このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com

まだ生きているリリー

2013年05月18日(土)

3月12日に末期がんの犬、リリーちゃんのことを書いて、はや2ケ月が経過した。
http://blog.drnagao.com/2013/03/post-3036.html
その後、「末期がんの犬のスピリチュアルペイン」についても述べたのだが・・・・
2つの応援
クリックお願いします!
   →   人気ブログランキングへ    →   にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ
 
 
実は、リリーちゃんはまだ生きています。

2ケ月前に、余命1日と書いておきながら、
まだ生きています。

完全に寝たきりになって、全身の皮膚に口の癌(舌癌)が転移し
少量の水しか飲めない状態ですが、まだ、生きています。

私の余命予測は、これくらいよく外れます。

もちろん私だけではありません。

最近の在宅看取りした患者さんは、

病院に入院時には、主治医に、「余命1年」と言われました。
しかしその2週間後の退院時には、「余命1ケ月」に変わりました。

たった2週間の入院中に、余命が一気に11ケ月も短縮しました。

そして在宅を開始してから実際の余命は、たったの、4日間、でした。
私が「余命はあと2日位かな」と告げた、たった4時間後に旅立たれました。

あまりにも穏やかだったので、家族は笑顔で迎えてくれました。
死亡診断書を書いたあとも、小1時間、家族と談笑していたくらい。

まあ、これくらい私の余命予測は、よく外れます。
誰よりも人間の最期を見ているつもりでも、実によく外れます。

さて、リリーちゃんは、動物病院にはかかっていません。
家族が、介護をしているだけ。

食事介助と排泄介助だけ。
と言っても水分だけ。

もちろん、誤嚥しています。
肺炎で多少、ゼコゼコ気味ですが、脱水があるので軽度です。

点滴などの延命治療が無いので、長生きしているのだと思います。
すごい生命力。

あらためて驚いています。

リリーは時々、泣きます。
特に夜になれば、悲しそうに泣きます。

人が泣いているような声。
泣くときだけ、声が出ます。

寂しいのです。
痛いのです。

心も痛い、のでしょう。

犬にも緩和ケアをしてあげたい。
モルヒネを使いたくなります。

リリーちゃんは、3月から4月の1ケ月くらいは、目をつぶっていましたが
また、最近、目を開けるようになりました。

在宅患者さんを訪問するたびに
リリーちゃんと、目と目で会話しています。

何をしに行っているのか、わからない。

犬は、平穏死できる。(まだ死んでいないが)

しかし、人間は平穏死できない。

こんな当たり前の事実を、みなさんにどう伝えればいいのか、
日々、悩んでいます。

犬は、なかなか死にません。
人間も、なかなか死にません。

最期に延命治療をすると、寿命が縮まります。
そして、もっと苦しみます。

今週のリリーの顔です。

2つのランキングに参加しています。両方クリックお願い致します。皆様の応援が日々ブログを書く原動力になっています。

お一人、一日一票有効です。

人気ブログランキングへ ← 応援クリックお願い致します!

(ブログランキング)

にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ ← こちらもぜひ応援クリックお願い致します!

(日本ブログ村)

※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

痛みだけは除いてやりたいです。

Posted by 異端者 at 2013年05月18日 03:47 | 返信

犬には緩和ケアはできないのでしょうか?
13才で亡くなった先代犬は、その数か月前から衰えがみられましたが、
延命治療されるのはいやなので動物病院(現代獣医学)にはかかりませんでした。
現在いる犬たちは漢方も取り入れている獣医さんに代わりましたが・・
先代犬の最期は苦しそうだったので、今いる犬たちの最期には緩和ケアをしてもらおうと思っているのですが。

Posted by スピッツゆり&ららの母 at 2013年05月18日 08:32 | 返信

長尾先生こんばんは。人間も動物も命の重さは同じです。どうかワンちゃんも穏やかに人生を全う出来る事をお祈りしています。今日は中島美津子先生の師長が行う夜勤・交代勤務のマネジメントの講義を受けに大阪に行きました。明日はお休みでも、今日の講義を受けて工夫しながら6月の勤務表を作成します。新大阪の駅には誘惑が多く、研修に行ったのにたこ正のたこ焼きと点天の餃子を買ってきました。私、埼玉出身なので一回食べてみたかったのです。本日の夕食でいただきました。153cmでxx㎏で、酒豪ですが美味しいもの食べられる事に感謝。毎晩の1杯のビールのために職場でも昼のお弁当以外は間食はしてません。ピンピンコロリが理想ですが、もしもの時は振られた男に「中野の人生かっこよかったよ・・・」と言われるように仕事もお母ちゃんもがんばるよ~
ちょっとは綺麗でいたいので、標準体重目指すよ~
長尾先生の平穏死は、もっと勉強してスタッフにも伝えていきたいです。

Posted by 中野志乃 at 2013年05月18日 10:03 | 返信

コメントする

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com


過去の日記一覧

ひとりも、死なせへん

安楽死特区

糖尿病と膵臓がん

病気の9割は歩くだけで治るPART2

男の孤独死

痛い在宅医

歩き方で人生が変わる

薬のやめどき

痛くない死に方

医者通いせずに90歳まで元気で生きる人の7つの習慣

認知症は歩くだけで良くなる

がんは人生を二度生きられる

親の老いを受け入れる

認知症の薬をやめると認知症がよくなる人がいるって本当ですか?

病気の9割は歩くだけで治る!

その医者のかかり方は損です

長尾先生、近藤誠理論のどこが間違っているのですか

家族よ、ボケと闘うな!

ばあちゃん、介護施設を間違えたらもっとボケるで!

抗がん剤 10の「やめどき」

「平穏死」10の条件

胃ろうという選択、しない選択

  • にほんブログ村 病気ブログ 医療・医者へ