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福田和也さんを偲ぶ
2024年10月04日(金)
最近、見かけない、と思っていた
福田和也さんが、旅立たれていた。
僕よりも3つ年下なのでショック。
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文芸評論家・福田和也さん
肉体は消えても書き残した本は消えない
死んでからも永遠にプロの書き手
夕刊フジ 長尾和宏 →こちら
先頃、「雑誌・週刊誌を月に1冊も買っていない世帯が5分の4近くにも上る」という衝撃的なニュースを知りました。この15年にわたり毎年本を上梓してきたからわかるのですが、コロナ禍以降の出版業界は、本当に大変なことになっています。
街の本屋さんも次々に消えていき寂しいかぎり。 かといって電子書籍の売り上げが伸びているかといえば、そうでもありません。無料で読めるものが多すぎて「お金を払って読む」という価値観が希薄になっているところは僕自身にもあります。 しかし書籍文化の衰退というのはすなわち国力の衰退ではないか? 国民の知性こそが国の財産とすれば、我が国は物凄いスピードで沈没しかかっている......
そんな荒んだ気持ちでいるなか、私の読書の大きな指針となっていたこの人の訃報に接しました。 保守の論客としても知られた文芸評論家で慶応大学名誉教授の福田和也さんが9月20日、千葉県内の病院で亡くなりました。享年63。死因、急性呼吸不全との発表です。
福田さんはここ数年、闘病生活を送られていたとのこと。 訃報欄を眺めていて、皆さんもときどき不思議に思うことがあると思います。死因が「心不全」や「呼吸不全」になっているが、それまで聞いていた病名と違うぞ?というときです。
急性心不全や呼吸不全は、亡くなられたときの状態(死亡診断書に書く死因)であって、本当の死因(闘病をしていた病名)とはまた違ったものです。前者で発表するか後者で発表するのかは、ご家族や関係者が決めているはずです。もちろん、生前に本人が「死因は明かすな」と意思表明するのもアリです。
最近は、死因を発表しない訃報も増えてきました。死に方もある程度選べる時代ですから、それでいいのだと思います。 この連載を続けている僕自身、死んだときは、その死因は世間に発表してほしくないと思っています。本音を言えば、死んだこと自体、誰にも知られたくはない。
「ああそういえば最近、長尾を見かけないなあ。ブログも更新してないし、ライブもやらなくなったよね...」。そう思われて、徐々に周囲の記憶から消えていけたなら理想です。肉体はこの世から消えても、書き残した本は消えません。
福田さんは『ひと月百冊読み、三百枚書く私の方法』(PHPビジネス新書)というご著書の中で、こんなことを書いていました。 「プロとうのは、どんな時にも物書きだということですね。
仕事をしているとか何とかではなくて、生きている時間全体が、書くということに関わっているのが、プロの書き手だと思います」 死んでからも永遠にプロの書き手、素晴らしい論客でした。
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PS)
書かせて頂いたように僕自身は
人知れずこの世を去るつもり。
当面、このブログの更新が生存確認ということです。
もう10数年、書いていますからね。
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この記事へのコメント
福田和也さん、存知上げない私でした。
ひと月100冊!(そうお聞きして浮かんだのが目黒考二さん)
読むこと自体がお仕事に直結されているのでしょうか。
100冊。スゴイ・・・
小学生の夏休みの読書感想文の宿題。
その頃は日常的に本を読む習慣が無いに等しかったので、ツライ宿題だったことを思い出しました。
街の書店は地元にはすっかり無くなってしまいました。
近くのイオン内の書店も、4分の1がガチャ売り場になっていました。
夕刊フジさん、来年の1月末で休刊と目にした時、長尾先生がすぐに浮かびました。
先生がこちらに書かれているものが本になってほしいと思いました。
Posted by たかの at 2024年10月04日 06:08 | 返信
