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「何なんだ、この国は!」

2024年12月22日(日)

「何なんだ、この国は!」。

これは小倉智昭さんの言葉。

最近、僕達もよくそう叫ぶ。

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キャスター・小倉智昭さん「何なんだ? この国は!」

小倉節を、もう一度聞きたい 

使命として伝えた治療の経過、医師たちにも学び

夕刊フジ  長尾和宏 →こちら




今でこそ「死」の問題は、どのテレビ番組でも普通に扱われるようになりましたが、一昔前、特に朝の情報番組では「死を扱うなんてとんでもない!」という反応でした。


そこに風穴を開けてくれたのは、2013年8月の『とくダネ!』(フジテレビ)です。自宅で穏やかに死ぬために何が大切かを丁寧に取材してくださり、僕の患者さんも、僕も出演しました。  


それまでの司会とは違う立ち位置で、歯に衣着せずどんなタブーにも挑戦していった『とくダネ!』のキャスター小倉智昭さんが、千葉県内の病院で12月9日に死去されました。享年77。  


長年糖尿病を患っていた小倉さんが膀胱がんと診断されたのは、2016年、71歳のとき。尿の中に血が混じっていたことで異変に気がついたといいます。内視鏡手術を受けたものの、医師からは「状態がかなり悪いから膀胱の全摘を」と勧めらます。


男性機能を失うことに未練があり逡巡していましたが、2年後にポリープから大出血をしたことから全摘手術。小腸を60センチ切って、代用膀胱を造設しました。


女性よりも男性の方が3倍罹患率が高い膀胱がん。小倉さんが仰ったように男性機能と直結するためなかなか話しづらい、聞きづらい病気です。しかし小倉さんは、「だからこそ治療の経過を話していかなければ」と、その後、病状を赤裸々にお話しするように。


「勃起神経は切ったが射精神経は残っている。ビュッと出たのがオシッコだったりして...そういうことは医師も知らないから、泌尿器の学会に呼ばれて講演した」 「常に尿漏れパッドをあてて生活している」などというお話を聞いたときは、驚きました。


いちばん話しづらいことを、キャスターの使命として伝えることで同じ闘病をしている人達に勇気を与え、医師達にも学びを与えてくれました。


2021年9月に『とくダネ!』を卒業。その翌月には、がんが肺に転移しステージ4であることが判明しました。それでも、テレビやラジオの仕事を続けられていたのも同年代には大きな励みとなったことでしょう。


そして昨年12月には、腎盂がんと診断され、左の腎臓を摘出。免疫チェックポイント阻害薬であるキイトルーダにも挑戦され、その副作用を含め、治療の経過を断続的に公表しておられました。


僕は『がんは人生を二度生きられる』(青春出版社)とう本を書いています。小倉さんは治療経過や死生観を伝え続けることで、キャスター人生をまさに二度生きた。


最近、地上波の番組は萎縮して市民より政府の顔色ばかり見ているように思います。「何なんだ? この国は!」という、あの小倉節が、もう一度聞きたいです。



ーーーーーーーーーーーーーーー



僕は10年前、特ダネに出たことがある。


「自宅での尊厳死」がテーマだった。


当時は、在宅医療は珍しかった。


また、「死」はテレビではタブーだった。


僕が、NHKラジオ深夜便で初めて「尊厳死」を語った。


そして中居さんの夜のテレビで初めて「尊厳死」を語った。


さらに朝の番組では、小倉さんの「とくダネ」が口火を切った。



今では普通に報じられている尊厳死もメデイア界では大変だった。


そんなメデイアに、小倉さんは「何なんだ、この国は!」

と啖呵を切っていたが、相手は自分自身だったのではないか。



僕が「何なんだ、この国は!」と怒るのも、この国の政治や、

医療に叫んでいるのと同時に、自分自身に向いて叫んでいる。




小倉さんと最後に遭ったのは、2年前の読売テレビのスタジオ内。


僕が「そこまで言って委員会」に出演した時に廊下でご挨拶した。


顔が浮腫んでいたけど、肩で風を切って堂々と歩いていられた。



あの元気なお顔が僕の記憶に焼き付いているので、

訃報をショックというか、とても空しく受け止めた。



小倉さんのご冥福をお祈りする。



PS)

