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徳田虎雄さんの手の感覚

2024年07月27日(土)

徳洲会の徳田虎雄さんが亡くなった。

僕は医学生時代に彼に握手をされた。

でも、徳洲会病院では働かなかった。


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「徳洲会」創設者・徳田虎雄さん、

二度と現れない医療界のカリスマ 

医師会と喧嘩しながら、病院を無医地区に次々と創設

夕刊フジ  長尾和宏  →こちら



仕事柄、たくさんの人と握手をしてきました。握手とは不思議なもので、たった数秒のことなのに相手の人間性やエネルギーを感じるときがあります。  


この人と握手をさせていただいたのは、僕が医学生だった頃。近くの大学に、講演会を拝聴しに行きました。講演の後、少しでも話がしたくて声をかけました。すると不意に手を差し出され、「君、卒業したら徳洲会に来ないか?」と言われ驚きました。


あのときの手の大きさ、力強さ、体温は今でもしっかりと覚えています。 全国に76の病院と、診療所や介護事業所など300以上の施設、そして4万人の職員を抱える我が国最大の民間医療法人グループ「徳洲会」を創設、衆議院議員も通算4期務めた徳田虎雄さんが、7月10日、神奈川県内の病院で亡くなりました。享年86。  


医療界にこれ以上のカリスマはもう、現れないでしょうね。徳田さんは兵庫県生まれ。2歳のときに鹿児島県・徳之島に家族で移住します。当時の徳之島では十分な医療が受けられず、徳田さんが小学生のとき、3歳だった弟が腹痛に苦しみながら急死しました。


虎雄少年は夜道を駆けて島の診療所に往診を頼みましたが、徳田家が貧しかったこともあり、なかなか応じてもらえず手遅れになったといいます。その悔しさと怒りで、徳田さんは医師を目指します。


大阪大学を卒業後、1973年に徳田病院を開院。その後、「24時間365日無休」「どんな患者も断らない」「生命(いのち)だけは平等だ」など多くのモットーを掲げ、医師会と喧嘩しながら、徳洲会病院を無医地区に次々と創設します。そして、1990年に政界へ。


しかし2002年、64歳のときにALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断されました。ALSは運動を司る神経(運動ニューロン)に障害が起きることで、手足や喉、舌を動かす筋肉が徐々にやせて動かなくなっていく難病です。視力や聴力、内臓機能などは保たれます。


徳田さんは2004年頃より病状が悪化し、翌年政界を引退。その後もしばらくは、鎌倉市内に自分が建てた病院の最上階特別室からグループを統率していたそうです。闘病20年。医療のために命を完全燃焼させたように思えます。


あのときの握手があったからこそ、僕も24時間365日、どんな患者も断らず65歳まで夢中で働き続けました。その強引な手法には賛否両論ありましたが、「生命だけは平等だ」という言葉に嘘はなかったはずです。


「子孫に美田を残さず。人生はカネではない。愛と心だ。人を相手にせず、天を相手にせよ」 こんなことを言える医者が今、他にいるでしょうか? 


僕にとっては、永遠のカリスマです。



ーーーーーーーーーーーーーーー




PS)

暑いね。今更だけど。


撮影現場は大変だ。


医療相談もやっています。





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この記事へのコメント

徳洲会病院には一度だけお世話になりました。
安倍政権が「連続4日間40度超でなければPCR検査受けさせない」と言い、安倍ゾンビが「PCR検査の発明者が診断に使ってはいけないと言って死んだ」とかデマを飛ばした時があった。半年ほどたって近くの徳洲会病院が「1万円でやっている」というので試しに行ってみました。「陽性の場合は保健所に連絡しますよ」と念押しされた。一瞬ビビったが1万円払った後だったので引くに引けなかったことを覚えている。
ですので、「いい印象」と「悪い印象」が混在しています。「mRNAワクチン」についてはどんな見解を持っているのでしょう。その見解次第で、徳洲会病院の評価をします。(これって「枠沈メガネ」っていうのでしょうね。)

