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TBS ラジオ「My LIFE!My CHOICE!!」の紹介
2024年02月15日(木)
TBSラジオの「My LIFE! My CHOICE!!」。
日本尊厳死協会のHPで動画でも見れる。
その辺りの事情を「月刊公論」に書いた。
月刊公論2024年3月号
日本尊厳死協会プレゼンツ日本初の死生観の番組
「My LIFE My CHOICE!!」のご視聴を! →こちら
死という言葉を忌み嫌う
人は100%死ぬ。どんなに長生きしても必ず死ぬ。どんなに医学が発展しても死ぬ。病気、事故、老衰・・・。しかし多くの人は、死は遠いものだと勝手に思っている。実際は今日1日無事に生きて過ごすことすら100%ではないのに。「必ず明日はある。来年も再来年も10年後も生きているはず」と勝手に思っている。
ほぼ100%の人にとって死は常に他人事である。病人や突然死の訃報に接して喪に服しながら、同じことが近い将来自分にも起きることには想いが及ばない。つまり自分事ではない。
親鸞は「散る桜、残る桜も散る桜」と謳った。物心ついた時から死体がころがる京都・河原町を歩いていたからなのか。しかし現代日本人にとって死に接する機会は少ない。病院での隠された死が8割。死は「穢れ」であり忌み嫌うべき対象である。
病院の病室にお坊さんが来たら「縁起が悪い」と怒る家族がいる。でも死んだらそのお坊さんにお経をあげてもらう。まあ仏陀の仏教を勉強せず葬式仏教だけに専念してきたお坊さんには響かない話だろうけど。 もし日常会話の中で死の話をしたら「縁起でもない」とお叱りを受ける。
メデイアにおいても死は放送禁止用語だった。たとえば「どう死ぬか」などの死生観を扱う番組は、放送局の考査にひっかかり制作できなかった。かくして人生で一番大切なテーマである「死」はタブーとされる社会の中で生きている。その結果、医療の現場では終末期医療に関して時に混乱が起き国会での終末期議論は10年以上、遅々として進展していない。
前半は徹子の部屋で後半は死生観
日本尊厳死協会は1976年に設立された延命治療お断りという人が集う市民団体だ。47年もの歴史をもち現在は公益財団法人である。緩和医療は望むが延命治療を望まない、いわゆるスパゲテイ症候群になるのは御免だ、と希望する人が自分の希望を紙に書いたものをリビングウイル(LW)と呼ぶ。そのLWの普及啓発を行うだけの団体である。
現在、約8万人の市民が登録しいわゆる終末期医療に関する自分の希望を文書に書いている。LWは日本においては法律が無いので公証役場や自治体や病院・施設の書式で自由に書いている人もいる。LW書いている日本人は約3%程度と推定されているが、多くの市民だけでなく多くの医師がその言葉すら知らない。
そこで日本尊厳死協会は、メデイアでも一般市民にLW啓発を始めた。先陣を切ったのがTBSラジオの「My LIFE My CHOICE!!」という番組である。毎週土曜日に放映されている。安藤弘樹アナが司会を務め、毎回、著名なゲストを迎えて番組の前半は、「徹子の部屋」のように人生の歩みを語って頂く。そして後半は「死」について自由に語って頂くという内容。
「死」は大切な人の死であったり自分自身の望む最期であったりだ。これまでの出演者を見渡すと石坂浩二、デビ夫人、中村雅俊さんのような世代だけでなく、ミッツマングローブさんのような40代まで各年代層に及ぶ。番組の最後には会員やリスナーからの質問に北村義浩理事長や私が答える質疑応答コーナーもある。
TBSラジオは土曜日の昼であるが聞き逃した人はRadikoで聴くこともできる。実は協会のYou Tubeでテレビのように「動画」として観ることもできる。1時間以上に及ぶ内容を30分に編集したものがラジオだがYou Tubeではほぼ全編を観ることができるので時間がある方にはこちらの方がお勧めだ。
視聴法はスマホかパソコンで日本尊厳死協会のホームページを開き、「協会ニュース」をクリック。6段目にTBSの「My LIFE My CHOICE!!」と表示されるのでそこをクリックして頂きたい。https://www.o-kinaki.org/14975/
このサイトは誰でもいつでも何度でも無料で観ることができるので、是非一度、ご覧頂きたい。また有意義だと感じたらお知り合いに紹介して頂きたい。自画自賛になるが、日本で死生観を扱った唯一の優良番組だと思う。
死生観を自由に語るには
国会には約20年前から終末期医療に関する超党派の議員連盟がある。前回、詳しく書いたようにコロナ禍の間は休んでいたが昨年から山東昭子議員を会長とする勉強会が再開された。加入している国会議員は約100名である。
昨年12月の議連の総会では「なぜ終末期の議論が日本では進まないのか」という質問が出た。「それは難病や障碍者の団体の反対が強すぎて議論が進まなかった」という意見が出ると、別の議員からは「特定の患者団体からの反対意見だけで議論を停滞させてはいけない。国民全体の利益を逸する可能性がある」という発言が出た。
筆者は10年前から、本議連の勉強会に出席してきたが、難病や障碍者団体のシュプレヒコールのなか開店即閉店のような集会を何度か経験した。難病や障碍者の団体は呼吸器を装着した患者さんが私を取り囲み「人殺し!」と大声で何度も叫ばれたことを思い出した。
しかしまずは、死について自由に語れる世の中の空気が大切ではないのか。法律云々の前に医学会でも国会でも自由に議論できる空気が無い限り、一歩も前に進めないだろう。
その意味では、TBSの「My LIFE My CHOICE!!」もまだ突っ込み不足かもしれない。しかし日本で初めてメデイアに風穴を開けたばかりである。是非、ご視聴のうえ忌憚のないご意見を賜りたい。
協会のYOU TUBEでも視聴を !
