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松岡正剛さんを偲ぶ

2024年09月13日(金)

松岡正剛さんという知の巨人が旅立たれた。

人生の1/4を、がんと闘った人でもあった。

その軌跡を夕刊フジ連載に書かせて頂いた。

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著述家・松岡正剛さん 人生の4分の1をがんと共存 

病得てさらに冴えわたっていた筆、

再読して日本を見つめ直したい 

夕刊フジ  長尾和宏 →こちら



暦の上ではもう秋ですね。町医者を卒業し、フーテンとなった僕は旅行の秋そして読書の秋を楽しみたいです。定年してからというもの、積読していた本を切り崩すように読んでいます。


頻繁に本屋に足を運ぶようにもなりました。好きなときに好きな所に出かけて好きな本を読む。これぞ若葉マーク高齢者の醍醐味かもしれません。 先日は『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(三宅香帆著、集英社新書)という不思議なタイトルの本を買い求めました。本書で著者は「本が読めない社会なんておかしい」と何度も嘆いておられました。


確かにその通りです。一生懸命働くほど、知的な活動から離れていってしまうという資本主義の矛盾に溜息をついたとき、この人の訃報を知りました。 誰よりも本を読んでいる現代人だったかもしれません。


文学、思想、科学とジャンルを超えた唯一無二の書評サイト「千夜一冊」を20年以上にわたり運営。編集工学というジャンルを創設した著述家の松岡正剛さんが8月12日、都内の病院で死去されました。享年80。死因は肺炎との発表です。  


松岡さんは2004年、60歳のときに初期の胃がんが見つかり胃の3分の2を摘出。その12年後、2016年には肺がんが見つかり手術。2021年に再発しまた手術をされたそうです。今年の春、朝日新聞のインタビュー連載〈語る 人生の贈りもの〉では、こんなことを仰っていました。



「いまだに酸素ボンベを家と仕事場に置いて、1日に数回はボンベ酸素呼吸をしています。たばこを吸いすぎたせいもあって、もう肺はボロボロ。声もちょっと出にくくなっているんですが、まあ、いいかなというか(笑)。すでに終活の年齢に入っていますから」  


がんと共存しつつ20年。つまり人生の4分の1を胃がん、肺がんという、難しいがんとともに生きたてきた松岡さん。


僕は松岡さんの著書を数冊、格闘するようにして読んできましたが、病を得てさらに筆は冴えわたっていたように思います。同インタビューでは、こんなことも仰っていました。


「日本は東洋に属して、しかも海を隔てた列島です。四書五経も仏教も外から入ってきたもので、稲・鉄・漢字・馬も順番に立ち上がってきたのではない。そういう国なので、編集的な多重性があるだろうと。だから日本をよく見ることによって、世界の文明や文化が見えるだろうという関心を持ちました」  


松岡さんの文章を読むと、「中庸」という概念が学べます。編集的な多重性のある国に生まれ、領域横断的に読書をする――積読していた松岡さんの著書を再読し、己を、そしてこの国を見つめ直す時が今、僕に訪れたようです。



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「中庸」


これが一番難しい。


でも心掛けたい。




PS)

「拳と祈りー袴田巌の生涯ー」を試写会で観た。→こちら


素晴らしいドキュメンタリー映画だった。


冤罪だけでなく、ボクシング、認知症、優しさと厳しさ、司法制度、

人生、兄弟愛、浜松、海外の冤罪事件などテーマの多い映画だった。


2時間39分だけど決して長くなかった。


泣いた。


9月26日に最終判決が出る。


公開は10月26日。


詳細は、Xのスペースで聴いてください。





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この記事へのコメント

「編集的な多重性のある国」(松岡正剛)!
ホモサピエンスが誕生したアフリカから最も遠い、弧を描いたヤマ、ヤマ、ヤマ。様々なルートからヤポネシアにやってきた。縄文人を最古層として、膨大な多重性を誇る! 熊野に高句麗(八咫烏)の旗が祭られ、古代倭王の祭事で八咫烏が旗めくのも、あなかしこ!
細胞内ミトコンドリアで母方がたどられる。細胞内核で父方がたどられる。現代東京人のDNA解析をやれば、南北アジア全域のDNAがちりばめられている。
「万世一系」などと神話をでっち上げ、出自を「大東亜共栄圏」に押し広げようとして頓挫した。「日本を取り戻そう」「自衛隊を明記しよう」という統一教会のスローガンを借りた安倍の「美しい国」(これも統一教会)も潰えた。
「編集的な多重性のある国」とは、まさに正倉院国家のことである!

Posted by 匿名でごめん at 2024年09月13日 07:48 | 返信

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