Posted by 匿名でごめん at 2024年07月27日 11:40 | 返信

長尾先生、こんにちはニコニコやブログを良く拝見させていただいております。
医療相談もやっています。とのことなので質問させてください。

私と妻(各々71歳と69歳)は、東京暮らしワクチン未接種夫婦です。
定期健診は受けずなるべく医療機関と距離をおいて暮らしています。
私は2019年秋に退職直後、眼科で加齢黄斑変性の診断を受け、しばらくほって置きましたが免許証の更新の事もあり、2021年秋から始まる新コロワクチンの解毒剤(親類に配る目的もあり)として準備しておいたイベルメクチン(サンファーマ製ジェネリック)を2022年の秋までに2錠飲んだところ
加齢黄斑変性の症状が消えました、ほかに薬は一切飲んでいないのでイベルメクチンの効果だと思います。
イベルメクチンは、ガンにも効果が有ると聞き予防のために今回は、イベルメクチン(ajanta pharma製ジェネリック)を7日間(2024年6月20日~26日)服用してみました。
服用量は一人1日1錠を7日間です。
服用直後から私には変化はないのですが、妻の頭髪が脱毛し始めました。
頭頂部から後頭部にかけて頭皮が5~6割見える状態です。
現在は医者に通わず7月13日から「薬用レディース加美乃素HQ」を朝晩使って様子を見ています、
今のところ状態は変わりません。

長尾先生にお尋ねします。
妻の脱毛とイベルメクチン服用は関係ありますでしょうか?
頭髪回復の良い方法はありますでしょうか?
お忙しところ大変恐縮ですがお知恵をお貸しください。
よろしくお願いいたします。

Posted by 緑のカーテン2 at 2024年07月27日 05:54 | 返信

今晩は、拝読させて頂きました。

和宏先生の医師生活の大半以上は、もしかしたら徳田先生のご影響がおありだったかとお察ししました。
>「生命だけは平等だ」という言葉に嘘はなかったはずです。
>人生はカネではない。愛と心だ。人を相手にせず、天を相手にせよ
宇宙に還られた全ての彼岸の方々にご質問してみたい・・・
宇宙にも届く宇宙(コスモス)共通語があれば、教えて下さい・・・って。
徳田医師のご冥福を心よりお祈りし、功績を心に留めたいと思いました。教えて下さり有難うございました。

連日、炎暑とゲリラ豪雨の連続の関東です。
和宏先生も、ご無事でこの炎暑を乗り切れます様に。

Posted by あん at 2024年07月27日 07:17 | 返信

長尾先生、お疲れ様です。
世代交代とでも言うのでしょうか、戦後を支えて来た昭和の先人の訃報を聞くことが増えました。
しかし、長尾先生にも徳田虎雄先生という先輩がいたのですね。
いい先輩に巡り会うかどうか、いや、その先輩から何を吸収したかで、人は進歩を促されもすれば、劣化を促されもするのでしょう。
"縁は異なもの味なもの"とは昔から言いますが、実際に出会いとは…不思議です。

Posted by グッビオのオオカミ at 2024年07月27日 08:57 | 返信

先生、こんばんは。
徳田先生の小さな弟さんの死を思うととても哀しいですが、その事が貴い24時間医療の原点になり、多くの生命を救われたのですね。
長尾先生もお父様の死をきっかけに医師を目指されたのですよね。
きっとお二人共天国で見守り、喜ばれていると思います。
そして今は徳田先生も天国で弟さんと再会されて、お互いにありがとうを言い合っておられるかも…。
私にも何人かの恩師がいて、ある恩師は6年ほど前に誤解から疎遠になってしまいましたが、その間もずっとあたたかく見守ってくださっていたことが最近はっきりとわかる出来事がありました。
私は常にその方に感謝と幸せを祈りながら頑張ってきました。
そして、その方に教わったあることを今もずっと守っています。
長尾先生が大学生の時に徳田先生と交わした握手で感じた手の温もりがきっと長尾クリニックや今の先生の理念を支えてこられたのだと思うと、恩師との出会いは目指すことの方向性や色を決める最も重要な星の采配なのかなと感じました。
そこには必ず包むようなあたたかい愛情があり、それに応える憧れや尊敬がありますね。
家族とも友人とも違うその関係性が私は結構好きです。
だから、例えば習い事の先生と友達になる事をあまり好みません。
永遠のカリスマであってほしいから。
ところで先生の映画撮影隊の中では熱中症で倒れるのは若者ばかりなのですね。
私は息子を過保護に育ててしまいましたし、愚痴を言わない優しい子です。
なので無理をして倒れないかといつも心配になります。
先生、倒れた若者を鍛錬が足りない子に育てた親を代表してごめんなさい。
どうかよろしくお願いいたします。

Posted by カノン at 2024年07月29日 03:19 | 返信

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