このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com

理想のグループホームを求めて

2015年10月08日(木)

理想のグループホームって、どんなんだろう?
それはどうやら北海道に沢山あるようだ。
忙しいので、今日のアピタルの記事をそのまま転載する。
2つの応援
クリックお願いします!
   →   人気ブログランキングへ    →   にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ
 
 
10月8日(木) 理想のグループホームを求めて
 
昨夜は、全国グループホーム団体連絡会のみなさまと夕食を囲みました。
今日から京都で全国大会が開催されるので全国から関係者が来ています。
 
グループ―ホームとは認知症の人9人がワンユニットになり共同生活する場。
通常、2ユニットか3ユニットだと思います。
 
グループホームの全国組織は現在、2つあるそうで、そのうちの1つの大会です。
みなさん現場の方なので、認知症ケアについてとても話が弾みました。
 
私も数ケ所のグループホームの入居者を診させて頂いています。
老衰の看とりも年間、数例くらいの頻度で経験しています。
 
話題になったのは、グループホームでの「鍵」です。
鍵がまったく無い施設と、3重鍵の施設まで、いろんなところがあります。
 
施設外を自由散歩できる施設と、まったくそれをさせてもらえない施設。
昨夜のみなさまは、施設間で相互チェックを行っているとのことでした。
 
そのチェック項目がなんと530もあると聞き、驚きました。
でも相互チェックはいいシステムだと思います。
 
あと介護職員の研修のあり方についての話にも、なりました。
介護職員に必要な研修を、どうすれば受けてもらえるのか。
 
どうも私が見る限り、北海道のグループホームが一番進んでいるようなので
「北海道で定期的に研修をやればいいのに」と提案してみました。
 
あと、「救急車を呼ぶこと」に関する話題も出ました。
事件でもないのに、警察の取り調べが始まった、苦い経験談も。
 
これは医師法20条と21条の話ですが、ちゃんと話すと2時間くらい
になりそうで、場が白けそうなので、止めました。
 
そういえば、11月28日(土)に新神戸オリエンタル劇場で
第6回近畿在宅医療推進フォーラムを開催する予定になっています。
 
テーマは、「ピンピンコロリなんか無理なん、知っとう?」で
現役の医師たちが、在宅看とりをテーマにした演劇をします。
http://www.drnagao.com/img/lecture/kinnkizaitaku20151128.pdf
 
その中で、警察とのトラブルや坊さんとのトラブルをリアルに描きます。
なにせ、全員現役バリバリの医師や看護師なので迫真の演技になるはす。
 
私は全体の責任者なので、その準備に右往左往中なのですが、なにせ
豪華キャストによる「そこまでいうてええん会」だから、ええんです。
 
ちなみに、グループホームも立派な自宅です。
そこに住民票を移している人もたくさんおられます。
 
自宅介護が無理、と諦めて施設を探し回る人が沢山おられます。
友人知人からの連絡は、我が親の介護施設に関する相談ばかり。
 
私は、グループホームこそ理想の療養の場にしたい、と思っています。
しかし町医者の浅知恵ではなんともならないので連絡会に頑張って欲しい。
 
そんな想いで、昨夜は親交を深めました。
認知症ケアの現場で頑張っておられる方がたとの交流は、時間の流れを忘れます。
 
今日は13時から厚労省で記者会見を行います。
「一般社団法人・抗認知症薬の適量処方を実現する会」を立ち上げた経緯を話します。
 
こうしたことこそ医者が言わねば、とバッシングを覚悟の上で立ちあがりました。
先日の河野和彦先生の尼崎講演の感想文を見てもみんなおかしいと思っています。
http://blog.drnagao.com/2015/10/post-4761.html
 
このブログもあと4回で2000回を迎えます。
ここでひとつの区切りにしたいと思うので、話があちこち飛び、スミマセン。

2つのランキングに参加しています。両方クリックお願い致します。皆様の応援が日々ブログを書く原動力になっています。

お一人、一日一票有効です。

人気ブログランキングへ ← 応援クリックお願い致します!

(ブログランキング)

にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ ← こちらもぜひ応援クリックお願い致します!

(日本ブログ村)

※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

 以前から聞きたかった河野先生のご講演を近くで開いていただいて感謝しています
漠然としかわからなかった話が会場で売られていた本を何冊か買って読むとよく分かりました
で、街の薬局薬剤師が何ができんねんとずっと思っていたのですがこの2,3日 来局された
方のご両親の話を伺うようにしていると 結構悩んでおられる方が多くおられて 河野先生の
コウノメソッドの話をするとびっくりされます。その本を貸してあげてできるだけ早く読んで
長尾クリニックを受診するようにお勧めしておきました。

