事に本人ペース笑)

私は自死家族の当事者では無いので、辛さは本当の意味で分からないとは自覚しているけれど、「自分の時間を生きて欲しい」とだけ長い目で見て、誰に対しても他の事情に対しても、強く感じてしまうと思っています。

あまりにも小さい頃から縛られていたので、非常〜に諦めの悪い性格が形成されてしまったみたいなんですね(笑)


まめにコメント出来なくてごめんなさい。
朝も慌てて書いているので(吹)、また改めますね。

今日も、応援しています。

Posted by 白夢 at 2023年12月14日 06:42 | 返信

高校3年生の受験期に、お父さまが亡くなられて、本当に胸が潰れる思いでいらっしゃったでしょうね。
和田先生のお話で、池府の罪もない小学生を殺して回った宅間守も、秋葉原の大量殺人も、抗うつ剤の中でもSSRIを飲んでいたと判明したと仰っていましたから、お父さまもお薬の副作用も考えられますね。
長尾先生もお困りだったでしょうけど、お父さまもどうしてよいのか分からないで苦しんでいらっしゃったのではないかと推察致します。親戚のご意見で、一旦は社会に出てご苦労されたけれど、どうしてもお父さまが何故亡くなったのか、助けられなかったのか知りたいとお思いになって医学部に入られた経緯が、何となく分かりました。
わたし自身も中学生時代に教師に叱られたことや、高校時代には部活に手を取られて数学で0点を取ったので「退学してレベルの低い女学校に行け」と言われた時は、国道43号線に飛び降りようかと思いました。おかげ様で何とか長生きして両親を看取る事が出来ましたので、そろそろあの世に行っても良いかなと思います。従兄の一人も精神科の病院から退院して自殺しました。他人事とは思えません。
キリスト教では自殺は禁止されていますけれど、自殺する人は絶えません。日本は「お腹を召す」といって美談にされていますから自殺は多いです。
でも和田先生のお話のようにSSRIを服用することで、大勢の他人を巻き込んで自殺する人が出てくると、何故精神科へ行って、心の病が治るどころか、多くの巻き添えを連れて犯罪を犯すのか、お薬の研究をしてもらいたいです。
漢方薬や、鍼灸や歩くことを試してみたり、仕事を休んで自衛隊に体験入隊するとか、東南アジアのタイ国ではお寺に修行することも認められているそうです。皆が良い大学を出て、良い会社に就職してお金持ちになる事ばかり考えるのではなく、じっくり本を読んだり、旅行をする自由があっても良いのになあと思います。
昔、アメリカの大学を出たばかりの二人の男性が”ルート66”という映画でアメリカ大陸を東から西へ車に乗って横断旅行をするというテレビ映画を観ましたけれど、そういう余裕のある青春も認めてくれる社会であってほしいです。

Posted by にゃんにゃん at 2023年12月14日 09:18 | 返信

 PS)今日は親父の命日だ。・・・を拝読したあと、涙が出てきました。私は児童養護施設に勤務しています。同じ境遇の女の子が在籍していたことがあり、しかも、発見者でした。その悲しみに、どう寄り添えばいいのか・・分からない・・というより、誰も寄り添えないままでした。彼女は10年施設で過ごし、大人になり巣立って行きました。
先生がいま、人の為に歌手として、執筆家として、Dr.として、活躍されていることに私たちは感謝しています。お父様の人生は幸せなものではなかったのかもしれませんが、こんな素晴らしい方をこの世に送り出してくださった、それがお父様の務めだったのかもしれない・・と思うに至りました。お父様が天国で安らかであることを信じて・・

Posted by めぐ at 2023年12月14日 11:57 | 返信

かずくん、応援しています。かずくんの悲しみが伝わりうるうるしました。会社はクラスターで大変です。いい加減にして~。ふざけないで!良い女ぶって、そう会社の中心で叫びたいこの頃。熱い思いはありますが、平静を装いヘコヘコ働いております。
いつまでやる気だ!

Posted by 会社員 女性 うさぎさん at 2023年12月14日 12:24 | 返信

今日は先生のお父様のご命日なのですね。心からご冥福をお祈り致します。

先生の御本に、生前のお父様のことが書かれていましたが、お父様は愛情表現が上手くできなかったけれど、お母様と同様に先生を深く愛していたと思います。
今日もお空から、和くん頑張るんよーって優しく見守ってくれているはずです。

Posted by なお at 2023年12月14日 06:26 | 返信

先生、おはようございます。
今週は暖かいけれど、曇り空や雨が多く気持ちも塞ぎがちになりますね。
最近電車で遠出をすると、その後謎の体調不良が数日続きます。
未接種だから安心というフェーズは終わりつつありますね。
神様からお預かりしている身体だから、大切に使いたいけれど執着せずに最後は感謝してお返ししたいです。
生きていく上で夢や希望は鎹だけれど、叶わなくても全然かまわないのです。
それは心が明るくなる魔法みたいなものだから。
辛かった記憶はなるべく思い出さない方が良いけれど、曇り空と同じで避けられないものですね。
時々はその時の自分に寄り添って、頑張って今日まで生きてきたことを労ってあげることが必要なのでしょう。
私はあまり物欲がなくて、美しい物は大好きだけど、所有したいとあまり思いません。
写真を見るだけで、この地球でその美しい物と共存している喜びに溢れます。
宝物は幾つも持っていますが、物体ではなくそれを選んで贈ってくれた気持ちや自分の所に来てくれた工程やシュチュエーションが宝物だから死ぬ時も共にあるものです。
先生は未熟者でも愚か者でもなく、苦にフォーカスしやすい性質をお持ちなのだと思います。
職業病だし、先生のお優しさからくるものだからそのままでも素敵だけれど、もっと楽にフォーカスするのもお勧めです。
今日も先生や皆さまに心が明るくなるラッキーな事がありますように。
先生風邪が治られてよかったですね^^安心しました。

Posted by カノン at 2023年12月15日 08:13 | 返信

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