いい天気が続ていますね。


映画は、この2日間、屋外での撮影でが続きますが、

天気に恵まれているので予定どおりに進んでいます。


考えてみたら、クランクインしてからずっと晴れ続き。


もしかしたら(もしかせんでも)、僕は晴れ男なんかなあ。(嬉)



明日のニコニコ長尾チャンネルのゲストは、偉大な映画監督の

白鳥哲さんをスタジオにお呼びして「恩送り」について語ります。



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この記事へのコメント

そういえば、今年の6月に身まかりました、従兄も膀胱がんでした。「急激には、悪化しません」と言われていたのに、6月になって急に悪化したと従兄の嫁さんは言っています。
ずっと以前には、松田優作さんが、膀胱癌だったと思います。
何にせよ、手術して長生きしてほしかったです。

Posted by にゃんにゃん at 2024年12月22日 07:50 | 返信

かずくん、こんにちは。


あまりお時間無いので、さらっと書いてみます。

私はどちらかと言うと、イエス・キリストを敬愛してるので聖誕祭であるクリスマスは大切な日と捉えているのですが(そっちが気になって)、冬至も大きな区切り目ですね。
ほとんとこの数日間は、地球全体が回転しているから、世界中の人々にとって同じ様な時期なのかもしれません。

私自身は、今年は25日から新しいことを始められたら良いなと考えています。
ちょうどお休みだし。なんだかこだわり方に年を取った気もするけれど。


昨日は終日、携帯の修理と手続きに追われていて、とても悲しかったです。
その結果恐らく大丈夫だと思うのですが、ニコニコ動画も後半観れるか心配。クレジットカードの登録の罠にも落ちてしまいそうです。
理不尽ですね。
でも年が明けたら、また変更するのですぐではなくても観ること自体は大丈夫だとは思います。


この映画自体は知りませんが、私自身はこの監督さんの役者さんとしての経歴が面白くて、とても興味を持っています。文学座というところも。
自分自身は、演劇というジャンルには研究的な関心があって(出る側ではありません笑)、今地元の言語を教えて頂いている先生もベテランの演劇役者さんですし、私がとても尊敬している児童心理分野や心理療法家の大先生も、演劇を中心とした教育や療法が専門の研究者でもあるので、「他人の気持ちや立場になり変わる力」というのは、凄く興味を持っているところ。

今回は、あまり何も先入観なくお話お聞きしてみようと思います。

今日も、応援しています。

Posted by 白夢 at 2024年12月23日 02:29 | 返信

長尾先生、お疲れ様です。

自宅での死=穏やかな死ではない

というのが、実情でしょう。

自宅で、安らかに死ねる方というのは、生前、さしたる持病や、長患いしている命に関わる病気をしたことのない、そういう状態で、寿命を迎えることが出来た方だけであるはずです。

ですから、自宅か自宅でないかは、穏やかさとは何の関係もありません。

もし、自宅で、安らかに死にたいなら、最も、重要なことは、生前に、大きな病気をしないことです。

問題となるのは、そうではない人達の場合、どうするのかだと思います。
そういう意味では、病院で、適切な治療を受けられることや、医師達が、常に、切磋琢磨し、
より安全で、患者に無理のない、再生治療などを含む、革新的な医療なども必要になるでしょう。
福島先生などは、「IPS細胞の連中は、何やってるんだ!」といった発言をされてたかと思いますが、例えば、歯が生えてくる副作用のない薬などは、じょじょに、実用化されてきているのではないでしょうか?
また、西洋医学が疑問視される昨今、特に、内科系では、漢方に代表されるような自然に近い療法などは、病院などでも見直される時が来ているのではないでしょうか?

おそらく、長尾先生が主張したいのは、ご自身が、そういったこととは真逆の、病院などでの惨状を、たくさん、目の当たりにしてこられたからこそ、今一度、訪問医療などのレベルやモラルの見直しや向上が必要なのだという、お気落ちが強いのではないかと思います。
ただ、一歩間違えば、むしろ、患者に、必要以上の苦しみを与え、周囲の者達に、混乱を招きかねない仕組みでもある以上、軽々に、どっちがいいといった問題ではないと言えると考えますが、いかがでしょうか?

Posted by 一歩間違えば「穏やかプロパガンダ」になる訪問医療にも、問題が山積しているはず at 2024年12月23日 11:04 | 返信

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