TBSの「My LIFE My CHOICE!!」は、 https://www.o-kinaki.org/14975/
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動画はここ。 →こちら
膨大な分量です。
2回に1回は、僕も出ています。
PS)
今の国会は「政倫審(セイリンシン)」だらけで
それどころじゃないね。
まだまだ続くよ、裏金問題。
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この記事へのコメント
今晩は。
2006年6月に生活保護申請を認められなかった北九州市小倉北区の61歳男性が、4日後に自宅アパートで首吊り自殺。
去年月14日、仙台市のスーパーで、181円のおにぎり1個を万引きした85歳男性が、警察に逮捕された。
所持金21円。
生活保護の申請を受け付けない行政。
セーフティネットは、刑務所だけ。
刑務所帰りの精神科の患者が「刑務所の方が(精神科入院よりも)ずっとマシ」と言っていたそうだ。
一生で使いきれない程の裏金貰って脱税してるセンセイ達には、国民なんて使い捨て雑巾程度の感覚なんだろうね。
ネットで若い人達が「安楽死があったらいいのに」と呟いてた。
元気いいのは、人と会わないで済むいい感じの仕事を独占してる外国人労働者。
真っ先に切り捨てられるのは、病気や障害を持ってる人や年寄り。
実際、クリスパーキャス9注射は、医療従事者と年寄りが最初の実験動物だった。
あれをデマ太郎やテレビは、遺伝子製剤をコマーシャルして、国民の8割以上が、打ってしまった。
日本人は、政府とテレビを信仰してる。
先日画廊に行くと、救急車が走っていました。
画廊の女主人は、「コロナで運ばれてるのかな⁉︎」と言いました。
異常な数の救急車が走り回っているのをコロナだと思ってるなんて。
救急車で運ばれてるのは、チンワク後の人達でなくコロナだと思ってるんです。
だから、「打ってて良かった、次回も打とう」って思うんですね、知りませんでした。
Posted by 三毛猫 at 2024年02月15日 12:57 | 返信
かずくん、お疲れ様です。
「My LIFE My CHOICE!!」は、出演者のお話がとにかく面白いので、時間があればあっという間に観てしまえるのですけど、「死」の話題というのは仲の良い友達同士だとよく話し合っているのを見るので(母の周りではそう)、本当は親密な空気なんですよね。
自分はそんなにいないかな。。自分の事よりは、親や家族の介護での話題が多いけれど、今度紹介してみます。
母も母の友人達も、とても好きな内容だと思うけれど、動画はネットかスマホなのでそこが一つのハードルですね。それを考えると、まだまだ伝わりにくさってあるんですね。
「生きる権利があること」と「死を引き延ばす」こととは異なると自分なんかは感じるのですが、“制度”や“医療的機能”の面で直線上に並んでしまうのが、難しい所かな。ただどちらも、社会からはとにかく隠されがち。
議論が出来るというのは、光を当ててよく見て知ることだと思うから、開いていくという進む方角は大事だと思います。
「客観視」って難しいですね〜。
今日も、お疲れ様でした。
Posted by 白夢 at 2024年02月15日 04:18 | 返信
こんにちは。
>難病や障碍者の団体は呼吸器を・・・
治療法もさしてなくて、見捨てられる恐れを感じたように
思いました。死生観は、ひとそれぞれ。この意識が共通認識に
なると、尊厳死の話はしやすくなるのでしょうか?
今日の朝刊より。4歳の女の子が虐待死?の記事。親に
なる教育も必要なんだろうな。雑な生き方。
あと、車の不凍液「エチレングリコール」と。似たような
名前を流行りの予防接種で見た記憶あり。ポリエチレングリコール、
ポリソルベートとか。何で、不凍液を飲ませたのでしょう?
では。
Posted by たまねこ53号 at 2024年02月15日 07:37 | 返信
「特定患者団体の反対意見」VS「国民全体の利益」という対立構造!
国会内議連のこういう認識では、事態は永久に打開されないでしょう。
京都で「嘱託自殺ほう助」した医師の動機には、相模原での障がい者無差別殺害事件犯人のそれと共通していた。
京都事件の際、石原慎太郎は「犯人弁護」に立ちたいと息こんでいた。都内の重症患者を見て「こんな人間に生きる意味があるのか」。「閉経済みの女はもう女でも人間でもない」と喝破していた。
「尊厳死法」の内容によっては、「重症患者の安楽死」に道を開く。なにせヒトラー死亡後の戦後、日本で誕生した「優生保護法」下の被害者救済を、いまだ「民事時効」ではばんで恥じない国柄なのだ。
「国民全体の利益」ってなんですか。沖縄辺野古で「代執行する」ヤマト国家の論理と変わらないではありませんか。
いつ完成するかわからない埋め立て工事に1兆円もつぎこんでどうするのですか。
「難病患者団体」が危惧するのは当然でしょう。「罵声」にたいして真摯に「対話」をつづけていくべきでしょう。
かれらも「国民」でしょう。国民を「患者VS国民全体」で分断するのはよくないです。
コメント欄でも「老害批判」に名を借りて「老い」や「死を忌み嫌う」風潮はいずれ、おのれに跳ね返ってきますよ。
Posted by 匿名でごめん at 2024年02月15日 02:22 | 返信
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