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朝日新聞のがん放置療法に関する報道

2013年12月17日(火)

朝日新聞に、がん放置療法に関する両論併記記事が載っている。
http://apital.asahi.com/article/gan/2013121600003.html
勝俣先生は「放置療法は一部患者に当てはまる仮設」と論じている。
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私は、勝俣先生と100%同じ意見だ。
しかしこれが「反論」として書かれていることに強い違和感を感じる。

これは反論ではなく、正論。
そんなことも分からない記事。

そんな新聞社に呆れるばかり。
もしかしたら洗脳されているのか??

新聞社は週刊誌と決定的に役割が違う。
報道と娯楽の違いだ。

報道は正しいことを伝える、
一方、娯楽書や一般書は楽しければ、あるいは売れさえすればなんでもあり。

だからこんな並記扱いになるのは、本当に残念な扱いだ。

それくらいメデイアの知性、リテラシーも低下しているのか。
自分たちがどんな影響を及ぼしているのか想像もできないのか。


毎日、カルト信者たちからの悪意に満ちた攻撃は続く。
一方、「よく分からない」という手紙やメールも沢山頂く。

そんな方は、この勝俣先生の記事をちゃんと読んでほしい。

それ以外に参考資料として、以下の3点を参照されたい。
1)市民からのメール 「ハーメルンの笛吹き」
  http://blog.drnagao.com/2013/12/post-3596.html

2)市民からの手紙。この手紙の中に、すべてがある。
  http://www.drnagao.com/pdf/media/related_article/tousyo131202.pdf

3)プレジデントFamilyの12月号に掲載された私の最新記事
  http://www.drnagao.com/pdf/media/otherpaper/family131218.pdf


毎日のように放置療法に悩む患者さんが全国から来院される。
270円で相談に乗っている。

私は対談したいわけでも、争いたいわけでもない。
助かる命を救うこと、助からない病気なら寄り添うために、真実を伝えたいだけ。

それが町医者の仕事。
これ以上、まだ助かる患者さんへの放置療法の犠牲者を増やしたくないと思う。

ほぼ365日、24時間、働き詰めで、患者さんに寄り添っている。
多くの末期がんの人の家に行き、最期までご縁を深めていく。

末期がんは、95%以上、在宅で看取っている。
看取ったあとも、家族とのいい関係はずっと続く。

最近は、夕めしがすっかり日付けをまたぐことが増えた。
先週からは電子カルテ導入もあり、当院は大混乱の真っ最中。

しかし町医者は外来患者さんと在宅患者さんのために尽くすのが使命。

365日、24時間、約300人の在宅患者さんのファーストコールを受けて19年になる。

講演中も必ず携帯が鳴るので、演台の下にしゃがんで話をすることもある。
講演中の電話看取りもある。

今年も90人位の看取りになる。
3~4日に1人の割合で看取っている計算になる。


そんな無茶苦茶な生活の間に書いた本なので、完成度は高くない。
しかし、町医者が本分なので仕方がない。

「医療否定本に殺されないための48の真実」(扶桑社)
http://www.amazon.co.jp/%E3%80%8C%E5%8C%BB%E7%99%82%E5%90%A6%E5%AE%9A%E6%9C%AC%E3%80%8D%E3%81%AB%E6%AE%BA%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE48%E3%81%AE%E7%9C%9F%E5%AE%9F-%E9%95%B7%E5%B0%BE-%E5%92%8C%E5%AE%8F/dp/4594068685/ref=zg_bs_2133619051_3

この1年で7冊の本が出て、それぞれに、まあまあ売れているらしい。

頂いた本の印税は、すべて福島県相馬市の震災孤児に寄付している。
先週も、しばらく分、まとめて、ドーンと寄付。

著作は本業では無いので、私は1円も得ることはない。
町医者が生業。

しかし匿名のカルト信者さんからの脅迫や集中攻撃に参っている。
何を書いても三倍返しなので、文章を書くのが怖くなる。

世の中のは匿名だから何をやってもいいと思っている人が実に多い事か。
何をどう書いても攻撃されるので、このブログももう止めたほうがいいかも。


私生活の実態は、その何倍もの理事長業務、院長業務が待ちかまえている。
患者さんからのクレームをはじめ、多くのトラブル処理が最大のストレスだ。

トイレに行く暇も無いくらい、毎日、四苦八苦している。
だから頂く膨大なメールや手紙も全部読めないし、返事もできない。

正直、人間の限界を超えている日々。
それでもまだ追いかけて石を投げるカルト信者さんや、意地悪な人に悩まされている。

こんな不器用な人間もいることを知ってくれている人がこの世に少しいれば、それで満足。
だから独居の在宅患者さんと過す時間が、自分にとって1日のなかで最も癒される瞬間。