 が 一つ目の感想。第二は先生が講演のあとで薬はさじ加減や と言われてたように
今の保険制度でさじ加減は医師も薬剤師なかなか言い出しにくいと思います。その弊害に
いつも言いますように 医療用医薬品はほとんどすべてが処方箋医薬品となってしまい
薬剤師が相談を受けて 飲み方の増減をその場で言ったり 処方箋なしで販売することが
できなくなりました(昔は 医療用医薬品もかなりの数を薬局薬剤師医薬品として薬剤師の
裁量で売ることができていたのです)東洋医学を捨て去った日本ですので 毎日の食生活
が健康に直結することを忘れてしまっているので薬の服用も超個人差があることを
忘れてしまったいるような状況です。先生が立ち上げられたこの会は根の深い問題やと
思います。うまくいきますように^^:

Posted by 薬剤師 井澤康夫 at 2015年10月08日 06:01 | 返信

わたしも研修って大事よね〜と思い 社会福祉協議会に 認知症や精神疾患に関わる介護職に対しての研修があるかと問い合わせしてみました
「ないです」と言われて びっくりポン!です
看護師は 授業の中に 精神看護を学び さらに 病院へ実習します
さらに 訪問看護師は 精神看護算定要件を満たす研修を受講したものでないと 訪問看護はできません
なのに ヘルパーさんは 訪問できて 市として 研修がないって どういうことなのか
それで 本当に大丈夫なの?

わたしは大丈夫じゃないです
認知症も精神疾患も 関わり方で ほんとに変わります
ほんとに 勉強しようよ〜
10月10日の河野先生の講座が楽しみです

Posted by 訪問看護師 宮ちゃん at 2015年10月08日 09:43 | 返信

 北海道には理想的なグループホームがあるんですね。
 
 私も一時期グループホームで働いていました。その時、和田行男さんの「大逆転の痴呆ケア」という本に出会い。「これこそが理想的な認知症ケアだ」と思い、心を熱くしました。

 私が勤めていたグループホームは日中は玄関を施錠していませんでした。毎日散歩に出かけていました。
 でも、それだけでは物足りず「和田さん所みたいな介護をしたい。」と思い、入居者と買い物に出かける練習をして、最終的には入居者に食事のメニューを決めてもらい、買い物に行き、調理もしてもらえるようになりました。
 中でも、買い物はドキドキです。見つからないように後から付いていくのですが、スーパーでお目当ての商品の場所が分からなかった入居者さんたち。近くにいた店員さんを捕まえて商品をその人にさがしてもらうという知恵と行動力を見せてくれた時には生活者としての力を感じました。
 一時期は介護職としてもとても充実した日々を過ごすことが出来ました。しかし、残念なことに管理者が変わることにより、閉じ込め型のグループホームに成り下がってしまいました。

 今は居宅ケアマネで在宅ケアを支える立場にありますが、「年寄りの出来ることを奪わない」という視点は今でも大切にしています。

 「大逆転の痴呆ケア」から、まだ見ぬ介護者へ と言うステキな詩があります。一部紹介します。

 まだ見ぬ介護者へ  和田行男

 私はすべてを失ったわけではありません
どんなことでも まず問いかけてみてください
何でも まず私の意思を確認してみください
食べる 食べない 行く 行かない 暑い 暑くない?
どうしたのって 聞いてみてください
訳のわからないことを言うかもしれまあせんが 私は病気です
痴呆状態にあるのです 進行性の難病といってもいいでしょう
察してください ようく見てください

私はすべてを失ったわけではありません
まだまだ若いものに負けないこともたくさんあります あると思います
でも 若い頃と同じようにはできないでしょう
あせらせないで じっと見ていてください
見ていて 少しだけ手を貸してください
人間の機能や能力は使わないと使えなくなると 若い頃に聞きました
生きるためにたたかう力はまだまだ・・・・・

(つづく)

※この詩が出来たのははまだ痴呆症と言われていた頃です。

Posted by みるく at 2015年10月08日 11:13 | 返信

先の講演会での話題の中で、印象に残っていました。
「apital連載について、千日回峰行を2度=2000回が区切り」と、少し寂しげに聞こえたような
気がします。2000日という縁起、御利益があるといいですね。連載お疲れ様です。
ある時に連載No.二桁の号を読むチャンスに恵まれたので、第1回も探そうと試みたことがありました。
けれど、サイトシステムが途中で新しいスタイルに移行されたためか、遡ることができませんでした。
可能でしたら、連載初期を読みたいです。

Posted by もも at 2015年10月08日 11:42 | 返信

GHオーナーは医療を知らずにビジネス目的で参入した人も多く、コストのかかる介護士や看護師などの医療者ではなく、安く雇える医療を全く知らん管理者やスタッフを雇っている事が多いので、難しい患者のBPSD対応の仕方を全く知らずに、すぐ「薬で抑えてくれ」と言われます。スタッフは介護家族のような熱心さがなく楽に仕事がしたいという意識が強いようで、自分の頭で学ぶことも考えることもなく医者に責任丸投げ体質です。かつてみていたGHで別の精神科医が処方した抗精神薬で尿閉になったなど、すぐに薬で抑えようとしてくれる精神科医が同じGHに訪診に来るようになって、精神科医の危険な薬物処方による有害事象が続出し、その対応をこちらに丸投げしてくるのでブチキレましたね。
他にも内科医がグループホームの訪問診療が嫌でやめたという話はよく聞きます。まあたぶん全国には優秀な対応をされているGHもあると思いますが。2度とGHの仕事は受けたくないですね。
GHに預けてる家族のほとんどは普段は会う事もないので、信頼関係がまったくなく、病状が悪化した時だけ医者に文句を言いにくるといったパターンが多いですね。GHはいろいろやりにくいです。

