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保健所は犠牲者 第五波への備えは保健所の機能分離
2021年06月21日(月)
今夜のNHKスペシャル、「パンデミック激動の世界」
は、「保健所崩壊」の裏側を検証した内容、だった。
感染症体制の脆さを補強し第五波に活かして欲しい。
静岡県と神戸市と沖縄県の事例、が紹介された。
神戸は、26年前の阪神淡路大震災の教訓がある。
神戸はみんなで助けあい柔軟にやる。
保健師だけに任せてはいけない、と。
疫学調査は感染者1人につき過去1週間の行動履歴を調べ、
最大20~30人の濃厚接触者を遡る、日本独自の難作業だ。
静岡県の西部保健所では感染者40人でパニックになっていた。
当院も一時は、1日10人もの感染者がいたので、よく分かる、
でも、「調査」でコロナが治るはずがない。
「調査」で、患者が死なないわけではない。
調査が有効なのは感染拡大の抑制だけである。
つまり昭和12年から続く「隔離」だけの機能。
静岡県の保健所でもこれだけの崩壊が起きたのだから、
大阪や兵庫ではどれだけの惨状だったが分かるだろう。
1990年半ばから保健所の縮小が始まった。
保健師だけでは足りないのは当たり前だ。
パンデミックという有事に保健所の戦力はそがれていた。
県の保健部の他の部署から援軍も出せない位、人手不足。
保健所が悪いのではなく、そういう建付けの犠牲者である。
保健所の機能として
1)疫学調査に基ずく隔離機能
2)PCR検査の検体採取と検査機能
3)入院調整機能、などがある。
1)は保健師がやるべき仕事で、2)は民間委託でいい。
3)は、「医師による重症度判定と人生会議を経た入院依頼」であり、
保健所は傍観者で、通常の病診連携でやったほうが合理的ではないのか。
つまり、「隔離機能」と「治療機能」の分離が、問題の本質ではないか。
後者は、毎日随時、医師同志が直接やる「トリアージ会議」で決めるべき。
そうのように、医学雑誌「日本医事新報」に書いたばかりだ。→こちら
それには、保健所の立ち位置を定める法律を変える、つまり国会審議、しかない.。
でも田村大臣や岡部先生はそれを可能とする法整備から逃げているように感じた。
あれでは、第五波でも、また同じことになるのではないのか?
いったい1年以上、国は何をやっていたの?と思ってしまった。
今、必要なものは美談ではなく、
実践的な保健所改革ではないか。
保健所の機能分離
保健所外し、と言ったほうがいい。(5類指定)
僕は第一波からそれを体感したので、保健所の指示を待つ間に、
患者から電話を通じて悲鳴があればそれに応じて対応してきた。
2009年の新型インフルエンザの教訓が活されていないね。
あの時、何があったのか僕のブログには、記録してある。→こちら
2009年5月25日のブログにはPCRへの疑問を書いている。→こちら
12年経っても何も変わっていないことをこのブログが証明している。
だから12年後の今夜のNスぺは
正直、モヤモヤ感だけが残った。
保健師さんが頑張っておられることには敬意を表する。
でもあの酸素はどこの医師の指示なのかな、と思った。
そもそも自宅放置者がいることと患者に「治療ができない」
ことが問題なのに、なんだか論点がすり替えられているよ。
結核の隔離とコロナの隔離は意味が全く違う。
昭和の法律では令和の感染症に対応できない。
菅総理、僕の疑問に答えて下さい。
中川会長、どうか、教えて下さい。
5類じゃだめなんですか?
なぜ5類にしないのですか?
PS)
コロナチャンネル #407
_コロナで忘れられた、3つの医療のことば →こちら
YOU TUBEを辞めたという質問をいろんな人から頂く。
違うんです。「90日間の免停」をくらったのです。
コロナチャンネルは「ニコ動」に移動してやっています。
どうやって知らせたらいいのか、誰か教えてください。
このブログを読んでいる人はもちろん知っているけども
YOU TUBEのチャンネル登録した人にどう知らせるのか。
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この記事へのコメント
保健所にコロナの初期対応はムリ。そんな事ド素人でもわかるはずですが、医師会も厚労省も政治家もダンマリでスルー。
北米に比べ新型インフルの犠牲者が段違いに少なかったのは、日本では町医者・開業医が対応して診療したからであって、感染症専門科が活躍したわけではない。開業医の大多数がワクチン接種済の今なら、同じように対応できないものでしょうか?