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※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

長尾先生のご意見に99.99%以上賛同している一読者です。
主張が正しければそれに逆らう輩が出てくるのは世の常と思われます。今まで感心・納得・共感に満足していただけで初めて投稿します。
先生が弱気にならないでください。正論の発信を継続することにより理解者・応援者も増えることと思います。思うところを表現が難しく全部を書けませんが、応援しています。

Posted by chousan at 2013年12月18日 09:15 | 返信

長尾先生が投じられた一滴が、大きな波になっています。

これまで「本当かな?」と疑問を持って見ていた事が、「本当は・・」に変わってきています。

多くの市民は賢明です。お大変さは十分(?)分かりますが、これからも是非、発信してください。以上

Posted by 小澤 和夫 at 2013年12月18日 11:33 | 返信

2012年初夏、長尾先生にメールをさせてもらい返信をいただきました。親の肺ガンがわかり、治療を進めるにあたり、最期を考えて在宅を取り入れたいと思ったからです。

お忙しい中、長尾先生は3度もメールの返信をしてくださいました。
・両親の住む場所には講演にいったことがある。
・在宅医として引き受けられない距離である。
・講演をしなければならない → 看取りをする在宅医がいない市。
などを教えていただき、その知識を活かしながらケアマネさんにお願いをして24時間で看取りもしていただける在宅医に出会うことができました。

メールをさせていただいたときに、がん治療として、放射線治療と副作用の感じない抗がん剤治療(休眠療法)をおこなってゆくことをお知らせしたとき

・私なら、親に対して、抗がん剤治療はしません。

と書かれていました。とても深く刺さった言葉でした。
新幹線で、放射線治療のために検査に数回向かわねばならず、本人はまだ生きようとしていましたし、家族も必死でした。 けれど、帰りの新幹線で疲れ果てた親を見ると、長尾先生の言葉が頭を横切り涙が出ました。「私は間違っているのかもしれない」と。

その後、手術不可能を言われた肺ガンは放射線治療でおさまりました。トモセラピーという当時は最新の技術であり、使用する側の技術もとても優れていました。(関西圏と東京では、同じトモセラピーでも使用方法が異なり、関西では拒否され、東京では受け入れてもらえました。)

休眠治療が合っていたようで、放射線・抗がん剤の治療開始前は急上昇していた腫瘍マーカーも、少しずつ副作用が出ないように調整してもらった抗がん剤で、値が下がりました。

大学病院で検査を繰り返していたからか、見落としであったからかわかりませんが、当初Stage2だったはずの肺ガンは、転移が見られました。Stage4、治ることはありません。

2013年夏、生存曲線では半数以上の方が旅立つデータの中、普通に生活をしていました。抗がん剤の副作用と言えば、足の裏が黒くなり皮がめくれていたぐらいです。(TS-1)

口経剤は、味覚症状が出やすいです。

それを抑えるため、大型ドラッグストアで売っている亜鉛サプリをとりました。(安価なもの)全ての方に有効ではないようですが、私の親には合っていたようで味覚をなくしませんでした。

けれど、ガンという病気への恐怖からか、隠れていた痴呆が一気にすすみ、手がつけられなくなりました。公共機関での移動が難しくなり、通院できなくなりました。

悩みましたが、抗がん剤治療を停止しました。
その後は、徐々に弱り始め、咳もでるようになりました。 けれど、在宅医師と看護師のおかげで、好きなものを食べ、好きなところに出かけられます。

