全国1740の市町村のうち、552市町村に24時間対応できる
在宅療養支援診療所が整備されていないことが報道された。→
こちら
在宅医療推進は、約3分の1の市町村では絵餅になっている。
国は在宅推進を強く望む。
国民も一部は在宅を望む。
全国どこに行っても同じ質問を受ける。
「ここにはいい在宅医がいないのですが・・・」
たしかに在宅に取り組む医師は増えない。
その理由は、「公論8月号」にも書いたばかり。
つまり、医者が悪いわけではない。
今の制度に無理があるので、取り組みたくても取り組めないのが実情なのだ。
一昨日も徹夜で走り回っていた。
「深夜往診などほとんど無い」と豪語する在宅医がいるが、私は要領が悪いようだ。
国は偉い在宅医の意見は聞くが私たちのような末端の意見は聞かない。
だから、「なんじゃこりゃ???」みたいな筋違いな制度しか出て来ない。
では、在宅医療を推進させる方法はなにか。
その鍵は、「夜間対応」にある。
夜間の対応は、地域の病院の若い医療職に往診をさせればいいだけ。
そのためには、一定期間、昼間も地域で看取り数の多い診療所で実習すればいい。
その実習を受け入れる診療所のみを、在宅療養支援診療所にすればいいだけ。
たったこれだけのこと。
あちこちで言ったり、書いたりしてきたが、末端の意見など中央には届かない。
北海道の新日高町の下川さんからも悲鳴が聞こえてきた。→
こちら
北海道内だけでも、109の市町村に在宅診療所が無いと嘆いている。
新潟県・粟島だけではなく、東日本の医師不足は深刻なので、
早く手を打ったほうがいい。
医療政策なので、やろうと思えばすぐにできるのだが・・・
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在宅支援診療所3割空白 552市町村、厚労省集計
2016年7月25日 (月) 共同通信社
全国の自治体のうち3割に当たる552市町村では、昨年3月末現在、病気や高齢のため自宅で過ごす患者を医師らが訪問して治療する「在宅療養支援診療所」(在支診)がないことが、厚生労働省の集計で分かった。
国の調査では国民の半数以上は「自宅で最期を迎えたい」と考えているが、在宅療養を支える基盤が整っていない現状が浮かび上がった。自宅で亡くなる人の割合に自治体間で大きな差があることが判明しており、こうした医療提供体制のばらつきが一因とみられる。
在支診は24時間往診できることなどが要件で、全国に1万4320カ所。一般診療所は全国に約10万カ所あり、在支診の割合は全体としてもまだ低い。
在支診のない自治体の9割は町村部で、近隣市の在支診がカバーしている可能性もあるが、市部でも55市にはなかった。北海道と東北で552市町村の半数余りを占めており、在支診の数は西高東低の傾向がある。
厚労省の担当者は「北海道、東北は積雪や山間地が多いなど気候・地理的要因から在宅医療があまり普及していない。西日本は病院を含め医療資源が多い」としている。
みとりの取り組みには在支診の中でも濃淡があり、4割程度は年間に1件もみとりを実施していないとみられる。患者が最期まで住み慣れた場所で暮らせるよう、厚労省は「在宅みとり」を広げていきたい考えだ。
この記事へのコメント
ブログ文中にあります、>その鍵は、「夜間対応」にある。
> 夜間の対応は、地域の病院の若い医療職に往診をさせればいいだけ。
この部分に賛成です。行政がやる気になれば、すぐにでも可能ではありませんか?
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過去の長尾ブログ:2014年12月15日より
人口800人の無医地区だった浪合村で、減塩指導という
名目をつけて独居世帯を手分けをして回っていました。
当時、それは「家庭訪問」といいました。
村人たちに教わることのほうが多く、今、自分があるのは
浪合村の優しい村人たちのお陰であると感謝しています。
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今の世の中、24Hr.営業や年中無休の店が当たり前になって、年末年始休みも無縁な働き方を
強いられている職種は沢山あります。販売・製造・運輸 etc. 主婦のパートですら深夜労働が
あったりします。もちろん介護職には、夜勤があります。
先に引用した長尾ブログ2014.12.15にありますように、医師も一般市民や高齢者と接する日常
からは、医療技術以上のもの、教科書には載っていないものが吸収できる場ではないでしょうか。
"夜廻りドクター" に賛成します。
Posted by もも at 2016年07月26日 09:25 | 返信
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