Posted by ある実践医 at 2015年10月09日 10:49 | 返信

ある実践医先生に同意です。私も、非常に理解のあるGH施設長がいるホームへの訪問診療は楽しくできていたのですが、管理者が変わり、何でもかんでも薬で押さえつけるように言われ、拒んでいたら他の診療所に変えられた経験があります。
精神科に限らず、皮膚科もステロイドを処方して、その副作用の治療はこちらに丸投げすることがほとんどでいやになります。
なお、当方の地域では、介護家族もほとんど同じ考えです。コウノメソッドを理解できる地域ではないので大変です。

Posted by とくめいさん at 2015年10月09日 05:28 | 返信

人様に諭すような畏れ多いことは言えません。ただ、我が身に起きてきた経験=人生経験を、
徒然に時々書きたくなるのです。パソコン画面に向かっているとは言え、思考の向こうには
イメージした長尾和宏様がいらっしゃるから、だと思います。日常の中にあって、この種の話題を
意気投合して語り合えるような、そんな関係、機会は少ないからです。

幼い頃から旧知の友である彼女は、実母を精力的に介護し看送りました。
老年期に脳腫瘍を患ったお母さまを、手術した後の病後療養であって=被介護者年齢であったため、
実際には認知症とは異なるのだけれど、一見すると、そのような、社会的には一括りにされたで
あろう状態の介護生活でした。大変な日常でありながら、殆どを自宅で過ごす晩年を送る事が
できたのは、一卵性親子のように生きてきた彼女(友)が、当然のこととして意志を貫いたからです。
様々な苦労話を聞きましたが、最も印象に残っているエピソードには、お母さまが歩いて過ごす事が
可能だった時期の日課には、外出可能な僅かな時間に、千円札を一枚握り占めて近所の商店に何かを
買いに、毎日一人で出掛けていたそうです。身体の状態を聞いている限りでは、一人で外出する
という行為がチグハグにも感じる程の、困難な日常であったのに、買い物に出掛けることに喜々と
した様子=生甲斐となっているのを見受けて、それを許していたようです。
近所や商店と関係を築き、挨拶し、買い物の実際の清算には御主人(友の父上)が通っていたそうです。
都会の真ん中での出来事です。
女性にとって買い物は楽しみです。阪神淡路大震災が起きて、ひと月程経った頃のTVニュース内
インタビューで印象深かったのは、避難所生活を余儀なくされている女性が「買い物に出掛けたい。」
と答えていらっしゃったのを覚えています。
認知症患者を排除、隔離、制限、拘束する事なく、自由に行動できる、許容される社会の実現は
さ程、難しい事ではないと思うのです。社会が寛容で優しければ、実現可能なことだと思います。

Posted by もも at 2015年10月09日 07:12 | 返信

とくめいさんへ 同意コメントありがとうございます。
理解のあるGH管理者も少なからずいましたが、やはり理解のないGH管理者のほうが多かったですね。
認知症を理解しようとしない者は管理者をやるなと言いたいです。無責任すぎる。
皮膚科は超高齢者に平気でステロイド内服をバンバン処方するので禁止してほしいです。
コウノメソッドにこだわる必要は特にないと思いますが、神経系薬剤のリスクを処方を要求する管理者と処方する医者はわかってほしいですね。あまりにも無知蒙昧すぎます。

Posted by ある実践医 at 2015年10月10日 02:39 | 返信

先日は楽しい時間ありがとう。介護と医療の連携なくしてグループホームも在宅のケア/看取りはできません。さらに、医者のコンビニ使いは駄目です。便利だけでは医者がもちません。夕方訪問診療してもらえば、夜中に呼び出すことなんて殆どありません。私の15年の経験ですが。死を受け入れるということを理解しなくてはね。グループホームがまず実践者としてやるばい。

Posted by 下川孝志 at 2015年10月12日 08:56 | 返信

コメントする

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com


過去の日記一覧

ひとりも、死なせへん

安楽死特区

糖尿病と膵臓がん

病気の9割は歩くだけで治るPART2

男の孤独死

痛い在宅医

歩き方で人生が変わる

薬のやめどき

痛くない死に方

医者通いせずに90歳まで元気で生きる人の7つの習慣

認知症は歩くだけで良くなる

がんは人生を二度生きられる

親の老いを受け入れる

認知症の薬をやめると認知症がよくなる人がいるって本当ですか?

病気の9割は歩くだけで治る!

その医者のかかり方は損です

長尾先生、近藤誠理論のどこが間違っているのですか

家族よ、ボケと闘うな!

ばあちゃん、介護施設を間違えたらもっとボケるで!

抗がん剤 10の「やめどき」

「平穏死」10の条件

胃ろうという選択、しない選択

  • にほんブログ村 病気ブログ 医療・医者へ