少量とはいえ、腫瘍マーカーを抑えていてくれた抗がん剤。当初、無治療期間で大きく動いた腫瘍マーカーを考えると、それほど長くは時間が残されていないと思っていました。

けれど無治療期間が、半年以上経過しました。 弱ってきており、食欲は落ちてきました。咳も出ますが、家でゆっくりと過ごしている間は苦痛はあまりないように見えます。

ゆっくりと枯れてくる、平穏死へむかっているように思います。

もし、始めからガンの治療をしなければ昨年のお正月はなかったと思います。 
もし、標準的抗がん剤治療をしていれば2013年の夏はなかったでしょう。

生存曲線は、薬の効果を見るもので、製薬会社がおこなっているものが大半と聞きます。

それをそのまま信じれば、副作用で苦しんだ後に旅立つという道が見えます。なぜなら、Stage4は治ることはない、死を意味するからです。

それを理解して、残された時間を、どのような生活を送りたいのか、どのような医療を受けるのか、または受けないのかは、患者と家族が決めなければなりません。 

医師に決めてもらい、治らないと怒っても、それはエビデンスとおりです。

無治療を進める医師がいて、それをヨシとするマスコミだけが、本当に悪でしょうか。 効果が疑われる高額サプリや水、免疫治療というものも悪ではないでしょうか。 そうした広告を載せているのも新聞などのマスコミです。

町では「新聞で見た、無治療のほうがいい」という声を私も聞いたことがあります。 けれど、彼らは間違いなく、大病院へ走ってゆくでしょう。

本当の標準的抗がん剤治療の辛さを、愛する友人や家族が受けて最期を迎え、疑問を持った人でないかぎり。 逆に考えれば、その現実を見た人は、標準的抗がん剤治療は選ばないと思います。

その時に、エビデンスの本当の意味と、それ以外の「治療」についてを説明し、たとえ無治療を選んでも、それに連れ添ってくれる医師がいるという安心感が最も大切なのではないでしょうか。

Posted by よしみ at 2013年12月18日 01:41 | 返信

鍼灸学校時代も、「経絡学派」と、「現代医学派」に分かれて、感情的に、大喧嘩していました。
私は、現代医学派の米山先生に「うちに来る?」と言われて弟子入りしただけなんですが、「現代医学派閥」と言われて、虐められました。
米山先生が亡くなると、弟の榮先生は、神経内科で開業していますけど、甥にあたる鍼灸師は「米山鍼灸院」と看板を書き換えて、経絡治療をしていますし、米山先生の実のお嬢さんは「月経困難症の経絡治療」と題して、全日本鍼灸学会誌に発表しています。
あとから考えると、感情的に争うことが、虚しく感じられます。
どのお医者さんも、真面目に、一生懸命考えて下さっていると私には、思えます。

Posted by 大谷佳子 at 2013年12月18日 02:30 | 返信

『さよならタマちゃん』武田一義 講談社という漫画があります。
35歳、漫画家のベテランアシスタントの作者が精巣腫瘍、肺転移の宣告。
手術、抗がん剤治療の苦しさ。
当たり前の平穏な生活が、家族や、職場等、どれだけ多くの人に支えられたお陰なのかを実感し、人生を振り返らなければならない状況。
死を突然意識し、病と向き合い、人生をどう生きていくか、戸惑い、混乱、決意。
苦しい治療の闘病生活の中出会った、他の患者さんの人生にも思いをよせる。
闘病記をまとめたものでデビュー。
重いテーマですが、作者の人柄か、暖かな気持ちになり、前に向かって行こうと元気をもらえます。
元気な方、闘病中の方、家族、医療者みんな読んでみてください。
カバーもめくって。

Posted by 小畑ふみこ at 2013年12月18日 03:58 | 返信

読売新聞の医療サイトでコラムを書かれている、緩和医療医の大津秀一医師も、コラムやブログで、近藤医師の主張に対する意見を述べています。http://ameblo.jp/setakan/page-1.html#main
他にも、腫瘍内科医の先生もブログで近藤理論について反論されています。
長尾先生も、誹謗中傷なんかに負けずに、我が道を歩まれてください!

Posted by 匿名 at 2013年12月19日 12:39 | 返信

『抗がん剤10の「やめどき」』 3刷 2万部突破!

おめでとうございます。

Posted by 匿名 at 2013年12月21日 09:29 | 返信

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