医師のワクチンが終了して時点で、なぜ2類指定を変更しないのか?いつまで続けるのか?個人的にはインフルエンザよりも段違いに重症化・死亡率が高いコロナを同じ5類にするのは抵抗があるので、新たな6類を設けるしかないと思います。医師会・厚労省はワクチン既接種医療従事者には地域のコロナ対応最前線に全員参加(交代制)であたる事を号令してほしいものです。
認知症も色々です。まだ理解力・意志確認ができるか?できないか? 歩き回るか?歩けないか? 任意接種なのでご自身の代わりに家族の意志でワクチン接種?その後クモ膜下出血、心筋炎などで重症化・死亡したら?家族はどう思うのか?
ワクチン接種は意志確認不可・寝たきり高齢者よりも、まずは労働中高年世代の非高齢者に優先接種すべきだと思いますが。
接種する前に、このワクチンはまだ正式に認可されていない。安全性は保障されていない。事を明確にアナウンスすべき。
2年にわたり「コロナコロナコロナ」今は「ワクチンワクチンワクチン」こんな洗脳がいつまで続くのでしょうか?
Posted by マッドネス at 2021年06月21日 06:31 | 返信
長尾先生、毎日ブログ、動画のご発信、ありがとうございます。
Posted by yn at 2021年06月21日 10:41 | 返信
youtubeのコミュニティ機能というのを活用すれば、チャンネル登録者さんに告知が可能です。
参考になる記事がありましたので、リンクを貼っておきます。
https://ytmaster.com/technic-communitytab/4778/
いつもありがとうございます。
Posted by 匿名希望 at 2021年06月21日 12:59 | 返信
あの~また、飛ばないです
「そうのように、医学雑誌「日本医事新報」に書いたばかりだ。 →こちら」
こちらをクリックすると「ページがみつかりません」
しかし、なんていうか、かんていうか・・・
柄本拓(さん)なんて目じゃないわぁ~
長尾先生のブログに2009年当時の先生のお写真をみて、思いました
今と余り、変わってないようだけどカッコイイ
私の携帯の待ち受け画面は先生が「気に入っている一枚」と、仰っていた一枚にしてあります
バックの商店街が似合っていて、「町医者」て感じが素敵(#^^#)
ホント、肩に掛けた聴診器が先生らしくって
余談ですが、ポンタカードのポンタは「はら太鼓」が楽器になりますが、長尾先生はお歌が上手です
また、気になるのが時々、おへそが取れる夢を見るとかで、長尾先生は・・・
Posted by ナオミ at 2021年06月21日 01:21 | 返信
YouTubeがバンされた方は別アカウントでサブチャンネルを作って色々と告知されていました。
新しく作ったサブチャンネルでも同じ発信をしたら即凍結かもしれませんから告知のみか、近況報告程度がよろしいかと。
最近ではyoutubeからニコニコ動画に移って、一念発起有料チャンネル立ち上げる方もおられました。
その場合、最初の10分ほどyoutubeとニコ動同時配信。次の10分はyoutubeは切断、ニコ動無料配信続行。
次の1時間ほどはニコ動有料会員部分となります。有名な方ではDaiGoさんはずっと前からこのパターンですね。
あるいはTwitterで告知してニコ動を貼り付けても結構広まります。
私は今も情報収集の入り口はTwitterです。あの人どうなったのかなぁ?とか思ったらまずはTwitterで検索してます。
ところでYouTubeのゆっくりニュースで長尾クリニックと先生のことが特集されてますよ。
[ゆっくりニュース] 日本一コロナ患者を診た町医者「イベルメクチンなどで対応、死者ゼロ。」
で検索したら出ます。
大体正確に発信してくれていますが、その中で、イベルメクチンは個人輸入してたんだろうなぁーなどと推測で発信されたりしていました。そういうところがネットは玉石金剛で困りものです。今現在で11万回以上再生。コメントは600以上ついてます。こんなお医者さんがいたのか!医師会はこの先生のおっしゃることを参考にしろよ。などと自由にコメントされています。