先生のご無事をずっと思ってます。先生以外におかしなことを色々問題視してくださる他の先生や政治家の方も。先生長生きしてください。先生方のような方々が、いなくなれば本当に希望もてません。
Posted by 心の中の応援者 at 2024年10月04日 09:01 | 返信
ある「保守論客」が書いていました。「中国を批判し靖国神社を参拝し愛国心を尊重すれば、あなたも明日から『保守』になれます」(2013年)。「保守・革新」という言葉がありましたが、「革新」はすでに死語となり「保守」も死語となりつつあります。「江藤淳や西部邁の自死」の意味もよく分かりませんでした。代わりに「ネトウヨ」なるものが跋扈しています。「リベラル保守」という新論客も登場しているようです。私は「保守」は好きでも嫌いでもありませんが、「保守の劣化」は悲しいですね。
「2013年」と言えば、私のある疑問を長尾先生があるホームページで取り上げていただき回答していただいた年です。その後『和の町医者日記』を知り、以来11年コメント欄に投稿させていただくようになりました。「10年ひと昔」という言葉も死語になりました。そのころは、医療従事者のかたの投稿も多かったのですが、今や皆無。寂しい限りです。インストラクターを自任する私としては理学療法士のかたの反論など期待していましたが、いちどもありませんでした。「医療界の劣化」も悲しいですね。
Posted by 匿名でごめん at 2024年10月04日 12:28 | 返信
書籍離れ、数年前からやばいと感じていましたが、自分自身がそうなっているのに案外気付いていませんでした。
最近はネットで週刊誌や新聞の記事が手軽に読めてしまう事に慣れ、オススメに出てくるものを何も考えずクリックしています。
よく考えたら自分が読みたい記事というよりも、載せる側が読ませたいものに誘導されてる事に他ならないですよね。
こんな事を続けていれば脳が受動的になり、意図されたパワーによる支配にも弱くなるのではないかと思うと、危機感を覚えます。今のうちになんとかしなければ。
認知症の叔母が昼間ヘルパーさんも来ない時間帯は寝て過ごす事が多くなったと聞き、絵本なら読めるかもと思い、てぶくろという絵本を楽天ブックスから注文して届けてもらいました。
昨日電話したら、面白い、ウクライナ民話と書いてあるね、と。
きっと読んだことをすぐ忘れて何度も何度も初めてみたいに読むんだろうな、と思いました。
もはや刹那的に生きている彼女にとっては、楽しいと感じる瞬間が1回でも多くなるのは寧ろ喜ばしい事では。
絵本を含む文芸作品には人生の最終章を迎えた人にも感動を与え得るのを目の当たりにし、自分自身、これからも本と疎遠にならないように気をつけたいと思いました。
Posted by Yoko Oda Thapa at 2024年10月04日 02:52 | 返信
『サウンドオブフリーダム』ぜひご覧になって下さい。実話です!米国での公開までの苦難、全米第一位にも関わらず、日本では取り扱いがとても少ない!世界の闇はコロナだけではなく、たくさんの闇が山積です!
Posted by 続オッペンハイマー at 2024年10月04日 08:13 | 返信
親愛なる和宏先生。
本当に永遠の別れの痛みは、年々きつくなりますね。
PS拝見しました。人知れず去らないでくださいね。
>♪そんなセリフ言わないで〜♪
>♪遠くになんて行かないで〜♪
>♪life is a never ending jouney〜♪
胸が締め付けられそうなので、コスモス今年見に行ってませんが、
銀座は頑張って駆けつけますよ。
世の中、理不尽やおかしな事だらけですが、寿命なんとか引きずって生きてます。
心身、無理なさらないでくださいね。
安否確認、頑張って伺って、一緒にこの最高のオリジナルソングを歌いたいと思ってます。
ひとり戦っている私も寂しさや厳しさを痛感させられております。
ここに書き込みしている読者様と同じく私の60’sの希望でもあります。
これからも色々と教えてくださいね。宜しくお願い申し上げます。
60’s若葉マークより。
Posted by あん at 2024年10月04日 08:52 | 返信
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