また、動画の最後は一般の方々の意見でまとめられていてすごく尤もな意見のオンパレードです。みなさん本当まともですよ。
Posted by 匿名 at 2021年06月21日 03:11 | 返信
以前の保健所の記事の時、政府か?厚労省(どっちか忘れた、笑)に、私なりに意見を送りました。匿名でアドレスも書かず送ったので、読んでもらえてもないでしょうけど(笑)
患者側としたら、治療や入院については医者同士で連絡取り合ってくれる方が安心です。私は、基礎疾患があるので、憂鬱。基礎疾患のかかりつけ医は、大学病院。
普段のちょっとした病気は、患者のかかりつけ医なので、熱が出たら近所のかかりつけ医(発熱外来有り)へ行くことになります。近所のかかりつけ医の体制がどのようなものになっているか?分からないのですが、保健所に丸投げされたら〜この間みたいに病床が逼迫した時、入院出来なかったら、保健所とのやり取りだけになると思うと不安で仕方がないと思います。
近所のかかりつけ医も良心の有る方だと思うので、丸投げってことはないと思うのですが…普段往診もしている先生ですが、コロナの往診まではしてないかな…
兎にも角にも、医者同士話せばすぐに判ることも、保健所が間に入れば、患者の症状さえ的確に伝えられないと思うので、助かる命も助からずってことも…無きにしも非ず…
保健所の職員さんも大変な思いの中、任務を全うしようとがんばってくださっていると思います。
医師でもないのに、患者の命を預かるようなことをさせられて、お気の毒です。
第5派が来るまでに、なんとか体制の変更が叶いますように!!って、
もうそんなに時は無し…のような気がします。
長尾先生、どうかお身体お気をつけて〜
Posted by 匿名 at 2021年06月21日 06:18 | 返信
2021年06月21日 06:18 ですが、打ち間違いがありました。
患者のかかりつけ医→「近所」のかかりつけ医です。
もう一度読み直すと、全体的にへんてこりんな文章になっていて、
読みづらくて、すみません。他にも打ち間違いがあったら、ごめんなさい。
Posted by 匿名 at 2021年06月22日 01:29 | 返信
「保健所は犠牲者 第五波への備えは保健所の機能分離」拝読、2009年の長尾先生のブログも拝読し、長考いたしました。表題のとおり、「保健所」は「犠牲者」でもあると思いますが、ご存知のように厚生省医系技官の大事な天下り先でもあります。長尾先生のご主張のように「保健所」の機能を分化させ、現状に適切に対応できる組織にするためには、厚生省の組織・制度を変える必要があると私は考えます。おおもとは、厚生省医系技官制度であると思います。200人にも上る医系技官が厚生省に存在し保健所は彼らにとり現状では重要な天下り組織となっていると私は思います。そして、その医系技官は、臨床経験はない技官で、現実には今回のコロナ感染対策ではむしろ弊害が目立つ存在となっているのではないでしょうか。現にダイヤモンド・プリンセス号でのコロナ集団感染対策で、「ゴジラのような大きな咳をする人がいない限り、感染しない」と言った東海北陸厚生局長も医系技官です。「保健所」の機能を分化させるためには、先ず厚生省の医系技官制度を解体すべきであると私は思います。PCR検査を保健所、国立感染症研究所に独占させ、PCR検査難民を発生させたのも、厚生省の政策です。長尾先生のご主張のとおり民間委託すると保健所が不必要になるからであると私は思います。全て、おおもとは厚生省につながり、『国民の命と財産』を守るためには厚生省の現在の組織、特に医系技官制度、国立感染症研究所等の「感染症ムラ」を解体しなければ、今後、新たな感染症が発生した時に、また今回と同じことを繰り返すだけで『国民の命と財産』を守る事は困難になるのではと私は思います。(参考に『日本のコロナ対策はなぜ迷走するのか』上昌広著、毎日新聞出版、2020年)を使用いたしました。)
専門家ではないのに偉そうなことを書き連ねまして、ご容赦下さい。
Posted by 洋ちゃん at 2021年06月22日 08:49 | 返信
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